木曜日, 5月 15, 2025
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変化を見せる単身者の食卓。「手作り」の概念も多様化、食への意識はどう変わった?【キューピー・えがおの食生活研究より】



一人暮らしの食生活は、自由であると同時に、日々の献立や調理に悩むことも少なくない。そんな単身者の食卓に、今、大きな変化の波が訪れているようだ。

キユーピー株式会社が20~59歳の単身者1,500人を対象に実施した2024年度『えがおの食生活研究』の結果は、コロナ禍を経た現代の単身者の食生活における満足度、調理習慣、そして「食」そのものに対する意識の変容を浮き彫りにしている。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2030年には単独世帯が全世帯の4割を超えると予測されており(「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(令和6(2024)年推計)」より)、この層の食生活の変化は社会全体にとっても重要な示唆を含んでいる。

「おうちごはん」の満足度は高まるも、食への優先順位は低下傾向か

今回の調査でまず注目されるのは、食生活に対する満足度の変化だ。

2011年の調査開始以来、食生活に「満足している」と回答した人の割合は4割前後で推移してきたが、特に20代男性において44.7%と高い満足度を示している。

これは、コロナ禍で自宅での食事、いわゆる「内食化」が定着し、自宅で手作りの食事をくつろぎながら楽しむスタイルが広まったことや、食生活に対する意識の変化を反映していると考えられる。自宅での食事の質や多様性が向上したことが、特に若い世代の満足度を引き上げている可能性が高い。

しかし、その一方で気になるデータも示された。食事メニューに何を重視するかという問いに対し、「ひとつもない」と回答した人の割合が25.1%と最も高かったのだ。

これは、「手間がかからないこと」や「短時間で作れること」といった具体的な項目を上回る結果であり、食以外の趣味や娯楽などに時間を割く傾向が強まっていることの表れかもしれない。社会の変化や価値観の多様化に伴い、生活における「食」の位置付けや優先度が相対的に低下している可能性を示唆している。

「手作り」の担い手と概念に変化。
男性が積極化、女性は規範意識から解放

調理習慣においては、さらに興味深い変化が見られる。

2019年から2024年の5年間で、手作りをする単身者のうち男性の比率が48.7%から52.6%へと上昇し、女性を上回ったのだ。特に30代男性では、手作りをする割合が6.6ポイントも増加している。

対照的に、40代女性では4.4ポイント減少した。この背景には、若い男性の自炊への積極的な関与や、女性の社会進出、ライフスタイルの変化、そして食の外部化(中食や外食の利用増加)などが影響していると考えられる。

さらに、「手作り」という言葉の捉え方そのものにも変化が生じている。

2019年と比較して、生鮮食材を使った調理を手作りと考える人の割合が58.7%から46.7%へと12ポイントも減少した。

これは、調理キットや冷凍食品、半調理品などを活用した調理も「手作り」の範疇と捉える人が増えていることを意味するのかもしれない。

特に40代女性では、従来の「食事はなるべく手作りすべき」といった規範意識から解放され、より柔軟に手作りを捉える傾向が見て取れる。調理の簡便化や時間効率を重視する現代のライフスタイルが、こうした意識の変化を後押ししているのだろう。

コンロを持たない選択も?調理スタイルの多様化が加速

調理環境に目を向けると、特に若年層における「コンロ離れ」が加速している実態が明らかになった。

自宅にコンロを「設置していない」と回答した割合は、特に20代男性および20~30代女性で顕著に増加している。

調査時のインタビューでは、20代女性から「調理は自分には必要ではない」、20代男性から「電子レンジがあれば良いと思った」といった声も聞かれたという。

これは、調理の簡便化志向をより強く反映した結果であり、電子レンジだけで完結する食事や、そもそも調理をしないという選択肢が、一部の単身者にとって当たり前のものとなりつつあることを示している。

今回の調査結果は、単身者の食生活が画一的なものではなく、個々のライフスタイルや価値観に応じて多様化し、同時に手間や時間をかけない簡便化が進んでいることを明確に示している。

キユーピーは、こうした変化を踏まえ、今後も調査・研究を継続し、多様なニーズに応える商品開発やサービス提供に繋げていくとしている。

より詳細な調査結果やデータについては、公式サイトで確認できるため、関心のある方は参照されたい。

現代の単身者のリアルな食事情は、食品業界だけでなく、私たちの暮らし方そのものを考える上でも多くの示唆を与えてくれる。

Top image: © Peter Austin/iStock



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🧠 編集部の感想:
単身者の食生活が多様化しているのは興味深いです。特に、手作りの概念が変わり、簡便さを重視する傾向が強まっている点が印象的でした。食に対する優先順位の低下が、ライフスタイルの変化を反映しているのかもしれませんね。

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