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概要
この記事では、株式会社明治クッカーの西原亮社長(にっしー社長)が新入社員向けに、GoogleのAIツール「Gemini」を活用する仕事術について解説しています。新しい環境に適応するために、Geminiをどう活用するか、またAIを利用する際の心構えや具体的な実践例が紹介されています。
要約(箇条書き)
- 対象読者: 新入社員や転職・異動したビジネスパーソン。
- Geminiの導入: 西原社長が初めてGeminiを利用した際、便利さに驚いたエピソード。
- AIの効果: 会議の議事録作成が容易になり、言葉を選ぶ作業が簡便に。
- 仕事の基本スキル: 新入社員に必要な基本スキルをGeminiがサポート。
- 活用例:
- メールや議事録のチェック。
- 上司からのフィードバックの録音とテキスト化。
- 言語化の手助けやタスクの洗い出し。
- マインドセット:
- AIを使うことはサボりではなく、効率的な仕事の方法。
- 苦労しなくても成果が得られる時代の変化を受け入れる必要性。
- 対話の重要性: Geminiと継続的に対話することで学びが深まる。
- 具体的活用促進: 例えば、業務の最初にGeminiに質問することで理解を深める。
- 様々なリソース: YouTubeチャンネルやGoogle Workspaceを利用することも推奨。
- 次回予告: 成長を支えるために中小企業経営とAI活用に関する実践的な話題も提供予定。
こんにちは、Google の AI「Gemini(ジェミニ)」の公式 note 編集部です。
5 月になり、今年社会人になった新入社員の方々、そして転職や異動で新しい環境で働いている方々も、そろそろ仕事に慣れてきたころでしょうか。あるいは、日々の自分の仕事について「もっと改善したい」と悩んでいる方もいるでしょう。
そこで今回は、株式会社明治クッカーの代表取締役の「にっしー社長」こと西原亮さんに、新入社員の方に役立つ Gemini を活用した仕事術についてお話を伺いました。にっしー社長は、YouTube チャンネル「cooker8 by 明治クッカー」を通じて Google Workspace や Gemini に関する情報を精力的に発信されているだけでなく、TikToK ではビジネススキルの動画を発信し、多くのビジネスパーソンに支持されています。
企業のコンサルタントや経営者としての経験を持つにっしー社長が、生成 AI との出会いから、新入社員が最初に身につけるべき仕事の基本、そしてGemini の具体的な活用術まで語ってくださいました。仕事の壁に直面したとき、 Gemini が思わぬ突破口を示してくれるかもしれません。
新入社員の方々だけでなく、経験豊富なビジネスパーソンの皆さんにも幅広く役立つお話が満載です。ぜひ、日々の業務や Gemini 活用にお役立てください!
※Gemini を含む生成 AI の利用に関する説明は例示を目的としています。実際の回答結果については、ご自身で正確性をご確認いただくようお願いいたします。
生成 AI との出会いは衝撃的だった
―にっしー社長が、生成 AI を活用した最初のきっかけはなんだったのでしょうか。
にっしー社長:生成 AI、特に Gemini を最初に意識したのは、Google Workspace に実装されたことがきっかけです。当初は半信半疑で「中小企業には関係ないのではないか」と思っており、正直使うつもりは全くありませんでした。「どうせ使えないだろう」という先入観があったんです。
しかし、Workspace に Gemini が実装されたことを知り、試しに使ってみたところ、愕然としましたね。今まで自分たちが努力してきたことが、AI によって簡単に置き換わってしまうことに衝撃を受け、「これまで、何のためにこんなに苦労してきたんだろう」と感じたのが最初の感想です。
特に印象的だったのは、会議の内容を文字起こししただけで、議事録が作成されたこと。さらに驚いたのは、その議事録に対して「小学生でもわかるように書き直して」と指示したところ、非常に分かりやすい文章に変換されたことです。仕事ではつい難しい言葉を使いがちですが、シニアのお客様向けや多様な社員向けなど、用途に適した文章を簡単に作成できたことに大きな衝撃を受けました。
生成 AI によって、これまでの業務のプロセスも変わる。そう感じました。
―YouTube では Gemini の活用法についての発信をしていらっしゃいますね。視聴者からのコメントで印象に残っているものがあれば教えてください。
にっしー社長:特に印象に残っているのは、「仕事で生成 AI を使うとサボると思われる」という意見が多いことです。生成 AI を使うことに思考の制限を感じている人が非常に多いと感じます。
また、「会社の上司が生成 AI の活用を受け入れられない」という声も多く聞きますね。
「生成 AI を使って簡単に業務を終わらせたとしても、サボっていると捉えられてしまうのではないか」、「生成 AI を使っていることを上司に言わない方が良いのか」といった質問もよく寄せられます。これは新入社員だけでなく、多くのビジネスパーソンが抱えるリアルな悩みだと感じています。
新入社員が身につけたい基本スキルを Gemini がサポート
―にっしー社長の新入社員時代のお話をお聞かせください。もし、ご自身が新入社員の時代に Gemini があったら、どんなふうに活用されましたか?
