投資家は再び波乱の週明けに身構えているが、今回ボラティリティーの原因となりそうなのは関税ではなく、米国の債務を巡る懸念だ。
米格付け会社ムーディーズ・レーティングスは16日夕方、米国の信用格付けを最上位の「Aaa(トリプルA相当)」から「Aa1(ダブルAクラス)」に1段階引き下げたと発表した。ライバル会社に続いて格下げに踏み切ったムーディーズは、財政赤字が縮小する兆しがほとんど見られないことについて、歴代の米政権と議会に責任があるとした。
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今回の格下げはウォール街で高まる米国債市場への懸念を一層強めるリスクがある。米議会は財源の裏付けがない減税を検討している上、トランプ大統領は長年の貿易関係を覆し通商協定を再交渉しており、米経済の減速が予想される。
16日に薄商いの中で米10年国債利回りは一時4.49%まで上昇し、S&P500種株価指数に連動する上場投資信託(ETF)は時間外取引で0.6%下落した。
フランクリン・テンプルトン・インベストメント・ソリューションズの副最高投資責任者マックス・ゴクマン氏は「財源の裏付けのない過剰な財政支出が今後さらに加速すると見られる中、米国債の格下げは驚くべきことではない」と指摘。「ソブリン投資家や機関投資家といった大口投資家がいずれも、安全資産として米国債以外の選択肢に移行し始める中で、債務返済コストは徐々に上昇し続けるだろう。これは残念ながら、米国債利回りの危険なベアスティープナーを引き起こし、ドルにさらなる下押し圧力をかけ、米国株の魅力を損なう恐れがある」と分析した。
ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、マイケル・シューマッハー氏らは顧客向けのリポートで、「ムーディーズの格下げを受けて、10年物と30年物の米国債利回りはさらに5-10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇する可能性がある」と述べた。
原題:Investors Await Another Monday Jolt After Moody’s Downgrades US (抜粋)
🧠 編集部の感想:
ムーディーズによる米国の格下げは、財政赤字の深刻さを浮き彫りにし、投資家に不安を与えています。この影響で米国債市場のボラティリティが増し、株式市場にも悪影響が及ぶ懸念があります。今後の経済政策がますます重要になる中、投資家は冷静な判断を求められる時期に入ったと言えるでしょう。
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