米食品医薬品局(FDA)は、アルツハイマー型認知症の診断を補助する初の血液検査機器の販売を承認した。H.U.グループホールディングス傘下の富士レビオ・ダイアグノスティクスが開発したもので、患者の早期発見と治療を促す可能性があると期待されている。
FDAの声明によると、55歳以上でアルツハイマー病の兆候や症状を示す患者が対象となる。検査はアルツハイマー病の原因物質とされるタンパク質「アミロイド」を早期に検出することを目的としている。
現在、アルツハイマー病の治療薬を処方するには、脳内のアミロイドを検出する特殊な陽電子放射断層撮影(PET)検査か、脊髄液を用いた検査が一般的に行われている。PET検査は高額で専門機器が必要なほか、脊髄液検査は侵襲的な処置を伴う。
こうした検査の必要性がエーザイとバイオジェンの「レケンビ(一般名レカネマブ)」やイーライリリーの「ドナネマブAZBT(キスンラ)」といった新たなアルツハイマー病治療薬の普及を遅らせる要因となっている。
今回承認された富士レビの「ルミパルス」は、採血のみで実施可能で侵襲性が低く、患者の利用を促すと期待されている。販売の時期や価格については明らかになっていない。FDAによると、認知機能の低下がみられ、専門的なケアを受けている患者を対象としている。
原題:FDA Approves First Blood Test to Diagnose Alzheimer’s Disease(抜粋)
🧠 編集部の感想:
富士レビオの血液検査がFDAに承認されたことは、アルツハイマー病の早期診断に向けた大きな進展です。従来の高額で侵襲的な検査に代わり、手軽に実施できる検査法が導入されることで、患者の負担軽減が期待されます。今後の販売情報が待たれますが、この技術が多くの人々に広がることを願っています。
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