


人の性格は大学進学してもほとんど変わらないという研究結果
2025年7月26日、最新の研究によると、大学に進学しても人の中核的な性格がほとんど変わらないことが示されました。この研究は、スイス・ローザンヌ大学の心理学者Anatolia Batruch氏を中心に行われ、ドイツの縦断的なデータを基にしています。
研究の背景
大学に進学することで、個人の社会的な地位が変わるため、それによって性格も変化すると思われがちです。しかし、Batruch氏らの研究チームは、4776人を対象にしたデータを分析し、「大学に進学したグループ」と「進学しなかったグループ」で性格特性を比較しました。その結果、どちらのグループでも性格に大きな変化は見られませんでした。
主な発見
研究の結果、双方のグループで誠実性が向上したものの、外向性や開放性、神経症傾向に関しては有意な変化がなかったことが明らかになりました。Batruch氏は、「全体として性格がほとんど変化しなかったことに驚いた」と述べ、社会階層の変化に対する性格の反応について疑問を投げかけています。
この研究では、大学進学後約10年間で、大学に進学したグループがリスクを冒す意欲が若干低下したことが確認され、これは周囲の環境の影響による可能性があります。
重要な視点
この研究結果は、人の性格は社会的な地位の変化に影響されないか、あるいは影響を受ける場合でも多くは微妙な変化であることを示唆しています。Batruch氏は、「教育の流動性はその人の本質を変えず、機会や視点を再構築してくれる可能性がある」と語っています。
おわりに
この見解は、大学の教育が個人に与える影響を再評価する契機となるでしょう。大学進学が持つ意味やその後の人生における選択肢について、今後さらなる議論が期待されます。
🧠 編集部より:
この記事では、大学に進学することが人の性格に及ぼす影響についての研究結果が紹介されています。この研究は、大学進学が中核的な性格特性にほとんど影響を与えないことを示唆しています。具体的には、スイス・ローザンヌ大学の心理学者Anatolia Batruch氏らの研究チームによるもので、ドイツの「German Socio-Economic Panel」のデータを分析しています。
研究のポイント
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性格特性の変化:
- 大学に進学した若者もそうでない若者も、時間を経るにつれ同様の性格特性が発達しました。
- 特に誠実性の向上が顕著であり、これは成人期における責任感の増加などと一致します。
- 外向性や開放性、神経症傾向には大きな変化は見られませんでした。
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リスク嗜好の変化:
- 大学進学者は、進学しなかった人々に比べ、リスクを冒す意欲が時間とともに低下しました。この傾向は、大学進学から約10年後には有意な差として表れました。
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教育と性格の相関:
- 大学進学が性格特性に与える影響は少なく、むしろ特定の分野(リスクを冒す意欲など)に限定される可能性があります。
- 大学環境が計画性や慎重さを重視するため、リスク回避的になる傾向が見られるとも考えられています。
背景や豆知識
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大学進学と性格: 大学に進学すると、一般的には新しい友人関係や環境に触れることで性格が変わると考えられがちですが、今回の研究結果はその見解に疑問を投げかけています。
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ビッグファイブ理論: 性格を評価するビッグファイブモデル(開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向)は、心理学において一般的な枠組みです。これに関する詳細は、こちらのリンクをご覧ください。
参考リンク
- 研究論文: Social Class and Personality: The Effects of Educational Mobility on Personality Trait Change
- PsyPostの記事: Personality stays mostly the same after moving up in social class, new study suggests
結論
この研究から、大学進学が人の性格にそこまで大きな影響を与えないことが示されましたが、特定の性格特性、特にリスクに対する態度には影響を及ぼす可能性があることも忘れてはなりません。教育の流動性が個人の本質を変えない可能性があることは、教育制度や社会的成功について重要な示唆を与えるものです。
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キーワード: 性格の変化
この研究は、大学進学が性格特性にどのように影響するかを探求したもので、結果として大学進学による性格の変化はほとんど見られないことが示されました。
※以下、出典元 ▶ 元記事を読む
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