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好きな映画紹介「去年マリエンバートで」フィラメントと窓

🧠 あらすじと概要:

映画「去年マリエンバートで」のあらすじ

「去年マリエンバートで」は、バカンス地のホテルを舞台にした作品で、主に一人の女性と二人の男性が登場します。男女は、ホテル内で劇を見たり庭を眺めたりしながら過ごし、女性は男性から過去の出来事を思い出すように言われますが、彼女はそれを否定します。この曖昧な時間の流れと人間関係が物語の中心になっています。

記事の要約

筆者は映画に対する自分の感情を語り、「去年マリエンバートで」の魅力を伝えようとしています。脚本はアラン・ロブ=グリエが手掛けており、特異な作品の構造と映像美が強調されています。映像はモノクロで、ファッションや空間の演出が印象的。映画を通じて得られる感覚、さらにはセリフの意味深さについても触れ、観客に想像力を働かせることを求めています。

また、作中の不思議なゲームや、映像によって感情が描かれる点にも言及しており、観る人に深い印象を与える作品であることを示しています。最終的には、この映画が他の作品とは異なる特別な体験を提供するものであり、映像の美しさを主な魅力として挙げています。

好きな映画紹介「去年マリエンバートで」フィラメントと窓

2025年5月19日 17:36

こんにちは。映画好きのフィラメントと窓です。
口直しに違う文章を書きたくなって、唐突に好きな映画紹介をすることを思いつきました。

好きな映画ってなんだろう。そう思って、脳裏に浮かんだ最初の作品。

「去年マリエンバートで」です。

困ったことに、私は映画好きですが、映画の布教はそんなに上手くありません。映画好きの友達が何人もいるのですが、みんな上手いなあといつもしみじみしてしまいます。

今日は頑張って布教してみたいと思います。

① あらすじ

いきなり、困ってしまいました。そもそも話の筋がわからないからです。そこが肝だと思っているのですが、どうでしょうか。今の私が言える範囲で説明してみます。

バカンス地にホテルがあります。女性一人と男性二人が主な登場人物です。皆、ホテルの客です。劇を見たり、庭を見たり、ゲームをしたりして時間を過ごしています。

女性は男性から何かを思い出すように言われますが、女性は覚えていないと言います。

だいたい、こんな感じです。

② 作者

脚本家は小説家のアラン・ロブ=グリエです。代表作は「消しゴム」。この「消しゴム」も人を喰ったような作品で、作品の構造が非常に重要になってきます。
「去年マリエンバートで」もそうだといえるでしょう。

③ 映像

まずはこの映像をご覧ください。

もうこの映像だけでわかるかと思いますが、最高にクールです。クールとは本来、こういうことをいうのです。ストーリー性重視の素晴らしい映画もたくさんありますが、映像と脚本の構造、コンセプトで完璧な映画も最高にいいですよ。最高です。モノクロの白と黒が決まっています。シャネル衣装監修も頷けます。白と黒がおしゃれ以上の意味を持っているのが、本当のファッショナブルで、おしゃれさであり、クールさです。とにかく、なんだかすごいおしゃれな画面だなあ以上を訴えかけてくる本気の画面作り。おしゃれな画作りって感じで作ってない。なんて完璧な画なんだ。かっこいいとはこういうことさ。幽玄な建築は存在感があり、意味性がある。そこを徘徊したり、止まって動かないマネキンのような人々。思考とメラコリーの美しい迷宮のような空間で、何度も同じことを繰り返す人々。ゆとりがあります。今の時代には滅多にお目にかかれない、クリエイティビティ魂からくる完全なる余裕さ。

最強。

④ 意味

意味がないようで、おそらく意味があることしか言っていないようなセリフたち。強いセリフではなく、意味深なだけで終わるので、ストーリーはこちらが想像するしかありません。そうした映画が苦手な人がいるのはわかります。ですが、いける人がいるのなら、この映画、観てほしいです。こういう作品がもっと増えて欲しいと思うものの、アラン・レネ監督にロブ=グリエ脚本にシャネル監修のこんな作品はもう二度とないでしょう。何か重要なことを伝えたいが伝えきれない、伝えるのを避けてしまう、把握しきれない、思い出しそうで思い出せない、思い出したい、思い出したくない、逃避していたい、逃避に罪悪感がある。この作品を観て、そんな感覚を私は得ます。これも人それぞれだと思いますが、そういうのっていいなって思うのです。はっきりとしたコンセプトがあるのに、それよりも大きなものを包括していて、それが叶えられている。過不足なく、ゆとりを持って。映像で言葉なしで、その感覚を描写できるのは、本当に映像表現として素晴らしいなと思います。

⑤ 謎のゲーム

これは余談ですが、作中に謎のゲームが出てきます。マッチ棒をピラミッド型に並べて、相手と奪い合うゲームです。二人の男性が戦いますが、どうしても一人の方が毎回負けて、悔しがります。

そのシーンが大好きです。

⑥ 締めの言葉

布教するのが難しい映画です。シャネルが好きな人がいれば、シャネルが衣装監修しているでオススメできると思いますが、そうでない人にはどうやって伝えればいいのかいつもわかりません。何が魅力と聞かれても、映像!とだけ答えてしまうのは、私にとって、それが唯一の回答だからでしょう。

映像を見れば魅力がわかるだなんて、映画として完璧ではありませんか?

ちなみにこの映画、私は一回目、眠りました。しかし、映画は眠っていいものです。タルコフスキーの「ノスタルジア」を観て以来、そう悟りました。最高の眠りにつけますし、目覚めた後もまだ、夢の続きであるのは映画体験的にもよかったです。何度も何度も観ています。

いつまでもあのホテルで徘徊しながらも幽霊のように留まる感情をぜひ。

おしまい

フィラメントと窓

のんきに文章を書いています。気ままな感じ。だいたい小説を書いたり読んだりする話をしています。読書感想文もやってます。感想などいただけたら、とっても嬉しい。よろしくお願いします。



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