🧠 あらすじと概要:
あらすじ
「新幹線大爆破(2025)」は1975年の同名映画をリメイクした作品で、一定時速以下で起爆する爆弾を搭載した新幹線が、止まれなくなってしまうというスリリングなストーリーが展開されます。2025年版では、現代の技術や社会背景を反映しつつ、当時の作品のエッセンスを受け継ぎ、新たな視点を加えた内容になっています。
記事の要約
映画評論家である「諸事雑考」が、2025年版の「新幹線大爆破」を1975年版と比較しながら感想を述べています。彼は、1975年版の社会背景やドラマ性の重要性を強調しつつ、2025年版の映像美やVFXの技術に対して高い評価を与えています。
- 映像と特撮: 2025年版は、現代のVFX技術を活かして非常にリアルな映像を実現。
- 演技: 俳優の演技には個性が見受けられるが、1975年版と比較すると若干劣る印象。
- 構成と脚本: スリラー・アクションの要素を強化し、ドラマ部分を削減したことで物足りなさを感じる部分もあるが、娯楽性を重視した判断は評価される。
- 設定: JRの全面協力により設定のリアリティが増し、現代の背景を取り入れた新しい魅力が加わっている。
最終的に、記事では2025年版は原作を超えたとは言えないものの、リブート作品として十分楽しめるクオリティであり、Netflixでの視聴を薦めています。
みなさん、新幹線大爆破(2025)はご覧になられましたでしょうか?
初めましての方は初めまして。
普段はアニメ等の感想・考察を書いています、諸事雑考と申します。
自己紹介や雑談の定番のひとつに『好きな映画は?』がありますね。
私が挙げるとするなら、新幹線大爆破(1975)、踊る大捜査線2、トゥルーマン・ショー、戦場のメリークリスマスです。
↓ので触れております。
いや、本当はもっと色々ありますが、自己紹介としてあげるなら新幹線大爆破は外せません。
世代ではないので劇場で見たことはないのですがリバイバル上映も今度やるとのことでして、映画館苦手民として行くかどうか悩みます。
さて、今回50周年を迎え、リメイクというか続編というか、新たにNETFLIXで新作が出されました。
これをファンとして見逃す訳にはいかず、普段入っていないNETFLIXに入って見てきました。
せっかく見てきたのにアウトプットしないのも勿体無いと思ったので、自分の感想を整理して、に書いておきたいと思います。
ネタバレは、ほぼない形にしております。
そもそも、新幹線大爆破(1975)とはなんぞや?
皆さま、新幹線大爆破(1975)はご覧になられましたでしょうか?
ご覧になられてなければ、今すぐ見てきてください。
いや、というのも自分がこの作品を説明するのもなんだかなと思いまして。映画系の紹介をされるyoutubeやブログでは結構よく出てくる作品であると思います。
し、あらすじやインパクトのあるシーンはネット上に転がってますからね。
とは言え説明しないのもあれなので。
簡単に言えば、「一定時速以下で起爆する爆弾で止まれなくなった新幹線が舞台の、スリラー・パニック系アクション映画」になります。
これはリブート版でも同じです。
時代背景の重み
新幹線大爆破の制作年である1975年は、新幹線開業から11年、高度経済成長とその歪みによる社会問題があり、また企業の連続爆破事件がまさに起こっている時期でもありました。
その中で、日本の誇りともいえる『新幹線』を爆破する映画というものが、どれだけのインパクトがあたえるかを考えると、凄まじいものを感じます。
こういった背景もあって、国鉄の協力が得られなかったのも致し方ないと感じますが、それでも成し遂げた熱量が作品から感じ取れます。
また、そういった社会に対する批判的視点が犯人側の深掘りに繋がり、スリラー的なパート部分だけでなく、犯人側に焦点をおいたドラマ部分も大きく、評価された部分でもあります。
かけた熱量による完成度と複雑だが重厚なシナリオの2つが、この作品の評価を押し上げていると言えます。
まあそれらの背景が逆効果となって国内マーケティングは上手く行かなかったんですが
セットや特撮のクオリティ
セットや特撮のクオリティも高く、当時の画質と相まってぱっと見の違和感はあんまり感じないのではないでしょうか?
もちろん丁寧にみれば気付きはありますが、シナリオ構成もあってスリリングなシーンの盛り上がりは相当なものです。
新幹線大爆破(2025)はどうだったか?〜1975と比べて〜
さて、そんな新幹線大爆破のリブート作である2025版。タイトルを引き継ぐ以上、比較されることは当然の帰結。
いくつかの項目に分けて、比較していきます。
VFX・特撮・舞台セット等
いやもう言うことないんじゃないですかね。
鉄オタではないので、細かい間違いに気づく自信はないんですが、普通に見る分には、リアルなのか模型なのかVFXなのか私には判別つかないです。
昨今の綺麗な映像のレベルでそれなら、これ以上はないと思います。
俳優・演技
流石に75年版の俳優は豪華なので比べると下がりますが、悪くないと思います。
車掌の草彅さんの演技が、芝居を強めた演技ではなく、細かい演技にフォーカスを当てる感じを受け、個人的には好印象。芝居がかったキャラクターな人も細かい演技もあって、全体的に奥行きを感じます。
ただ、脚本が少し悪さをしたか。
構成・脚本
原作と比べ、スリラー・アクション要素を強めて犯人側のドラマを下げた構成。
まあ、これに関して言えば、仕方がないかなと思います。
75年当時と比べ、こういったスリラー・パニック要素の多い映画の数も増しており、差別点であるドラマを削る判断は難しかったはず。
その上で、設定や特撮等の強みを活かす、それで戦えると方向性に舵を切った判断は悪くない。娯楽性を活かす訳ですね。正直両方やろうとすると、原作のようにバカみたいな尺になりますし、面白みも分散しかねませんからね。
映画館上映でないとはいえ、長い尺は観客が疲れます。
ただ、なら車掌周りの脚本はもう少し増すか、演技の形を変えても良かったとは思います。成長要素もさしてないうえ演技もリアルよりの薄味なので、キャラクターの輪郭がぼやけてしまっています。
群像劇よりな構成も相まって、物語としての面白さは少なめになった印象を受けました。
あるいは主人公を途中で切り替えるシナリオにする手もあったと思いますが、マーケティング的に難しいか。
設定
原作との1番の違いはJR全面協力なところ。よう協力したな
細かい設定のリアリティが、プロフェッショナルな日本の鉄道運行の良さやそれに支えられるドラマ全体の裏付けに大きく影響してます。
また、現代のハイテク化の影響が反映され、原作とはまた違った味わいがあり、ここら辺はリブートして良かったと強く言える部分かなと思います。
総評
総じて、
-
原作ほどのドラマ性、テーマ性はなく、物語としては少し物足りない部分もあるが、
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意図して、”そうした”ように見受けられ、
-
設定やそれに起因する特撮・VFXの映像美は素晴らしく、
-
スリラー・パニックものとしては原作と遜色ない出来
と言え、原作を超えたとは言えないものの、リブート作品として、あるいは単独の娯楽作品としては十分楽しめる良いクオリティだったと思います。
少し引っかかる人もいるかと思いますが、私含め大半の人は十分満足できると思います。
今NETFLIXに入っていない人も、1ヶ月の料金を払ってでも見る価値は十分あるんじゃないでしょうか。
まだ見てない方は、ぜひNETFLIXの紹介映像やWikipedia(大ネタバレ)を見ずに、みてください。
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