アメリカの夏といえば、日ざし、バカンス、そして野外コンサート。ほんのちょっと外出するだけで、20ドル(約3000円)の予想外の出費が発生する季節でもあります。
予算を決めたとして、なかなか守れません。収入や季節の移り変わり、インフレなどの経済の状況にも大きく影響されますから(アメリカでは関税の問題も追加されました)。
ですが、計画のコツをつかめば、経済的なストレスを感じずに夏のイベントをもっと楽しめるようになりますよ。
お金を使い果たすことなく、この気候のよい数ヶ月間を思い切り楽しめる、実用的な夏の予算を組むヒントをお伝えします。
1. 予算は月単位でなく「イベント単位」で組む
夏の予算を組むうえでもっとも大きな間違いの1つは、予定ごとに予算を考えず、月単位で計画を考えてしまうこと。
漠然と「7月の予算はこれくらい」を決めるのではなく、夏の間に参加する予定のある大きなイベントごとに分けて組んでいきましょう。
イベント例:
- ビーチで過ごす家族旅行
- 週末の結婚式
- 地元のお祭り
- 祝日に関連する行事やイベント
- 新学期準備のための買い物
イベントごとに予算を組むようにすれば、お金の割り当てがより正確になり、家計簿を振り返ったときに「お金はどこに消えたの?」と頭を抱えなくて済みます。
2. 思わぬ出費の上限を「週単位」で設定する
みんながアクティブになる夏は、急なお誘いも増えるもの。
BBQにお呼ばれしたときの手土産代、季節終わりギリギリの海水浴、知らなかった野外コンサートなど、そんな急なお誘いの数だけ想定外の出費が発生します。
こういった突発的なイベントがあっても予算計画が崩れることがないように、週単位で「思わぬ出費」にあてる予備費を見込んでおきましょう。
イベントごとに30~100ドル(約4500~1万5000円)といった出費が発生しても、事前にそのような思わぬ出費の予算を組んでおけば、急なお誘いにも罪悪感なしに「はい」と返事できますし、予算計画もちゃんと守れます。
3. 「出費のカテゴリー」ごとに口座を分ける
以前も紹介したことがありますが、お金を複数の口座に分けておけば、口座ごとの預金額の目標が分かりやすくなり、追跡することも簡単ですよ。
出費のカテゴリーごとに封筒を分けて、該当する封筒からお金を取り出すようにする「袋分け家計簿」と似ていますが、この口座を分ける方法を使えば、お金の使い道をもっと意識するようになり、規律を保ってお金を使えるようになるはずです。
夏休みの旅行、子どものキャンプ費用、常連になったハッピーアワーなど、夏に発生する大きな出費ごとにデジタル版の予算袋を作るか、銀行口座を分けてみましょう。
ネット銀行などで、手数料なしで「目的別の口座」を複数設定できるサービスを提供しているところがあります。そういったサービスを利用してイベントごとの予算を口座に分けて管理すれけば、イベントのための予算が日々の出費に使われてしまうことがなくなります。
4. 買い物には「24時間ルール」を設ける
気温が高くなるにつれ、庭にある家具とかアウトドアグッズ、夏のファッションといった季節のアイテムを新調したいという衝動にかられます。
必需品でないもので、たとえば50ドル(7000円)以上を買いたいときには、24時間の待機時間を設定して衝動買いに対処してみましょう。
プール用のフラミンゴの浮き輪やデザイナーズ・サングラスなど、本来は必要ないものであれば、この冷却期間のあいだに買いたい欲が過ぎ去ることがあります。
もっと金額の大きい買い物であれば時間を延ばして48時間とか、さらには72時間ルールにするともっと良いと思います。
5. 夏専用の「食費」計画を立てる
仲間で集まったときの飲食、旅行中の食事、移動アイスクリーム販売の誘惑など、夏の間は食べ物に関するコストが増えてしまうものです。この事態にも対応する方法があります。
夏の食費を抑えるTIPS:
- ビーチで過ごすときや、公園などに出かけるときには、屋外で食べやすく、持ち運びのできる食べ物を考える。
- 外出先や宿泊先の近くにあるスーパーや食料品店を確認し、旅行のはじめに買い出しを済ませる。
- 旅行中は「外食費」を別の予算として設定しておく。
- 夏の期間に安くなる季節の作物を活用する。
夏という季節を意識して食事を計画すれば食費を抑えられたり、季節の食材を使うために新しいレシピに挑戦する口実にもなります。
私の同僚Allie Reinmannがこれまでに執筆してきた数々のレシピ(英文記事)もヒントにしてみてください(夏のベリーを最大限に利用するとか、低予算で夏らしいシュリンプロールを手軽につくれます)。
6. 「旅行前」にサブスクを見直す
夏の旅行に出る前に、契約しているサブスクを棚卸ししてみましょう。
旅行中は利用する予定のないストリーミング・サービスに支払いをしていませんか? 次のような契約があったら休止することを考えましょう。
- ジムの会員登録
- ミールキットの定期配送サービス
- コスメの定期配送サービス
- 視聴する時間がないデジタル購読サービス
こういったサービスは完全に解約する以外にも、一時停止するオプションが提供されていることがあるので、旅行が多い時期には簡単に月々の出費を一時的に抑えられます。
7. 予算に「バッファ(ゆとり)」を持たせる
どんなに良くできた予算計画であっても、柔軟性は欠かせません。
特に、夏の予算には不可欠。旅行の費用を見積もって支出の上限を設定するときには、15%のバッファを持たせましょう。
石油価格、夏の荒れる天候、そのほかにも予期しない出費はつきものです。バッファを設定しておけば、金銭的に余裕でき、ちょっとした予算超過が積み重なって大きな予算オーバーになることも防げます。
結論:安心して楽しめる!
夏は思い出をつくる季節であって、金銭的ストレスを感じるための季節ではありません。
いま少し準備をするだけで、あとは夏の日差しと楽しいイベントに集中できるだけでなく、時間差で届くカードの請求書を恐れることもありません。
良くできた夏の予算とは、必ずしもタイトな予算ではないということを忘れないでください。やりたいと思うことの優先順位と合致していて、自分にとってもっとも意味のあることを楽しめるようになっていればいいのです。

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編集部の感想:
この夏のお金の計画に関するチェックリストは非常に実用的です。特に、イベント単位で予算を組むアプローチは、無駄な出費を防ぎ、楽しむ余裕を持たせてくれそうです。また、柔軟性を持たせるバッファを設定することも、予測不能な出費に対する安心感を与えてくれます。
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