🧠 あらすじと概要:
映画『教皇選挙』のあらすじと要約
あらすじ
『教皇選挙』は、ローマ教皇が崩御した後に行われる「コンクラーベ」を舞台にしたサスペンス映画です。主人公のローレンス(レイフ・ファインズ)は、主席枢機卿として次期教皇を決定するプロセスを取り仕切ります。華やかなシスティーナ礼拝堂での儀式と、権力を巡る人間の醜い争いが対比され、信仰とエゴの狭間で苦悩するローレンスの姿が描かれます。
要約
映画は、美しい映像とともに、教皇選挙の背後にある人間的な葛藤を浮き彫りにします。コンクラーベの過程を通じて、登場人物たちが自らの国や立場を強調する様や、教会の行事が持つ優雅さを改めて見つめ直す姿が描かれています。観客は、ローレンスの苦悩を通じて、自身の本音を問われるような体験をします。結局、表面的には美しいことを語る教会でも、実際にはエゴと争いが蔓延している様子が強烈に伝わってくる作品です。映画は、デジタル化が進む現代において失われがちな「美しさ」や「優雅さ」を再認識させるものとなっています。
こんばんは、映画をさすらう旅人ムービーワンダラー、ジャスミンKYOKOです。
映画『教皇選挙』、最高でした。
サスペンス映画として秀逸な上に、観る者を圧倒させるシスティーナ礼拝堂と「コンクラーベ」という行事を執り行うさまを美しく再現した素晴らしさ。
でもその美しい場所で繰り広げられるのは、聖職者のイメージとはかけ離れた醜い争いと人間のエゴ。
こういうの最高ですね、大好物です。なんたって人間らしい笑。
レイフ・ファインズの苦悩に満ちた顔、赤い枢機卿の服、システィーナ礼拝堂。何もかもがよかったです。
世界に14億人いるキリスト教信者のTOPである、ローマ教皇が崩御すると、次期教皇を決める「教皇選挙(コンクラーベ)」が執り行われる。
まさしく最近、現実の世界でも実際に行われ、初めてのアメリカ出身の教皇が選ばれましたね。
映画でもイタリア人の枢機卿がボヤいているけど、「ヴァチカンがあるのはイタリアなのに、長い間イタリアから教皇が出ていない」
みんな自分の国から教皇が出て欲しいんだろうね。
前教皇を尊敬していたローレンス(レイフ・ファインズ)は、主席枢機卿として、コンクラーベの一切を取り仕切る役目を担う。
凄まじいほどのプレッシャーと、次々に起こる問題や、友人との確執など、彼を取り巻く環境はストレスそのもの。
音声に彼の息遣いや鼻息、ため息なども収録されているので、映画を観ている観客は彼の大変さを一緒に味わうことになる。
今はなんでも「コスパ」「タイパ(時間効率)」重視な世の中で、このコンクラーベのやり方を見ると、まどろっこしいと思うと同時に、効率を求めすぎるあまりに失くしてしまった「美しさ」や「優雅さ」「丁寧に時間を過ごすことの大事さ」などを改めて感じさせてくれる。
デジタルでなんでもできるこの時代。亡くなった教皇の部屋にリボンをかけ、ロウで封緘する。選挙当日は上質な紙にペンで名前を書き、銀製の装飾が施された丸い器に用紙を入れ投票する。
投票した用紙を開けて名を読み上げた後、針に通した赤い糸を通してまとめる。
現代人が失ったものが今も当たり前のように執り行われている、それがヴァチカン。
サスペンスの面で退屈しないので、そのコンクラーベの投票の描写が淡々と繰り返されても、「優雅」でうっとりして眺めているだけでも楽しい。
コンクラーベを行う枢機卿たちの緋色(赤い)の服は、「信仰のためなら、いつでも命を捧げる」という意味の「血」の色を表しているらしい。
映画では、その緋色の衣装を着た枢機卿たちが繰り広げる「信仰のため」とは程遠い「自分のため」に動く、エゴだらけの行動の一部始終が描かれる。
そのエゴだらけの中に、驚くような結末が待っている。
表立って美しいことを言うのは簡単だが、本当にそれが身近に起きた時、その事実を心穏やかに受け入れることができるのか。
レイフ・ファインズの苦悩を映しながら、彼の心中を通し、観客にも同じことが身近で起きたら心穏やかでいられますか?と問いかけられているような気がする、問題提起も含んだ秀逸なサスペンス映画です。
ファスト映画ではなく、ちゃんと映画をじっくり堪能する。
タイパでは得られない、そんな優雅さも大切にしたいと思わせてくれる映画でもあります。
↓ネタバレレビューはこちら
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