🧠 概要:
概要
記事は、元トラック運転手のライター渡邉拓馬が、坂道を下る無人のトラックを素手で止めた経験について語っています。彼は、納品後にサイドブレーキが甘く、トラックが徐々に進み出すのを目にし、その後の危機的な状況で自らの判断と力を駆使してトラックを停止させた様子を描写しています。
要約の箇条書き
- 約8年前、納品の為に坂道の現場に向かう。
- 坂道はかなりの傾斜(30度近く)で、Uターンができない道。
- 作業後、トラックが前進し始め、サイドブレーキが甘かった様子。
- トラックが加速し始める前に危機感を抱く。
- 乗り込むのと押すのとどちらが良いか一瞬で考える。
- 前に回り込み、トラックの力を全て使って停止を試みる。
- 驚くべきことに、トラックは止まっていた。
- 止まった理由は未だ不明で、火事場の馬鹿力の効果を実感。
現場で納品を済ませて戻ると、ジワジワとトラックが前進している…。サイドブレーキは確かにしたが効きが甘かったか。
じりじり動いてるぐらいだったのでそこまで焦ってはいなかった。
しかしその動きはあるところを境に加速し始める!
車は走り出しは抵抗が大きいが、走り出すと一気に進み始める。
それは運転席まであと2歩ぐらいのところで。
この一瞬で私は考えた。
物凄いスピードで頭が回転する。
「このまま乗って止めようとしてダメだったら?」
「最悪の場合、このまま崖にトラックもろとも落ちるよな?」
「ならダメな時は回避出来るように押して止めた方が良いか?」
この時間0.5秒ほど。
後から考えたら、押してもトラックもろとも落ちるのに変わりはない(笑)多分、「自分がトラックに乗り込むことで余計に加速しちゃうんじゃないか」とか考えたのかもしれない。
あの時は必死だったから分からない。
そしてトラックの前に回り込む。3トンの中型トラック。しかも坂道。
止まる気配がない。
もう少しで坂道の一番下。一番「運動エネルギー」が大きいところ。
止まるはずがない。
前輪がT字路の交差してる道路に入る。
そこで「もうダメだ」と覚悟して、一度MAXのパワーを出し切って、若干速度を落としたところでその隙に避けようと思った。
力を出し切り、トラックの横にずれようとすると…
止まっていた。
目を疑った。しかし安心は出来ない。
ゆっくりドアを開けて乗り込み、サイドブレーキをかける。レバーが取れそうなぐらいに。
これが火事場の馬鹿力というものなのか。
自分で自分の力に驚いたのはこれが最初で最後。
ぱっと見では分からないが、坂の下の道路がV字の傾斜が付いていたのかもしれない。でもビー玉を転がしたら分かる程度のものだったと思う。
未だになぜ止まったのか分からない。
Views: 0