[経緯]
生成AIでコーディングが流行ってきましたね!
でもねぇ,だいたいPythonでAIにコード書いてもらったトコでド素人なんで,使いこなせないどころか実行やテストさえできないのよね。。
そもそもPythonの実行環境さえままならない状況。
と,いうわけでClaudeさんと話し合って以下の構築ガイド作ってもらいました。
「プログラミングなんもわからんけども,Pythonってやつを使いたい」人に使ってもらえたらいいな。
初学者さんとかオカンに紹介してあげてください。
(ただし割と長文ェ・・・)
—-解説ココカラ—-
はじめに
プログラミング初心者の方でも迷わずPython環境を構築できるよう、Windows 11を例に画像付きで丁寧に解説します。このガイドでは、プロジェクトごとにPythonの仮想環境を作成し、Visual Studio Code(VS Code)とPylanceで快適に開発できる環境を整えます。
注意:このガイドはWindows 11での動作を基準に作成していますが、Windows 10でも同様の手順で環境構築が可能です。
このガイドで構築する環境
- Python:プログラミング言語
- Pythonインタープリター:Pythonコードを実行する「通訳者」プログラム
- venv:Pythonに標準で含まれる仮想環境ツール
- Visual Studio Code:Microsoft製の無料エディタ(IDE)
- Pylance:コード補完やエラー検出を提供する拡張機能
基本用語と仮想環境の必要性
まず、基本的な用語から説明します:
プロジェクトとは?
プログラミングにおける「プロジェクト」は、一つの目的を持ったプログラムのまとまりです。プロジェクトは専用のフォルダで管理します。例えば:
- 「家計簿アプリ」プロジェクト →
household_budget
フォルダ - 「売上データ分析」プロジェクト →
sales_analysis
フォルダ - 「Webサイト作成」プロジェクト →
my_website
フォルダ
ライブラリとは?
他の人が作った便利な「道具箱」のようなものです。例えば:
- requests:Webサイトからデータを取得する道具箱
- pandas:データ分析用の道具箱
- pygame:ゲーム作成用の道具箱
これらのライブラリを使うことで、一から全て作る必要がなくなります。
仮想環境とは?
仮想環境(Virtual Environment)は、プロジェクトごとに独立したPython実行環境を作る仕組みです。
もう少し詳しく説明すると:
- コンピュータ内に「隔離された小さなPython環境」を作ります
- その環境内では、特定のバージョンのPythonとライブラリが動作します
- 他のプロジェクトや、システム全体のPython環境に影響を与えません
例えるなら、仮想環境は「プロジェクト専用の作業部屋」のようなものです。その部屋の中では:
- 好きなバージョンの道具(ライブラリ)を置ける
- 他の部屋(プロジェクト)の道具と混ざらない
- 部屋を丸ごと削除しても、他の部屋には影響しない
なぜ仮想環境が必要なの?
具体例で説明すると:
- プロジェクトA(家計簿アプリ):pandas バージョン1.5を使用
- プロジェクトB(古いシステムの保守):pandas バージョン1.0を使用
もし仮想環境を使わないと、新しいプロジェクトAのために pandas 1.5をインストールすると、古いプロジェクトBが動かなくなってしまうかもしれません。
仮想環境を使えば、それぞれのプロジェクト専用の「お部屋」でライブラリを管理できるため、お互いに影響を与えることなく開発できます。
目次
- Pythonのインストール
-
Visual Studio Codeのインストール
- Python拡張機能とPylanceの導入
- 最初のプロジェクト作成
- VS Codeの設定
- 動作確認
- 別プロジェクトの作成方法
- プロジェクトの切り替え方法
- トラブルシューティング
1. Pythonのインストール
ステップ1:Python公式サイトにアクセス
Python公式サイトにアクセスし、「Download Python」ボタンをクリックします。
ステップ2:インストーラーの実行
ダウンロードしたインストーラーを実行します。
⚠️ 重要:必ず「Add Python to PATH」にチェックを入れてください!これを忘れると後で面倒なことになります。
「Install Now」をクリックしてインストールを開始します。
- インストール完了画面(「Setup was successful」が表示されている)
ステップ3:インストール確認
PowerShellを開いて、以下のコマンドを実行します:
PowerShellの開き方:
- Windowsキー + R を押す
- 「powershell」と入力してEnter
- PowerShellでpython –versionを実行した結果
2. Visual Studio Codeのインストール
ステップ1:VS Code公式サイトにアクセス
Visual Studio Code公式サイトにアクセスし、「Download for Windows」をクリックします。
ステップ2:インストール
ダウンロードしたファイルを実行し、指示に従ってインストールします。基本的にすべてデフォルト設定で問題ありません。
ステップ3:日本語化(オプション)
VS Codeを起動し、日本語化します。
- 左側のExtensions(拡張機能)アイコンをクリック(四角が4つ並んだアイコン)
- 検索欄に「Japanese」と入力
- 「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」をインストール
- 右下に表示される「Restart」をクリック
ステップ4:Python拡張機能のインストール
Python開発に必要な拡張機能をインストールします。
必須拡張機能1:Python
- 拡張機能アイコンをクリック
- 検索欄に「Python」と入力
- Microsoft製の「Python」拡張機能をインストール(作者がMicrosoftであることを確認)
必須拡張機能2:Pylance
Pythonの「Python」拡張機能に続いて、「Pylance」もインストールします。
- 拡張機能の検索欄に「Pylance」と入力
- Microsoft製の「Pylance」拡張機能をインストール
Pylanceとは?
