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概要
岡村希一さんは、幼少期の思い出の場所である駄菓子屋「しんや」について語り、お金と幸せ、思い出の重要性について考察しています。彼は、資本主義が思い出を提供する店を淘汰しがちな現状への懸念を表明し、思い出を大切にする社会の実現を目指しています。自身はマーケティング支援を通じて、持続可能な幸せを生み出す商品やサービスを広める活動に取り組んでいます。
要約の箇条書き
- 幼少期に駄菓子屋「しんや」が思い出の場所だった。
- おばあちゃんから「駄菓子屋の利益は3%」と聞いたことに驚く。
- お菓子を買うために渡したお金はごく少ないが、優しさを感じていた。
- 大学時代に閉店し、今は別の住宅になったことを悔しむ。
- 資本主義の構造が、思い出を提供する店を淘汰していく可能性を指摘。
- 「人生は最高の思い出を集める旅」とし、思い出を重視する価値観を強調。
- 思い出を残す存在が100年後も必要とされる社会を望む。
- マーケティング支援を通じて、良いものを残すための活動に取り組んでいる。
- みんなが幸せになれる商品を見つけ、広めることが仕事だと認識。
- もっと社会を良い方向に変えていきたいという思いを示す。
- デザイナーとの協力を呼びかけ、共感を求めている。
しんやは小中学生の青春を代表するような、思い出の場所だった。
ある時、おばあちゃんに「駄菓子屋さんはどれくらい利益が出るの?」と聞いたことがあった。おばあちゃんは「売上の3%しか残らないよ」と答えた。
当時も驚いた記憶があるが、今振り返ってみるとその厳しさをより痛感する。
僕がしんやに使った総額は、きっと1万円もないだろう。そう考えると、僕がおばあちゃんに渡せたお金はたったの300円になる。
その上、おばあちゃんはお菓子の合計が100円を超えるまで、消費税(当時は5%)もおまけしてくれた。
その優しさに気づくこともなく、少しでも安くするために数十円ずつ分けて買っていたこともあった。
最後に会ったのは大学1年生の時だった。大学に入学したことを報告して、あとは何を話すわけでもなく、ただ横に座って一緒にテレビを見ていた。
その1,2年後に行った時には閉店していて、今は建て壊されて別の住宅になっている。
社会人になってビジネスに関わるようになり、気づいたことがある。それは、「資本主義とは、お金がさらなるお金を呼ぶ構造にある」ということだった。
お金がある会社の方が、優秀な社員が集まり、その潤沢な資金を狙って良い取引先が集まり、結果としてさらに成長していきやすい。
では、人々の喜びや思い出を作っている会社・お店はどうだろう?必ずしもそこにお金が集まるとは限らない。しんやのように、地域の子どもたちから愛されるだけの駄菓子屋さんは、資本主義上でみれば淘汰されるべき対象かもしれない。そして少しずつ、思い出を作ってくれた場所は無くなっていき、どこかで見たことのある”最大公約数的な何か”に置き換わっていく。
果たして、そんな社会は幸せなんだろうか?
僕は、人生とは「最高の思い出を集める旅」だと思っている。もし、これから毎日大金をもらえるか、毎日最高の思い出をもらえるかを選べるとしたら、僕は迷わず思い出を選ぶ。
なぜなら、お金は思い出を作るための手段にすぎないからだ。
そう思うと、思い出を提供してくれる存在こそ、後世に残していかなければならない。ここでいう思い出とは、必ずしも体験的なものでなくても良い。家に置くだけで気持ちが上向くような雑貨や、土台となる健康を支えてくれる食事だってそうだ。
儲けるためだけの”最大公約数的な何か”ではなく、思いやりやこだわりを込めて作った、誰かの人生の思い出に残るようなものが100年後も残り続ける社会であってほしい。
そのために、今僕は独立してマーケティング支援をしている。農業からスタートアップの会社まで、良いものがこの先もずっと残り続けるためにどうすればいいかを伴走して必死に考えている。
楽をして稼ごうとすると、誰かの幸せを奪う。
不当に高く売りつけたり、本当は不必要なものを押しつけたり、無理をして安売りすることで社員の労働時間が増えたりする。
でも、相手が何に困っているかを必死で考えて実行していけば、幸せは増やすことができる。
困っていた人たちが救われ、喜んで買ってくれる。売り手は、相手からの感謝と収益の両方を得ることができる。
そういう、全員が幸せになる商品のあり方を見つけ、伸ばしていくことが僕の仕事だ。
ほんの僅かかもしれないけど、自分がいることで社会を良い方向に進められている今がとても充実している。
もちろん、現状の規模では微々たるものなので、もっとこの輪を広げて、思い出と利益の両方を生み出していきたい。
もし少しでも共感してくれる人がいたら嬉しいです。
僕たちの世代から、少しずつ社会を良い方向に変えていこう。
また、マーケティングを進めるにはクリエイティブが不可欠なので、「協力するよ!」というデザイナーさんがいればぜひご連絡ください。
最後に。
おばあちゃん、最高の思い出をありがとう。
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