🔸 ニュース:
宝塚歌劇団は、2023年9月24日に行われた宙組公演で使用していた軍歌「海ゆかば」の歌唱を即日停止することを発表しました。この曲は、11月からの東京公演でも差し替えられる予定です。この決定は、ファンからの反発や批判に応える形で下されました。
「海ゆかば」は、第二次世界大戦に多く用いられた官製軍歌であり、戦意を高揚させるためにラジオの放送などで流されていました。また、戦死した兵士への鎮魂歌としての側面も持っており、いわば「第2の国歌」とも称されています。このことから、戦争の象徴としての認識が高まっており、楽曲の使用には慎重さが求められています。
この公演では、「BAYSIDE STAR」の終盤で、桜木みなとさんが曲の冒頭部分を独唱していました。この部分は、万葉集に登場する大伴家持の長歌の引用で、皇室への忠誠を誓う内容が含まれています。しかし、観客からは「鎮魂の意図があったとしても、この曲を選ぶ理由がわからない」といった意見が相次ぎました。
神戸新聞が宝塚歌劇団に使用意図の確認をしたところ、同日中に「決して戦争を肯定する意図で演出しているわけではありません」「多様な意見を受けての対応です」との回答が寄せられました。このように、演出や楽曲の選定についての議論は、今後も続く可能性があります。
🧠 編集部の見解:
宝塚歌劇団が「海ゆかば」の使用を取りやめる決定をしたことについて、多くの人が感じた疑問や懸念が浮き彫りになっていますね。この軍歌は、日本の戦争の象徴とも言える楽曲であり、その使用には非常に慎重さが求められます。
特に、最近の世代にとってこの曲は時代背景を知らないため、無邪気に受け入れられることが多いですが、実際には深刻な歴史を持っています。ファンからは「なぜこの曲が選ばれたのか?」という疑問が相次いだというのも納得です。宝塚は常に新しい表現を模索しており、特に戦争や運命に関するテーマを扱うこともありますが、その際は観客の理解や感情に配慮した選曲が求められます。
この一件は、芸術と歴史、さらには社会的責任の交錯を浮き彫りにしています。例えば、最近の音楽界でも過去の曲が問題視され、差し替えや自粛が求めるケースが増えてきました。同様に、映画や演劇でも、観客の心情や時代背景に合わせた内容の見直しが進んでいます。これは、ただ表現の自由だけでなく、歴史的背景を尊重し、社会の多様性を反映する必要があるという意識の表れなのでしょう。
ちなみに「海ゆかば」は万葉集に由来する歌詞を持ち、戦時中は戦士の犠牲を悼むために使われました。実際には、多くの人が心のどこかでこの楽曲に悲しみを共鳴させていることも事実です。そのため、宝塚歌劇団がこの曲を取りやめるという判断には、視聴者への配慮と歴史への敬意が込められているように感じます。
社会としてこれからどのように過去と向き合い、未来を築いていくのか、重要な選択を迫られていますね。こんな時代だからこそ、私たちも自分の価値観を見直し、他者の意見を尊重する心を持ち続けていきたいものです。
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キーワード: 軍歌
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