Pylanceは、Pythonコードを書く際の「優秀なアシスタント」のような拡張機能です:
- 自動補完:コードを途中まで入力すると、続きを提案してくれる
- エラー検出:コードの間違いを即座に赤線で教えてくれる
- 型チェック:変数の型の間違いを事前に検出
- 定義へジャンプ:関数や変数の定義元に簡単に移動できる
3. 最初のプロジェクト作成
ここから実際にPythonプロジェクトを作成していきます。「プロジェクト」とは、一つの目的を持ったプログラムのまとまりのことです。今回は練習用の最初のプロジェクトを作成します。
ステップ1:プロジェクト用フォルダの作成
まず、すべてのPythonプロジェクトを管理する親フォルダを作成します。
- エクスプローラーを開く
- Cドライブ直下に「PythonProjects」フォルダを作成
- その中に最初のプロジェクト用フォルダ「project1」を作成
フォルダ構造:
C:\
└── PythonProjects\
└── project1\
ステップ2:PowerShellでフォルダに移動
PowerShellを開き、作成したフォルダに移動します:
cd C:\PythonProjects\project1
ステップ3:仮想環境の作成
以下のコマンドで仮想環境を作成します:
解説:
-
python -m venv
:Pythonの仮想環境作成コマンド - 最後の
venv
:仮想環境フォルダの名前(慣習的に「venv」を使用)
作成後のフォルダ構造:
project1/
└── venv/ # 仮想環境フォルダ(自動作成)
├── Include/
├── Lib/
├── Scripts/ # python.exeなどが入っている
└── pyvenv.cfg
注意:venvフォルダは仮想環境のシステムファイルなので、この中に自作のPythonファイルを作成しないでください。
ステップ4:仮想環境の有効化
以下のコマンドで仮想環境を有効化します:
成功のサイン:プロンプトの先頭に(venv)
が表示されます。
もしエラーが出た場合:
「スクリプトの実行がポリシーで無効」というエラーが出た場合は、以下のコマンドを実行してください:
Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
その後、もう一度仮想環境の有効化コマンドを実行します。
4. VS Codeの設定
ステップ1:プロジェクトフォルダを開く
- VS Codeを起動
- 「ファイル」→「フォルダーを開く」を選択
- 「C:\PythonProjects\project1」を選択して「フォルダーの選択」をクリック
Pythonインタープリターとは?
**インタープリター(interpreter)**は、私たちが書いたPythonコードをコンピュータが理解できる形に「通訳」してくれるプログラムです。
身近な例で理解する
インタープリターは「同時通訳者」のようなものです:
- あなた:日本語(Pythonコード)で話す
- インタープリター:日本語を英語(機械語)に通訳
- コンピュータ:英語(機械語)を理解して実行
なぜインタープリターを選ぶ必要があるの?
コンピュータには複数のPython環境がインストールされている可能性があります:
- システム全体のPython:最初にインストールしたPython
- 仮想環境のPython:プロジェクトごとに作成したPython
VS Codeに「どのPythonを使うか」を教える必要があるのです。これは、複数の通訳者がいる中から「このプロジェクトではこの通訳者を使ってください」と指定するようなものです。
ステップ2:Pythonインタープリターの選択
-
Ctrl+Shift+P
でコマンドパレットを開く - 「Python: Select Interpreter」と入力して選択
- 「Enter interpreter path…」を選択
- 「Find…」を選択
-
C:\PythonProjects\project1\venv\Scripts\python.exe
を選択
なぜvenv内のpython.exeを選ぶの?
