火曜日, 6月 3, 2025
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映画感想:劇場版忍たま乱太郎/ドクタケ忍者隊最強の軍師浅輪はなはな

🧠 あらすじと概要:

あらすじ

映画「劇場版忍たま乱太郎/ドクタケ忍者隊最強の軍師浅輪はなはな」は、『忍たま乱太郎』シリーズの劇場版作品です。物語は、土井先生が記憶を失い敵に回るという王道のストーリー展開を中心に進みます。混乱の時代、学園の生徒たちや先生たちは土井先生を取り戻すために奮闘し、最終的には元の平和な日常に戻る様子が描かれます。簡単に予想できる展開でありながら、感情を揺さぶる力を持つ作品です。

記事の要約

感想文では、映画の感情的な深みとシンプルながらも強力なストーリー展開が称賛されています。忍たま乱太郎の世界が大人の視点で描かれており、戦乱の厳しさや大人たちの苦悩がリアルに伝わってきます。特に土井先生のキャラクターが際立ち、彼の葛藤が感情的な緊張感を生み出しています。また、戦闘描写のリアリズムや声優田中真弓の素晴らしい演技も評価されています。鑑賞する際は、子ども向け作品として軽い気持ちで臨むことが勧められていますが、結果的にはそれを超える感動が待っています。

映画感想:劇場版忍たま乱太郎/ドクタケ忍者隊最強の軍師浅輪はなはな

忍たま乱太郎は人生の初期にみたっきりで、乱太郎、きり丸、しんべえ、土井先生、山田先生、学園長先生、へむへむ、あとなんか悪い忍者たちがでてくる、程度の知識しかなかった。一方で本作が公開されることが決まったとき、本作の原作小説を愛する忍たま女子たちが悲鳴をあげたことは知っていた。まぁでも自分には関係のないことと思い静観をつづけていたのだが、2024年12月に映画が公開されて以降、定期的に私のXのタイムラインに本作がいかに傑作であるかが流れてきた。「ゲゲゲの謎」を想起させるような口コミの広がり方で、なんちゃって映画ヲタクとしての直感が働いた。

「これ絶対おもしろいやつや!!」

鉄は熱いうちに打てとばかりに、その週末に映画館に赴いたのが2025年の新春のことであった。

感想

物語の展開は非常にシンプルだ。これまで多くの物語で何度も何度も描かれてきた「大切な仲間が記憶を失って敵になってしまった!!どーする!?」というやつだ。土井先生が記憶を失い敵に囚われ洗脳され学園を憎むようになり、それを知った学園の生徒や先生たちが土井先生を取り戻すべく奮闘し、最後には土井先生の記憶が蘇りいつも通りの日常に戻るというもの。なんな捻りもなく非常にありきたり。そのような展開になることはなんならみる前からわかっていた。なのに…泣いた。王道を描ききってみる側を泣かせる…これはとんでもなく難しいことだと思うのに、本作は見事それをやってのけたのだ。この映画の制作に関わったすべての人に心からの拍手を送りたい。もう本当にありがとう。

名作たる所以

ひとつめはリアルな室町時代が描かれたこと。室町時代は戦乱がつづき飢饉や天災も頻発するという過酷な時代だ。そこには隣接する権力者間の激しい領地争いがあり、だからこそ忍者が必要とされる。また山にゆけば山賊、海にでれば海賊、街を見渡せば浮浪者や孤児がいる。とんでもなく世が乱れまくってるわけだが、幼児期に忍たま乱太郎をみていたときは、上記のすべてが描かれていたにもかかわらず、なんとも思っていなかった。きっとアニメでは子供たちの目線で忍たま乱太郎の世界が描かれているから、大人たちが優しい心で子供たちに見せないものが隠されているのだろう。でも本作では大人の目線も描かれる。戦争して領地を奪いたくてたまらない大人たちの存在が描かれる。そしてみる側の私も大人になったからこそ、土井先生や山田先生、学園長先生が生徒たちのあののどかな日常を守るために裏で苦心していることが察せられる。まずそのギャップにやられるのだ。

ふたつめはなんといっても土井先生だ。土井先生が敵にまわり土井先生を助けにきた6年生の生徒たちに刃を向ける場面もあるのだが…幼児のころに「乱太郎たちをたくさん叱るけど生徒思いの優しい土井先生」という刷り込みがなされていたからか、誰も死なないとわかっているのにヒヤリとした。趣味がやや偏っているため基本戦闘シーン多めの作品をみることが多いのだが、土井先生の刃が6年生の生徒たちの急所を掠めるたびに息を呑んでしまう。幼児期の刷り込みから生じる緊張感という、なかなかない感覚をぜひともみなさんに味わってほしい。

みっつめはふたつめとも重なるのだが、戦闘描写がいちいちえっっっぐいこと。「NARUTO」のようにある種の魔法のような忍術があれば、忍者間の実力の差を攻撃の効果エフェクトなどによってみる側にわかりやすく伝えることができると思うのだが、忍たま乱太郎の世界にそのような忍術はない。にもかかわらず

土井先生vs6年生の生徒たち→土井先生の圧倒的勝利
雑渡昆奈門vs利吉さん&プロ忍者2名→ 雑渡昆奈門の圧倒的勝利

上記の忍者間の実力の差をシンプルな体術の戦闘描写のみで描いてみせたのだ。なんなら6年生の生徒たちと利吉さん&プロ忍者2名は直接的には戦ってないものの、6年生の生徒たち<<<利吉さん&プロ忍者2名という力関係のわかる描写がなされている。これまで散々少年漫画、アニメのパワーインフレや派手な効果エフェクトを見てきたからこそ「この渋い戦闘描写でこんな実力差を描けるってすごない!?」と胸打たれた。ちなみにエンドロールにアニメ鬼滅の刃の制作会社であるufotableの名前があったから戦闘描写で関与してるのかなと勝手に妄想している。

最後…これは本章に含まれる内容なのだが、どうか新たな章でつづることを許してほしい

田中真弓の演技がやばすぎる

すんごいだって、この人。声だけできり丸の心のすべてが伝わってくる。どれだけ短いセリフでも、なんなら息遣いだけでも、ときには心と裏腹なセリフを言っていても、きり丸の心が伝わってくる。正直、田中真弓の演技に泣かされたと言っても過言ではない。それくらいにすんごい。今となってはルフィのストレートな感情大爆発な演技のイメージが強いが、天邪鬼なきり丸のストレートには感情を表現せず、大人びでいるけどどうしたって子供な、絶妙としか言いようがない演技をぜひ味わってほしい。

最後にお伝えしたいこと

ここまで大絶賛をお伝えしたが、実際に鑑賞される際はハードルを下げてみてほしい。なんなら「子供向けだからあんま期待せんとこ」くらいでみてほしい。それくらいの軽い心持ちで「ミリしら」で鑑賞して、鑑賞後に「名作に子供向けとか関係なかったわっ」とやられてほしい。そんな作品です。



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