日曜日, 6月 1, 2025
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映画「オズの魔法使」神話なきアメリカの建国神話ちなこ

🧠 あらすじと概要:

映画「オズの魔法使」のあらすじと要約

あらすじ

「オズの魔法使」は、孤児の少女ドロシーがカンザスの田舎町で生活するところから始まります。彼女は家族や友人への思いを抱えつつ、ある日大竜巻に巻き込まれ、夢のような世界・オズの国に迷い込みます。そこで、ドロシーは「家に帰りたい」と願いながら、カカシ、ブリキの木こり、勇気のないライオンと出会い、それぞれの問題を抱えながら一緒に冒険を繰り広げます。

記事の要約

この映画は、アメリカの建国神話や移民の象徴としての側面を持ち、ドロシーの旅を通じて故郷への愛や人々の葛藤を描いています。特にラストの「There’s no place like home.」というセリフは、故郷への愛を象徴しています。映画にはメタファーが多く含まれており、登場キャラクターは当時のアメリカ社会を反映しています。特に、カカシはデフレ時代の農民を、ブリキは工業化における感情の喪失を、ライオンは性別役割の圧力を表しています。また、映画の象徴的なアイテムであるルビー色の靴は、社会的批判やフェミニズムの要素も含んでおり、一部の州では議論の的となりました。作品は多面的なテーマを持ちながらも、見事に娯楽性も兼ね備えていることが評価されています。

映画「オズの魔法使」神話なきアメリカの建国神話ちなこ

ちなこ

旅行から帰ると、お母さんが言う。「やっぱり家が1番ね♡」J( ‘ー`)しそう思うなら行かなきゃ良いのにと、子供心に思ってた。大人になった今なら、それを確認するために旅や冒険に出るのだろうとも思う。

送り仮名を付けたくなる・・・。

「オズの魔法使」。無いのが正式名称。ほんとだもん!誤字じゃないもん!の気持ちになる。(;’∀’)

「ウィキッド ふたりの魔女」の元ネタであり、色々な作品のメタファーな今作。ウィキッドを見てからみると、今まで観てた所と違うところが気になるから面白い。

100分ほどの上映時間なのに、ストーリー運びと、各キャラクターへ愛着をよく詰め込めるものだと感嘆する。

今はCGやAIでどんな絵でも作り出せる。とはいえ、見た目が派手でカラフルなクリーム盛り盛りなのに、味はそんなに?という意識高めなパンケーキ作品も多いような気がしちゃう。

私が、今作の時代的な知恵と工夫を過大評価し過ぎなのかもしれないけど。(*ФωФ)フフフ…

「やっぱり家が1番ね」

「There’s no place like home.」ラストのセリフが象徴的な今作。1900年発行の児童文学、オズの魔法使い。美しい国や都会に比べたら、荒廃してて何も無い田舎かもしれないけど、それでも生まれた国や故郷が1番ね!というメッセージ。1800年代後半、アメリカの希望に満ちた開拓の時代が終わり、都市部での産業化、工業労働化が始まる、その頃。陰鬱な地元を捨て、OverTheRainbow🌈 、虹の彼方に。。ここでは無いどこかへ現実逃避して、夢と希望を持ちがちな時代。故郷を捨て、都会に出ていく移民や田舎の人々。「大草原の小さな家」のような、古き良き家庭教育の終焉と、家族のあり方の過渡期。正にアメリカの建国神話に相応しい。

メタファーてんこ盛り”(ノ*>∀<)ノ

孤児のドロシーは、親戚の家に預けられているが、とても幸せそうに見える。他の当時の少女小説が(赤毛のアンや、足長おじさん、小公女、、)に比べたら、格段に良い生活をしている。ドロシーは移民の象徴なのだろうと思う。元々の自分の国ではないが、今のアメリカは良くしてくれる。どこかに虹の向こうのもっと良い生活、都会の暮らしを夢見るけど、やっぱり今が一番ね!!と諫める風にも読めてしまう。また、オズの魔法使いの世界の支配層は東西南北の魔女、全て女性がもっている。オズだけが唯一男だが、彼はアメリカ人でサーカスのペテン師であり、本当の力では無いことが描かれる。オズの国ではまともな家庭は出てこない上に、ドロシーは小説では西の魔女に捕まり、罰として家事をやらせられる。

そんなフェミニズム的な文学でもある。

また、仲間たちも当時のアメリカを象徴的に描く。

・カカシは、アメリカの農家のデフレ時代の苦しみ。古いやり方を脳死でやっているだけでは生き残れなくなる農民。
特にカンザスはデフレが厳しかったそう。

・ブリキは、工業化の生活で心を失う。涙を流したら錆びて動かなくなる。そんな、感情を押し殺して、モダンタイムのように、地元を捨て工場で働く悲哀を描く。・ライオンは、百獣の王なのに弱虫。社会の期待に押しつぶされる男社会の生きづらさや、女性の社会進出で弱まる男性社会の特権意識の象徴。本当によく出来ているキャラクター設定だなぁと思う。

主人公+3人家来の物語構造は、桃太郎や三銃士、西遊記、、等々、私も大好物( *´艸`)

黄色のレンガの道は、お金、富と成功の象徴。💰

お金を稼げば幸せがあるはず!というアメリカらしいドリームね。

そして、オズの魔法使いはLGBTQの人達に支持された作品。

カカシは(性別)どちらの道を選んでもいいという。ブリキは女言葉で話す。ライオンは男なのにメソメソ尻尾をハンカチにして泣く。その為「ドロシーの友達」という言葉は、ゲイの隠語だった時代もあった。

LGBTQのパレードでレインボーフラッグ🌈を掲げるのは、ジュディ・ガーランドがゲイ界のエルビス・プレスリーと呼ばれる存在というのだから、如何に今作が様々な精神的な象徴になっているかがわかって面白い。

銀の靴、金の道

そのようにオズの魔法使いは、社会や政治への批判でもあり、フェミニズム文学という多面性をもった為、出版当時、州によっては批判されたり、現実逃避的側面を忌避されたり、宗教的に禁止されたりした。今の私からしたら、この内容で!?(´°Д°`)と思うが、そのくらい議論や裁判を呼んだ作品と思うと興味深い。映画の象徴的なルビー色の靴👠は、どうやらワーナーブラザーズの版権。赤い靴が映えて可愛い。٩(>ω<*)و原作は銀色なんですよね👟👟銀の靴と、金の道。

丁度、金銀本位制の切り替え時期でもありました。

ドロシー役のジュディ・ガーランドの伝記映画「ジュディ虹の彼方に」で描かれる、当時子役を覚醒剤と睡眠薬漬けで、この作品を撮ったという経緯も込みで、とんでもない作品だと思う。(;´Д`)

なんだかんだ、扉を開けた先のワクワク感が天才です。

86年前の作品。凄い!!

そして映画「pearl」の下地でもあります・・・( ´‎ࠔ`* )

ちなこ

映画と愛猫3匹を愛しています。猫は哲学!( *´꒳`*)エヘヘFilmarksで感想を書いてきましたが、長文タイプなのでお引っ越しを検討中。多分映画感想メインです。コミュ障ですが、、、(*/ω\*)よろしくお願いします。



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