仮想環境内のpython.exeを選ぶことで、そのプロジェクト専用の環境を使用することになります。これにより、他のプロジェクトに影響を与えることなく、必要なライブラリをインストールできます。
ステップ3:仮想環境の動作確認
インタープリターの選択が完了したら、実際にPythonファイルを実行して仮想環境が正しく設定されているか確認します。次の「動作確認」セクションで、check_env.pyを実行することで:
- 仮想環境が自動的に有効化される
- 正しいPythonインタープリターが使用されている
- プロジェクト専用の環境で動作している
ことを確認できます。
5. 動作確認
ここでは、Pythonファイルを実行することで仮想環境が正しく設定されているか確認します。
ステップ1:テストファイルの作成
- VS Codeの左側のエクスプローラーで「project1」フォルダが選択されていることを確認
- 「project1」の上で右クリック(または空白部分で右クリック)
- 「新しいファイル」を選択
- ファイル名を
check_env.py
にする - 以下のコードを入力:
重要:check_env.pyはプロジェクトのルートディレクトリ(project1フォルダの直下)に作成します。
ファイル構造:
C:\PythonProjects\
└── project1\ ← 現在開いているフォルダ
├── venv\ ← 仮想環境フォルダ(自動生成)
└── check_env.py ← ここに作成する
print("=== Python環境チェック ===")
print("環境の設定状況を確認します...\n")
# 使用中のPythonインタープリターを確認
import sys
import os
print(f"Pythonバージョン: {sys.version.split()[0]}")
print(f"実行ファイルパス: {sys.executable}")
# 仮想環境内かどうかを確認
if "venv" in sys.executable:
print("\n✅ 仮想環境が正しく設定されています!")
print(" プロジェクト専用の環境で開発できます。")
# プロジェクト名を表示
project_path = os.path.dirname(os.path.dirname(sys.executable))
project_name = os.path.basename(project_path)
print(f" プロジェクト名: {project_name}")
else:
print("\n❌ 仮想環境外で実行されています")
print(" VS Code左下でPythonインタープリターを確認してください。")
print(" 正しいインタープリター: .\\venv\\Scripts\\python.exe")
print("\n=== チェック完了 ===")
ステップ2:プログラムの実行と仮想環境の確認
F5キーを押して実行します(または右上の実行ボタン▶をクリック)。
重要な確認ポイント:
-
ターミナルに
(venv)
が表示される- Pythonファイルの実行時に自動的に仮想環境が有効化されます
- Windows 11では初回のターミナル起動時には表示されないことがありますが、ファイル実行時には必ず有効化されます
-
実行結果で「✅ 仮想環境が正しく設定されています!」と表示される
- これが表示されれば、正しく仮想環境が使用されています
-
使用中のPythonパスに
venv
が含まれている- 例:
C:\PythonProjects\project1\venv\Scripts\python.exe
- 例:
もし「❌ 仮想環境外で実行されています」と表示された場合:
- VS Code左下のPythonバージョン表示をクリック
-
.\venv\Scripts\python.exe (venv)
を選択 - F5キーで再度実行
ステップ3:パッケージのインストールテスト
ターミナルで以下のコマンドを実行:
解説:
-
pip
:Pythonのパッケージ管理ツール(Package Installer for Python) -
requests
:HTTPリクエストを簡単に行えるライブラリ(Webサイトからデータを取得する際などに使用)
「パッケージ」と「ライブラリ」の違いは?
