大阪でサッカーの試合中に雷に打たれた少年(当時高1)、両目失明、言語障害、手足が不自由になり車椅子生活に…

日本では毎年のように学校や運動施設などで落雷による事故が発生していますが、その多くに共通するのは、雷注意報が発令されていたにもかかわらず、適切な避難行動が取られていない点です。

気象庁は「雷注意報」が出た場合、すぐに屋内に退避することを推奨していますが、部活動や体育授業の現場では、その判断が現場任せになっているのが実情です。

実際、今回の奈良のケースでも顧問らが注意報を把握していなかった、あるいは知っていても対応できなかったと報じられています。

過去の事例が教訓として十分に生かされていない現状は、教育機関全体の安全管理のあり方に課題を突きつけています。

雷から身を守る基本的なルールを、より強い権限で徹底させる必要があります。

命を守る意識と仕組みが不可欠

北村光寿さんのように、落雷によって人生が一変してしまう事例は、決して他人事ではありません。

自然災害である雷は予測が難しい側面があるとはいえ、気象庁の警報・注意報や雷レーダーなど、危険を察知する情報手段は年々進化しています。

重要なのは、それらの情報を現場でどう生かすかという仕組みと意識の問題です。

学校現場では、安全担当を明確にする、判断基準をマニュアル化する、避難訓練を定期的に行うなど、リスクマネジメントの徹底が求められます。

また、過去の被害者の声を教育の中に取り入れ、被害の実態と教訓を「生きた教材」として活用することも、事故防止への大きな一歩となるでしょう。