🧠 あらすじと概要:
あらすじ
映画『フィガロの結婚』は、モーツァルトの名作オペラを基にした演目で、アメリカのメトロポリタン歌劇場(MET)の新たな制作を描いています。物語は、貴族の家で繰り広げられる恋愛や謀略を中心に展開され、フィガロとスザンヌの結婚を控えた日常が描かれます。新進の女性指揮者、ヨアナ・マルヴィッツが指揮を務め、そのスピード感あふれる演奏が特徴です。
記事の要約
この映画感想文では、松竹が担当するMETのオペラ上映『フィガロの結婚』について言及されています。特に注目されているのは、若き女性指揮者ヨアナ・マルヴィッツのMETデビューであり、彼女の指揮スタイルの快適さとスピード感が評価されています。オペラの信頼性を担保するキャストとともに、作品の展開は見事だと述べられています。オペラに不慣れな観客にも楽しめる内容で、全国上映が行われていることが伝えられています。
松竹が約20年来継続しているアメリカメトロポリタン歌劇場(MET)オペラ劇場上映の最新版、『フィガロの結婚』が、1週間限定で全国公開中である(東劇のみ6/12(木)まで)。
同公演は、MET本年4月上演の最新版で、なんと言っても注目は今回がMETデビューとなったヨアナ・マルヴィッツの指揮。つい最近ベルリン・フィルデビューが報じられたばかりの30代の女性指揮者で、個人的には、今後がますます楽しみな彼女のバトンテクニックがたっぷり楽しめるのではないかと期待していたのだが、残念ながらその大写しはなし。それでも特典映像として流れるピアノを使っての解説が嬉しかった。
現在開幕中のMET2024-25シーズン第6作目の本作は、音楽ファン誰もがよく知るモーツァルトの代表作。しかし、この名高い序曲のスピード感におそらく多くが驚くのではないか。そのまま本編に入り、大団円までこのスピード感が維持されるのだが、これがまさしくヨアナ・マルヴィッツ。特典映像のなかで19歳で振り始めたと話していたので、長らく研究しての現時点での帰着速度かと思われるが、これが実に快適。モーツァルトの創り出した滑稽感と誠によく合って、休憩を挟んでの全4幕が滞ることなく展開する。演出は映画監督としても知られる御大リチャード・エアがクレジットされているが、若い指揮者の意向を尊重してのスピード感なのだろうと思われる。感嘆するばかりだった。
タイトルロールはマイケル・スムエル。当代のオペラ歌手には詳しくないが、高く明るいバスで、今回の演出プランによく合っていた。その他、舞台となる屋敷の伯爵、伯爵夫人、フィガロとの結婚を控える小間使いスザンヌ、物語をかき回す小姓ケルビーノ、いずれもMETに相応しい歌唱の配役である。映画館で鑑賞する一本としては長尺だが、新鮮味溢れ、音楽好きなら間違いなく楽しめる。日ごろオペラと縁遠い映画愛好者にも是非おススメしたい。
全国上映は、6/5(木)まで。東劇のみ6/12(木)まで。
参考松竹公式サイト
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