にっしー社長:私が新入社員だった頃を振り返ると、とにかく「言語化すること」に苦労しました。例えば、会議のゴールを言語化する、ネクストアクションを言語化するといったものですね。
もう一つが「洗い出し」です。to do や考えることを洗い出しするのって結構大変で、どうしても抜けや漏れが出てしまうんです。新入社員時代に Gemini を使うとしたら、このような場面で活用したいですね。Gemini と対話することによって、言語化のハードルも下がり、検討すべきことも抜け漏れがなく、かつスピーディに完了することができます。

―特に入社 1 年目の方は、新しい環境で覚えることが山程あるかと思います。新入社員として身につけておきたい仕事の基本を、Gemini がサポートしてくれる具体的な活用例を教えてください。
にっしー社長:一般的に、企業に入って社員として求められることって、実は Gemini がとても得意とする分野なんです。例えば、お客様とのメールや議事録、先輩や上司からのフィードバックなどがあります。
具体的にできることとしては、お客様とのメールで言葉遣いや誤字脱字のチェックを Gemini に確認してもらう。議事録を、Google Meet で会議の内容を録音して文字起こしし、それを Gemini に要約してもらう。また、お客様に了承をいただいたうえですが、やりとりを録音しておけば、同様に要点をまとめてもらえます。
それから、特に新入社員の方はメモを取る機会が多いと思います。私も経験があるのですが、上司からのフィードバックをメモすることに集中しすぎて内容が頭に入らないことがよくありました。
だから、上司に「フィードバックをつくりたいから録音させてください」と許可を取ったうえで、その場ではメモを取らず話に集中する。後で、録音を文字起こしして要約すると、「上司の金言集」ができあがります(笑)。
―確かに! メモを取ることが目的となりがちですね。
にっしー社長:ええ。本来のフィードバックは自分の行動を改善するためのものですが、「メモに書き留める」という手段が目的化してしまうことが多いんですよ。だから、こうした Gemini の活用は、自分の成長のためにとても有効な手段だと思います。
実は弊社では、私の話はすべて録音しているんです。録音データを NotebookLM にソースとして保存しているので、「このとき、西原社長はどう考える?」という質問をすると、これまでの私の話をもとに回答してくれます。
――にっしー社長の AI があるようなイメージですね。
にっしー社長:そうですね。自分の分身のようなものです(笑)。この使い方は、私自身のフィードバックにも役に立っています。これまではそのとき気付いたことを話しただけで終わってしまっていたものが、データとして残すことで、いつでもその気付きを参照することができるんです。
―アナログの手法になりますが、書籍『仕事ができる人の当たり前』や TiKTok でもご紹介されていた「縦長ノートを横にして、1 日の to do を書き出す」方法はとても画期的でした。ノートを写真に撮り、Gemini にアドバイスしてもらうといった組み合わせもできそうですね。
にっしー社長:そのアイデアは非常に面白いですね。必ずしもアナログのノートにこだわっているのではないので、画像を撮ってアップロードしておくのもよいと思います。

―新入社員が Gemini をはじめとする AI ツールを効果的に学ぶために、どのようなリソースが参考になるとお考えですか?
にっしー社長:これこそ、まず Gemini に相談してみるとよいと思います。
自分の状況、例えば「初心者です」「ちょっと使ったけれど今はまったく触っていません」ということを伝え、アドバイスをしてもらう。
大切なのは「考えたり学んだりしてから使う」のではなく、「使い倒して学んでいく」ことです。Gemini はいくら質問しても怒らないですから、「Gemini に何ができるのか?」「〇〇するにはどうしたらいい?」といった具体的な質問を Gemini に直接投げかけてみるのが、最も効果的な学習方法だと思います。

生成 AI 活用のマインドセットとは
―先ほどの「AI を使っているとサボっていると思われる」という風潮から、使うことを躊躇する方もいそうです。どのようなマインドセットをもって臨めばよいでしょうか。
にっしー社長:そうした風潮の背景には、「脳みそに汗をかくことが美徳」「苦労した成果の方が価値がある」といった旧来の価値観が根強く残っています。特に 40 代以上の世代は、自分たちが努力してきた経験から、生成 AI のようなツールを使うことに「ずるい」と感じる傾向があるのかもしれません。
でも、苦労しないで成果が出せるならその方がいい。むしろ「AI の活用こそが今後のスキルセットになる!」という信念で、上司たちの意識改革をしていってほしいですね。
そのためには「生成 AI を通じてある程度の成果を出す」ことをあきらめずにやってほしい。よく聞くのが、「生成 AI に聞いてもいい答えが返ってこないので、使うのをやめました」という体験談。生成 AI は万能ではなく、あくまで補助ツールなんです。要約や分析といったことは行ってくれるけれど、そこから何を導き出すか、誰にどう伝えるかというところは人間の分野として残っています。
だから、「生成 AI でどんな答えが出てもあきらめず、結果を出せるよう使い続けてみる」というマインドセットは、生成 AI を業務で活用していくうえで、大切だと思います。
生成 AI を使いこなすコツは「対話をし続けること」
