🧠 あらすじと概要:
映画『サブスタンス』(2024)のあらすじと要約
あらすじ
主人公エリザベス(デミ・ムーア)は、かつて映画スターとして名を馳せていたが、現在はテレビのエアロビクスインストラクターとして活動している。50歳の誕生日に番組降板を告げられ失意に沈む彼女は、不注意から自動車事故を起こす。病院での診断の後、エリザベスは「サブスタンス」という薬に出会う。この薬を使うことで、彼女は自らの若い分身を生み出すことに成功するが、二人は交替でのみ活動する運命にある。若い分身のスーは次第に人気を博し、エリザベスはますます孤独に陥ってゆく。やがて、彼女たちの関係は緊張し躍動感を増していく。
要約
『サブスタンス』は、老いに対する恐怖をテーマにしたボディホラー映画であり、女性が年齢を重ねることで直面する社会的な問題を精緻に描写している。監督コラリー・ファルジャは、エリザベスのキャラクターを通じて、映画界における女性の役割の変化や美の基準についての批判を展開している。デミ・ムーアの演技は際立っており、分身との葛藤を通じて老いの苦悩とその哀れさを巧みに表現している。ホラー的要素を漂わせながらも、コメディ的な瞬間も含まれる、ユーモアある視点が特徴的だ。
コラリー・ファルジャ監督のホラー映画『サブスタンス〔原題:The Substance〕』を鑑賞。
新作なので、ネタバレなしで進めます。
ホラー映画と申しましても『サブスタンス』は、ボディホラーと呼ばれる “ 身体の変化による恐怖 ” を描いています。
この恐怖の根源は、老い。
あまりアンチ・エイジングに興味がないんで、加齢に恐怖を覚えることはないんですが、年齢で峻別されると少し寂しくなります。
主人公エリザベスを『ゴースト ニューヨークの幻』(1990)で知られるデミ・ムーアが演じます。本作はデミ・ムーア復活といった印象。
あらすじ…
エリザベス(デミ・ムーア)は、若い頃映画スターで人気者だったが、いまはテレビのエアロビクスのインストラクター。
彼女は50歳の誕生日にディレクタから番組降板を告げられる。意気消沈のエリザベスは不注意から自動車事故を起こす。
病院では大事ないと診断されたが、そこで彼女はサブスタンスという薬の存在を知る。
サブスタンスを投与するとエリザベスから若く美しい分身が生まれる。細胞分裂で分身ができる。
ただし、母体とこの分身は同時に活動はできず、1週間で交替しなければならない。一方が活動中、一方は仮死状態。
エリザベスの若く美しい分身(マーガレット・クアリー)はスーと名乗る。スーはエリザベスが降板したエアロビクス番組のインストラクターに就く。そしてスーは人気者となる。
一方で、エリザベスはスーの活躍とは逆に直面する老いと共に孤独にさいなまれるようになる。
スーも次第にエリザベスを疎ましく思うようになってくる。次第に母体と分身が諍うようになり、エスカレートしてゆく。。。
エリザベスの役は女優デミ・ムーアを地でゆくようなキャラクターです。エリザベスは年齢を理由に仕事を降ろされます。
デミ・ムーアもまた若い頃人気スターでしたが、歳を重ねて役に恵まれなくなっていきます。
映画界では女優は若くて綺麗でないと使ってもらえない傾向にある。年をとってくると役が限られてくる。
なかにはメリル・ストリープやカトリーヌ・ドヌーヴといった老いても健在な女優はいらっしゃいますが、決して多くはない。
となれば、彼女たちは美貌と若さに執着しがちになる。また、そうゆう傾向はゲスな男性社会が土壌にあるという側面は否めない。
監督のコラリー・ファルジャは女性です。ゲスな男たちを戯画的に描いています。
ウワサによれば、監督もエリザベスのような処遇を受けた経験があるそうで、フィルムで仕返しをして溜飲を下げているかのようです。
ホラー映画も行くとこまでいくとコメディ映画になるみたい。いくぶんエグいシーンもあるかもしれませんが、存外それほどでもない。笑いを誘うシーンも少なくない。
デミ・ムーアがテレビに出ているスーへ悪態をつきながら料理をしているシーンは、笑えます。
それに、映像になんとなく既視感があるんですよ。『エレファント・マン』とか『キャリー』とか『シャイニング』とか『ブラック・スワン』とか。
それらもおそらくわざと楽しんで作ってますね。
最後にひとことで言えば、この映画はデミ・ムーアの怪演につきます。老いに直面した苦悩や哀れさ、分身への憎悪と愛情など、繊細な表現も達者です。
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