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概要
東リ株式会社は、オフィスリニューアル需要の堅調により増収を達成したものの、コストの増加により減益となりました。日本経済は雇用・所得環境の改善が見込まれる中、物価上昇や米国通商政策の影響で先行きが不透明です。同社は今後も持続可能な成長を目指し、新たな中期計画を推進する方針です。
要約の箇条書き
- 日本経済は雇用・所得改善で緩やかに回復。
- 物価上昇や米国通商政策の影響で先行きは不透明。
- 建設業界は万博やインバウンド回復に伴い、オフィスリニューアル需要が堅調。
- 建設コスト高止まりと人手不足で建築着工量は弱含み。
- 中期計画「SHINKA Plus ONE」の最終年度、5つの指標すべてを達成。
- 売上高1,057億円 (+3.2%)、営業利益43.8億円 (-12.1%) 。
- 原材料・人件費・販促費の上昇により利益は減少。
- プロダクト事業は売上高639億円 (+2.4%)、インテリア卸・工事事業は681億円 (+2.1%)。
- 成長戦略の大型設備投資が効果を上げ、売上高は過去最高。
- 次期中計では利益改善とグローバル事業の展開が重要テーマ。
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日本経済は雇用・所得環境の改善や企業業績の回復を背景に緩やかに回復。
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ただし、物価上昇による個人消費の弱さや米国通商政策の混乱などにより、先行きは不透明。
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建設業界では万博開催・インバウンド回復による需要増やオフィスリニューアル需要が堅調。
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一方で、建設コスト高止まりや人手不足などにより、建築着工量は全体に弱含み。
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中計「SHINKA Plus ONE」(2022~2025年度)の最終年度として、以下の5つの指標すべてを達成:
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売上高1,000億円以上
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営業利益40億円以上
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ROE7.0%以上
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リサイクル率85%以上
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産業廃棄物排出量40%以上削減(2019年度比)
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ただし、市場シェア向上や海外展開などは道半ばであり、次期中計『SHINKA Plus ONE 2.0』で継続的に推進予定。
指標数値前期比売上高1,057億円+3.2%営業利益43.8億円-12.1%経常利益46.7億円-11.0%当期純利益35.1億円-4.9%
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売上は堅調に推移するも、原材料・人件費・販促費の上昇により利益は減少。
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減価償却費を上回るコストダウン実現が課題に。
■ セグメント別動向
◉ プロダクト事業
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売上高:639億円(+2.4%)
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セグメント利益:29.4億円(-16.9%)
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各種原材料価格や物流費上昇に対応し、価格改定や高付加価値製品で収益改善を図る。
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ビニル系床材:「NS800 ファイン・インレイド」「クラシアルタイル」などが寄与。
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カーペット:リサイクル素材使用の「GA-3600」や「GXシリーズ」が好調。
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壁装材:「TOLIグランウォール」シリーズが高評価。
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カーテン:住宅・施設向けを強化するも、需要低迷により売上減。
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◉ インテリア卸・工事事業
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売上高:681億円(+2.1%)
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セグメント利益:22.4億円(+14.8%)
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建設業界の働き方改革や建設コスト高騰に対応し、高付加価値提案と価格転嫁を推進。
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海外展開:
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中国市場は低調ながら前年並み維持。
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米国では新法人「TOLI North America」設立、西部エリア開拓を本格化。
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■ 総評
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成長戦略の柱である大型設備投資(ナイロン紡糸・リサイクルプラント等)が奏功し、売上高は過去最高を更新。
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一方、利益はコスト増による減益となり、課題も浮き彫りに。
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次期中計では、利益改善とともにグローバル事業の本格展開と市場シェアの拡大が重要テーマとなる。
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ネットキャッシュ(16732百万円)、ネットキャッシュ比率(0.583)
引用
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