―新入社員の方々に向けて、Gemini を活用した仕事術についてアドバイスをお願いします。
にっしー社長:今、皆さんの目の前には、まるで電車のような便利なツール、Gemini があります。家から会社まで1時間かかる道を、電車なら 5 分で行けるのに、あえて 1 時間かけて歩いているようなものだと考えてみてください。生成 AI を使うことは決してサボることではありません。むしろ、効率的に仕事を進めるための賢い選択です。
もう一つお伝えしたいことが、「生成 AI は魔法の杖ではない」ということです。質問の仕方次第で結果は変わりますし、何でも完璧にこなしてくれるわけではありません。しかし、日々の業務や自身の成長をサポートしてくれる強力なツールであることは間違いありません。
AI に対して悲観的にならず、まずは積極的に使い続けてみてください。最初は思うような結果が得られないかもしれませんが、あきらめずに試行錯誤を続けることが重要です。AI と対話し続けることで、思考停止に陥ることを防ぎ、新たな発見や学びにつながるはずです。

―前向きなお言葉をありがとうございました。
にっしー社長直伝! 新入 & 若手社員が仕事で使える Gemini 活用事例
にっしー社長が普段実践している Gemini の活用のなかから、特に新入社員や若手の社員の方におすすめの事例をご紹介いただきました。すぐに業務で活用していただける事例ばかりですので、ぜひご活用ください。
Gemini の「DeepResearch」は、広範な情報を効率的に収集するのに非常に役立ちます。例えば、業界の最新動向や競合他社の情報を調べる際に、キーワードを入力するだけで、関連性の高い情報をまとめて提示してくれます。自分で検索を繰り返すよりも、はるかに効率的です。比較検討をする際、深く広く調査したい場合にはぜひ活用してみてください。
参考記事
新しい業務に取り組む際、必要な検討項目やタスクを網羅的に洗い出したい。とはいえ、時間もかかるし、苦手に感じている方も多いでしょう。
例えば「飲み会のイベント企画を担当することになった」「中途採用の依頼を受けた」といったシーンでも、「何の項目をおさえればいいのか」について Gemini に聞いてみてください。漏れなくリストアップしてくれます。
Gemini に相談することで、考慮すべき項目をリストアップするだけでなく、抜け漏れを防ぐことができます。必要なアクションを素早く洗い出して、ワークプランニングに活用できます! 新しいタスクをふられたら、まずは Gemini に相談してみてください。
業務に慣れていない間は、「どうしたらいいですか?」と質問しがちです。まず Gemini に質問してみることで、自分が何を理解できていないのか、どんな情報を整理する必要があるのかを把握するのに役立ちます。その上で、「〇〇について、私はこのように考えましたが、これでよいでしょうか」といった質問をすることで、より建設的なコミュニケーションにつながるでしょう。
Google Meet の「自動メモ生成機能」によって、会議の要点をまとめたメモと、精度の高い文字おこしが生成できるようになりました。
先ほどの上司の話のメモを取るのと同様に、議事録に気を取られると肝心の会議の内容が頭に入ってこないことがあります。会議中は本来の目的である議論に集中しましょう。会議後に、自動メモ生成機能で保存されたメモと文字おこしを使って、Gemini に議事録作成をサポートしてもらうことで、効率的に議事録が完成します。
さらに、ネクストアクションについてのアドバイスを Gemini に聞いてみることも有効です。
参考記事
NotebookLM で「フィードバック日記」を作成し、自分の毎日の業務の振り返りや失敗した点などをログとしてテキストデータなどに保存しておきます。例えば「〇〇部長と対応する際は、この伝え方がよい」「△△さんには、この方法では断られた」といったデータを蓄積しておくことで、過去の経験をふまえてアドバイスをもらうことができ、業務改善に役立てることができます。
参考記事
Gemini を活用して自分の成長につなげよう
Gemini や Google Workspace との連携についても、最新情報をいちはやく発信しているにっしー社長。今回の記事とともに、ぜひ YouTube の動画も参考にしてみてください。
にっしー社長のYouTube「cooker8 by 明治クッカー」
新しい会社や部署では、「経験が足りない」「自信がない」と不安になってしまうこともあるかもしれません。そんなとき、Gemini が皆さんの頼もしい相棒となってくれます。毎日の業務の効率化をはかるだけでなく、皆さんの成長を Gemini がサポートしていければ幸いです。
これから Gemini をお使いになる方は、まずは個人で無料の「Gemini アプリ」からお試しください。また 、Google Workspace プランや Google One AI プレミアム プランのサブスクリプション登録をすると、さらに充実した機能をお使いいただけます。無料でお試しできる期間がありますので、気軽に登録してみてください。
にっしー社長のインタビュー後編では、中小企業の経営者として Gemini をはじめとした生成 AI や、Google Workspace、NotebookLM をいかに活用できるか、コンサルタントのご経験や経営者の視点からお話いただきます。こちらも、ぜひお楽しみに!
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