運動をすると心拍数は上がります。この体の反応を活かした心拍トレーニングは、運動効果を高める上で非常に有効とされています。
運動時だけでなく、何もしていない安静時のご自身の心拍数を把握しておくことも、健康管理に役立ちます。
ウェアラブルデバイスを身につけていれば、安静時の心拍数を手軽に測ることができますので、ここでは安静時の心拍数からわかることについてご紹介します。
普通の安静時の心拍数はどれくらいか?
医療従事者は、1分間に60〜100回(bpm)の心拍数を「正常」な安静時の心拍数だと考えます。
しかし、医療従事者は通常、病院など医療施設内で静かに座っている人の安静時の心拍数を測ります。
目を覚ました状態で、診察室にいるため、少し緊張している人もいるかもしれません。
スマートウォッチやウェアラブルデバイスは、もっともリラックスした状態、基礎代謝に近い状態であるため、就寝中に特に低い値を示す可能性もあるでしょう。
スマートリングの「Oura」は、ユーザーの多くは安静時の心拍数が50〜60bpmの範囲に収まっていると報告しています。
また「Whoop」は、ユーザーの安静時の心拍数の平均は女性が59bpmで、男性が55bpmだと報告しています。
OuraやWhoop、そのほかの似たようなデバイスのユーザーは、アスリートや健康意識の高い人たちに人気があるので、おそらく安静時の心拍数が低いでしょう。
医療従事者が対応する全人口を対象とする、より一般的な数字が60〜100bpmです。
ですから、ご自身の安静時の心拍数がこの範囲よりも高くても、過度に心配する必要はありません。
一般的には安静時の心拍数は低い方がいい
アスリートや心血管系が健康な人は、安静時の心拍数が低い傾向にあります。
カーディオトレーニング(有酸素運動や高負荷トレーニングなど)で鍛えている人たちは、トレーニングを継続することで安静時の心拍数が下がる傾向にあり、それはトレーニングの効果が出ている良い兆候として考えられています。
なお、短期的にですが、心拍数がいつもより高くなるのは以下のようなときです。
- 精神的に、もしくは身体的にストレスがあるとき(激しい運動で疲れている場合など)
- 月経周期の特定の時期(例:排卵後から黄体期にかけて)。
- 病気になっているとき
- 安静時の心拍数に影響のある薬を服用しているとき(興奮剤や鼻づまりの薬などを含む)
- 就寝中の安静時の心拍数を測っている場合、睡眠が何かによって邪魔されたとき(飲酒や夜ふかしをしている場合)
安静時の心拍数は心拍数変動とともに、自分の身体がどれくらいストレスを感じているか、もしくは回復しているかを把握するのに便利な数値と言えるでしょう。
安静時の心拍数が上がっても、数日以内に下がれば問題ありません。
安静時の心拍数が何週間も高い状態が続く場合は、医師の診察が必要な病気やそのほかの問題を示しているかもしれません。
安静時の心拍数を他人と比べるべきではない理由
安静時の心拍数を「良い」数値にしたいと思うかもしれませんが、他人と比べても意味がありません。人にはそれぞれ個人差がありますからね!
友だちはあなたより背が高いかもしれないし、低いかもしれません。運動や健康上の要因を考慮しなくても、自然と心拍数が高いのかもしれないし、低いのかもしれないので、気にする必要はありませんよ。
安静時の心拍数がわかるスマートウォッチやウェアラブルデバイスを使っている場合は、デバイスによっても数値が異なることがあります。
筆者が安静時の心拍数と心拍数変動を測るのに、5種類のデバイスをそれぞれ数夜連続で装着したとき、Fitbitの安静時の心拍数の数値は、Ouraの数値よりも10bpm高いことが多かったです。
Garmin、Whoop、Apple Watchなど、ほかのデバイスの数値はその中間でした。
結局のところ、安静時の心拍数を活用する一番の方法は、長期的にも短期的に自分の数値の傾向に注意を払い、変化を把握しておくことです。
たとえば、少し運動を増やしながら、時間をかけて安静時の心拍数が徐々に低くなっていたら、それは良い兆候といえるでしょう。
また、安静時の心拍数が日によって変わる場合は、その変化をきっかけに、自分の健康状態、ストレス、疲労、睡眠などをチェックするのに利用するのもアリですね。
もちろん、心拍数が異常に高かったり、低かったりする状態が続くなど、心配であれば、ためらわずに医療機関に相談してください。
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編集部の感想:
安静時の心拍数を把握することは、自分の健康管理に役立つ重要な手段ですね。高い心拍数が続く場合は、体からの警告と受け止め、注意が必要です。また、ウェアラブルデバイスの進化により、個々の体調を簡単にモニタリングできるのは非常に便利です。
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