職場での対立は、誰にとっても気まずい状況だ。
どのように対処すればいいのだろうか?
簡単な解決策があるとは限らないが、困難な状況を和らげるための手段はある。
まずは冷静に、そして一対一で
感情が高ぶっているときは「深呼吸して、一度立ち止まることを忘れないように」とアドバイスするのはThe American Academy of Etiquetteのリサ・リッチー(Lisa Richey)だ。
すぐに反応してしまう人が多いが、まずはひと呼吸置いて、なぜ相手がその問題を持ち出しているのか考えてみよう。
自分でコントロールできる唯一のことは、その瞬間にどう対応するかだ。自分自身に対して完全に責任を持つ必要がある。
当事者以外の人に聞かれたり見られたりしない場所で話し合うのも有効な手段だ。
後で、相手と1対1で話し合おう。多くの人がいる会議室で、感情的に議論や対立を繰り広げるべきではない。
「アイ・ステートメント」と謝罪
Clise Etiquetteのアーデン・クライス(Arden Clise)も「冷静かつ敬意を持った会話」の重要性を強調している。
「アイ(私)・ステートメント」を用いることも有効だ。
これは、自身の視点や感情を表現する方法であり「ユー(あなた)・ステートメント」のように相手を非難したり対立を招いたりする語調を避けることができる。
また、自身に非がある場合は、素直に謝罪することも重要だ。
自分と相手の「対立スタイル」を知る
テキサスA&M大学の組織心理学教授であるジョン・エリオット(John Eliot)は、新著『 How to Get Along With Anyone(誰とでも仲良くする方法)』の中で、対立時の行動には性格によって5つのスタイルがあり、多くの人がそのどれかに当てはまると記している。
まずは自分自身のことをよく理解する時間を取り、職場での対立への対処法に関してどのようなスタイルが得意で、どのようなスタイルが苦手なのかがわかれば、その時点で戦いの半分は終わったようなものだ。
あとの半分は相手のスタイルを理解するために時間を費やせばいい。
対立の場では、相手が何を求めているのかを考慮することも重要だという。
意見が一致する必要もなければ、問題を解決する必要もない。物事に対する考え方が同じである必要すらない。
しかし、相手が求めていることを1つか2つ把握し、そのうちのどちらかを満たす方法を考えて実践すれば、お互いに気持ちを和らげることができる。気持ちが落ち着けば、より理性的な会話に戻ることができる。
また、アクティブリスニング(積極的傾聴)の実践は、「意見が異なっていても、人々を結びつける助けになる」とエリオットは述べている。
誰もが、自分の話を聞いてもらいたい、理解されたいという欲求を持っている。相手の言葉をしっかり理解し、その内容を少しでもフィードバックするようにしよう。
そうすることで『この人は本当に自分の話を聞いてくれている』と相手に感じてもらうことができる。