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概要
コストコのガソリン販売が地域の給油所に悪影響を及ぼしており、地域のスタンドはその対策を模索している。コストコは会員向けに安価なガソリンを提供し、顧客を引き寄せているが、地域のガソリンスタンドは競争の激化に直面している。
要約の箇条書き
- コストコの出店により、地域のガソリンスタンドが影響を受けている。
- コストコ会員は20円安く給油でき、買い物と給油が同時にお得にできる。
- コストコのビジネスモデルは集客の手段として優れている。
- 地域のガソリンスタンドは、すでに縮小傾向にある市場で苦境に立たされている。
- 給油所業界は危機感を持ち、コストコに対する批判や陳情を行っている。
- 単なる批判ではなく、顧客価値を高める新しいサービスの構築が求められている。
- 具体例として、顧客の車両情報を把握し、検診サービスを提供するアイデアが提案されている。
コストコが出店した地域周辺のガソリンスタンドが打撃を受けています。コストコ会員だと20円安く給油できるので買い物で訪れた会員がこぞってそこで給油してしまうからです。
コストコのビジネスモデルは、「うまい」としか言いようがないですね。コストコは郊外型でまとめ買いで良質で良い商品を購入できるスタイルです。当然、顧客は自家用車で訪れます。自家用車で買い物に出かけるとガソリン代がかかります。それが近くのガソリンスタンドより安いとなると、当然、給油と買い物の二つをお得にできるコストコを選ぶでしょう。コストコにとって、ガソリンがマグネット商品になって顧客の来客頻度を高められるので、ガス代で利益を確保する必要はないのです。それに家族で買い物に来ていると時間を持て余した運転手役のお父さんが給油待ちをすれば、家族の週末の時間を有効に使うことにつながります。年会費の5280円代もガソリン代で元を取れることを考えればなおさらです。コストコで安いガソリンを提供するというのは、まさに顧客行動に着目したマーケティング活動といえるでしょう。
一方で、ビジネスを侵食されてしまう地域のガソリンスタンドにとっては死活問題です。そうでなくても、ハイブリッド車による低燃費化やマイカー所有者の減少によってガソリンスタンドの市場は縮小しています。そこにコストコが出店してくるとその地域では大きな打撃となってしまいます。
給油所業界として、危機感を持っており、コストコのビジネスモデルを批判し、災害時における給油所の機能を強調して、資源エネルギー庁や自民党の議員に陳情しているそうです。
災害時の役割を認めてもらって役人や国会議員の先生にコストコのビジネスモデルに対策をとってもらおうというだけではちょっと弱いと感じます。どうすれば顧客価値を高めることができるのかを考えていかなくてはならないでしょう。小売り業態でいえば、大型スーパーとコンビニがそれぞれの役割に応じたビジネスモデルを構築することで生存領域を築いています。ガソリン自体はコモディティ商品ですからどこで入れても基本的に同じですが、どのようなサービスを付加すれば価値が高まるのか、連合団体などに頼らず各自で頭をひねるべきなのかもしれませんね。例えば、町のかかりつけ医みたいな感じで、近隣の自家用車のカルテを作って給油毎にちょっとした検診サービスを実施するとかどうですかね?(そんなニーズがあるのかどうかは全く知りませんが。)
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