アニメーション映画『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』が好調だ。リズム&アドベンチャーゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(通称・プロセカ)を原作にした同作は、公開日の1月17日から4ヶ月が経過した現在も上映中。5月9日からは71の劇場で4DX・MX4Dの上映もスタート。公開劇場数も初日の148館から現在は180館まで拡大している。最新5月11日時点での興行収入は14億円、観客動員数は110万人突破。春休みやゴールデンウィーク公開の大作映画がある中での大反響について、製作委員会関係者に話を聞いた。初音ミクなどバーチャルシンガーが登場する『劇場版プロセカ』『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』(以下、劇場版プロセカ)は、前述した通りゲーム『プロセカ』を原作としたアニメーション映画だ。原作ゲームは、音楽を中心としたサブカルチャーが盛んな街「シブヤ」と、人々の“本当の想い”が映し出された不思議な空間「セカイ」を舞台に、少年少女が自分の歌を見つける物語。映画はゲーム同様、バーチャルシンガーの初音ミクが登場。。『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』場面カットゲームには登場していない新しい初音ミク──人々に「歌を届けたい」と願っているが、その歌はノイズ混じりで届けられず、思い悩んでいる──として登場し、彼女の成長が完全オリジナルストーリーで描かれている。アニメーション制作は、『SHIROBAKO』『スキップとローファー』などで知られるP.A.WORKSが手がけた。『ジークアクス』『コナン』らひしめく中で劇場数が増加『劇場版プロセカ』はのちに興収30億円超えとなる『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』と同日公開。さらに4月には、シリーズ最速で興収100億円を突破した『名探偵コナン 隻眼の残像』も公開されている。そうした中、公開初週3日目には、興行収入で同日公開の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』に次ぐ2位、スクリーンアベレージ(1スクリーンあたりの興行収入)では堂々の1位を記録した。『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』場面カットこのように、300〜400館規模で公開される大作映画が続いているにもかかわらず、公開劇場数を増やして、興行収入や観客動員を増やし続けている。リピーターの多さやファンの熱狂ぶりもうかがえる。SNSでは「プロセカ映画最高だった!」「プロセカやってなくても見るべき映画です」「プロセカ好きだけじゃなくて、初音ミク好きやボカロP好きにもすごく刺さる」といった感想に加え、多数のファンアートも投稿されている。関係者が語る『劇場版プロセカ』のヒット要因製作委員会関係者はヒットの要因について、「原作のゲームファンにとどまらず、初音ミクやボカロ文化に触れたことがある人でも楽しめることが要因かと思います」とコメント。加えて「魅力にあふれた数多くのキャラクターたちや、著名なボカロPによる劇場版書き下ろし楽曲とライブシーンの臨場感、初音ミクなどたくさんの魅力が詰まっています」とその魅力を説明した。『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』予告編近年、「ボカコレ(The VOCALOID Collection)」などのイベントの盛り上がりでも顕著だが、『劇場版プロセカ』のヒットは、ボカロという存在および派生したキャラクター/作品が、いかに多くの人々に浸透しているかを象徴していると言えそうだ。©「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」製作委員会※「VOCALOID(ボーカロイド)」および「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標です。
KAI-YOU編集部_アニメ・漫画部門
執筆
ポップポータルメディア「KAI-YOU」の編集部(2013年3月15日より運営開始)。重要性の高いニュース記事に加え、クリエイターへのインタビューや発表会、展覧会などのイベントレポート、独自の視点・切り口からのレビューやコラムなども多数配信。ポップカルチャーと現代社会が相互に影響し合う歴史を記録しながら、シーンの最先端にある新たな価値観や才能を発掘・発信している。アニメ・漫画部門では、毎クールの注目アニメや自主制作のインディーアニメ、少年漫画をはじめとした話題の作品、Webtoonから、編集部が読んで・見て面白かったアニメ・漫画のレビューなどを紹介。日本のポップカルチャーを代表するコンテンツを商業・同人の隔てなく、クリエイターと作品の双方から深く堀り下げて発信している。。
🧠 編集部の感想:
劇場版『プロセカ』の劇場数が増加する背景には、ボカロ文化の広がりやリピーターの多さが関係しているのだなと感じました。初音ミクや多様なキャラクターが多くの人に愛されている証拠で、興行収入も順調に伸びているのが印象的です。この作品が新たなファンを生むことで、ボカロ文化が更に盛り上がることを期待しています。
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