グーグルからPixelシリーズの最新モデル「Google Pixel 9a」が登場した。価格はグーグル直販サイトで7万9900円からとなり、日本での発売ではPixel aシリーズとしてははじめて256GB版もラインアップされ、こちらは9万4900円。4月16日に発売され、ドコモ、au、ソフトバンクからも販売される。
Pixel 9a は、洗練されたフラットなフォルムに丸みを帯びたエッジのデザインがポイント。背面には複合素材のマット背面ガラスが用いられ、指紋が付きにくいコーティングが施されている。貸し出しされたテスト機のカラーはPorcelainで、触ってみるとサラサラとした感触で、実際にベタベタと指紋はつかないので、ケースなしで使いたいと思わせる仕上がりだ。
またフレームはサテン仕上げのメタルフレームで、100%リサイクル素材のアルミニウムを採用し製品に高級感を与えている。カラーバリエーションは、貸し出し機のPorcelainをはじめ、Peony、Iris、Obsidianの4色をラインアップ。
環境への配慮も重視されており、Pixel 9aの背面カバーには81%のリサイクルプラスチックが使用されている。製品全体で見ると、重量ベースで23%以上のリサイクル素材が使用されており、梱包材にはプラスチックフリー素材が100%使用されるなど、昨今のトレンドを踏襲している。
本体サイズは約73.3(W)×8.9(D)×154.7(H)mmで重量は約185.7g。グリップしやすいサイズではあるものの、実際に持ってみると見た目の印象より重く感じる。
ディスプレーは6.3インチ(2424×1080ドット)の Actua ディスプレイを装備している。これはPixel aシリーズとしては最も明るいディスプレイで、前モデルのPixel 8a よりも35%明るさがアップした最大輝度2700ニトとなっている。リフレッシュレートは最大120Hzとなっており、スクロールなどは滑らかに表示される。
ただしPixel Proシリーズと比較すると、上下左右のベゼルの幅が実測で2.6mmと若干気になる。
プロセッサーにはGoogle Tensor G4を搭載し、メモリーは8GB、ストレージは前述のように128GBもしくは256GBとなっている。例年と同じように上位モデルのプロセッサーと同じものを搭載しているのは、低価格モデルとはいえうれしいポイントだ。
バッテリー容量は5100mAh。スペック上では、通常の自動調整バッテリー使用で30時間以上、スーパー バッテリー セーバー使用時で最大100時間のバッテリー駆動を実現しており、現在販売されている Pixelシリーズの中で最もバッテリーが長持ちするとうたっている。
実際、最大輝度でYouTubeの4K動画を充電100%の状態から再生し続けたところ、約13時間14分でバッテリー残量がゼロになった。バッテリー容量が5060mAhのPixel 9 Pro XLは同様のテスト結果が12時間34分だったので、スペックどおりのスタミナといえる。
本体スピーカーはステレオ仕様。本体共鳴などもあまり感じず左右のバランスもよく、ある程度のクオリティーを保った音質でコンテンツが楽しめる。オーディオテスターアプリで1000Hzの正弦波を最大ボリュームで鳴らして、15cm離れたところの音量は約86.4dbだった。
通信面では、セルラーの対応バンドが5Gはn1/2/3/5/7/8/12/20/26/28/38/40/41/66/75/77/78/79。LTEはB1/2/3/4/5/7/8/12/14/17/18/19/20/21/26/28/32/38/39/40/41/42/66/75。sub6には対応していないものの、前モデルと比較すると5G、LTEともに対応バンドが増えており、海外ローミング時などでも安心して使える。
物理SIMは本体底面にピンで押し出すタイプのトレーを装備。nanoSIM1枚をセット可能。eSIMにも対応しており、デュアルeSIMでの運用も可能だ。
無線LANはWi-Fi 6E(2.4GHz+5GHz+6GHz、2x2MIMO)に対応。Bluetoothはバージョン5.3で、FeliCaも搭載されており、おサイフケータイなども利用可能だ。
気になるのはカメラの性能。背面カメラは、1300万画素の超広角カメラ(絞り値:F/2.2、画角:120°、センサーサイズ:1/3.1インチ)と 4800万画素の広角カメラ(OIS および CLAF 搭載 Quad PDデュアル ピクセル、絞り値:F/1.7、画角:82°、センサーサイズ:1/2インチ)を備える。
メインとなる広角カメラのセンサーが前モデルのPixel 8aの1/1.73インチから小さくなっているため、スペック的にはダウンしている。ただしカメラ回りはバンパーのないデザインで、出っ張りも極力抑えられている。このあたりをどう判断するかは、ユーザーの好み次第といったところ。カメラ性能を追求するなら、Pixel 9/9 Proを選んだほうが良さそうだ。
とはいえ、Pixel 9aの撮影クオリティーが極端に低いわけではない。AIを活用したコンピュテーショナルグラフィックも相まって、下記の作例のように通常のスナップ撮影などはまったく問題ないレベルだ。
ちなみにPixel 9aではシリーズでは初めてマクロ フォーカスを搭載している。またPixel 9シリーズでも導入された「一緒に写る」機能のほか、連続で撮影した複数の写真からそれぞれのベストな表情を自動で組み合わせて、1 枚の完璧な集合写真を作成できる「ベストテイク」なども搭載している。もちろんこれまでのシリーズで採用してきた消しゴムマジック、音声消しゴムマジック、夜景モード、天体写真機能、夜景モード搭載の新パノラマモードなども利用可能だ。
前面カメラは1300万画素で、4K(30FPS)動画撮影が可能。マクロ フォーカス動画、シネマティック撮影、スローモーション動画(最大240FPS)、4Kタイムラプス、手ぶれ補正などの機能も備えているので、ちょっとしたVlog撮影などには十分な性能だ。
Pixel 9aは、7年間のOSアップデート、セキュリティアップデート、最新機能を配信するPixel Dropを含むソフトウェアサポートが提供される。IP68の防水、防塵性能も装備しているので、長く使いたいユーザーにはピッタリだ。
Gemini Nanoも搭載しており、パーソナルAIアシスタントとしての活用も可能。Google マップ、Google カレンダー、YouTube などの Google アプリと連携して動作するため、マルチタスクが容易となる。
音声でGeminiと対話できる Gemini Liveも利用でき、自由な会話やチャットが可能になり、新しいアイデアをブレインストーミングしたり、言いたいことを練習したりするのに最適。低価格で最新のAI機能を使いたいユーザーにもオススメと言える。
最新のTensor G4 チップによる高性能、刷新された洗練されたデザイン、大幅に向上したディスプレイ、長時間のバッテリー駆動、高い耐久性、そして7年間のソフトウェアサポートに加え、家族向けの便利な機能や充実したセキュリティ機能も備えており、幅広いユーザーにとって魅力的な選択肢となりそうなモデルとなっている。