実は、Pythonの世界では「パッケージ」と「ライブラリ」はほぼ同じ意味で使われます。厳密には:
- パッケージ:配布される形式のこと(pipでインストールするもの)
- ライブラリ:機能のまとまり(使う時の呼び方)
例:「requestsパッケージをインストールして、requestsライブラリを使う」
インストール確認用のコードを作成:
ファイルの作成場所:プロジェクトのルートディレクトリ(project1フォルダ直下)に作成します。
# test_requests.py
import requests
# GitHubのAPIにアクセスしてテスト
response = requests.get("https://api.github.com")
print(f"ステータスコード: {response.status_code}")
# ステータスコード200は「正常にアクセスできた」という意味
if response.status_code == 200:
print("✅ requestsライブラリが正常に動作しています!")
print(" (200 = HTTPリクエストが成功)")
else:
print(f"❌ エラーが発生しました(コード: {response.status_code})")
現在のファイル構造:
project1/
├── venv/ # 仮想環境(自動作成されたもの)
├── check_env.py # 環境確認用ファイル
└── test_requests.py # 今作成したファイル
ステップ4:Pylanceの動作確認
新しいファイルtest_pylance.py
を作成して、Pylanceの機能を体験してみましょう:
# test_pylance.py
# Pylanceの機能を体験するためのファイル
# 【体験1】自動補完機能
# 下の行で「pri」まで入力してみてください
# Pylanceがprint関数を提案してくれます
# ここに「pri」と入力してTabキーまたはEnterで補完を確認
# 【体験2】型ヒントとエラー検出
def greet(name: str) -> str:
"""名前を受け取って挨拶を返す関数"""
return f"こんにちは、{name}さん!"
# 正しい使い方
message = greet("太郎")
print(message)
# 【体験3】型エラーの検出
# 下のコメントを外して、数値を渡してみてください
# Pylanceが黄色い波線で警告を表示します
# message2 = greet(123) # ← このコメントを外してエラーを確認
# 【体験4】メソッドの自動補完
fruits = ["りんご", "バナナ", "オレンジ"]
# 下の行で「fruits.」と入力してみてください
# 使えるメソッド(append, remove, popなど)が表示されます
# fruits. ← ここでドット(.)を入力して候補を確認
# 【体験5】変数にカーソルを合わせる
# 上の「fruits」変数にマウスカーソルを合わせてみてください
# 変数の型情報(list[str])が表示されます
print("Pylanceの機能確認が完了しました!")
Pylanceの便利な機能:
- Ctrl + クリック:関数や変数の定義元にジャンプ
- マウスホバー:関数や変数の詳細情報を表示
- F2キー:変数名の一括変更
- Ctrl + Space:手動で補完候補を表示
- 「pri」と入力した際の自動補完候補の表示
6. 別プロジェクトの作成方法
2つ目以降のプロジェクトを作成する手順を説明します。基本的には最初のプロジェクトと同じ手順です。
方法1:基本手順(最初のプロジェクトと同じ)
-
新しいプロジェクトフォルダを作成
-
C:\PythonProjects
内に新しいフォルダ(例:project2
)を作成
-
-
PowerShellで仮想環境を作成
cd C:\PythonProjects\project2 python -m venv venv
-
VS Codeで開く
- 「ファイル」→「フォルダーを開く」→
project2
を選択
- 「ファイル」→「フォルダーを開く」→
-
Pythonインタープリターを選択
-
Ctrl+Shift+P
→ 「Python: Select Interpreter」 -
.\venv\Scripts\python.exe
を選択
-
-
check_env.pyで動作確認
- 環境確認用ファイルを作成して実行
方法2:VS Code内で完結する方法
VS Codeの統合ターミナルを使って、VS Code内ですべて完結させる方法です。
ステップ1:新しいウィンドウでフォルダを作成
- VS Codeで「ファイル」→「新しいウィンドウ」
- 「ファイル」→「フォルダーを開く」
-
C:\PythonProjects
に移動 - 「新しいフォルダー」ボタンをクリック
- 「project3」などの名前を付けて「フォルダーの選択」
ステップ2:統合ターミナルで仮想環境を作成
- `Ctrl+“ でターミナルを開く
- 以下のコマンドを実行:
ステップ3:Pythonインタープリターを選択
- しばらく待つと、VS Codeが仮想環境を検出
- 右下に「新しい仮想環境が検出されました」という通知が表示される場合は「Yes」をクリック
- 表示されない場合は、
Ctrl+Shift+P
→ 「Python: Select Interpreter」→.\venv\Scripts\python.exe
を選択
ステップ4:動作確認
check_env.pyを作成して、仮想環境が正しく設定されているか確認します。
7. プロジェクトの切り替え方法
方法1:新しいウィンドウで開く(推奨)
異なるプロジェクトは別々のVS Codeウィンドウで開くことを推奨します。
- 「ファイル」→「新しいウィンドウ」
- 「ファイル」→「フォルダーを開く」から別のプロジェクトを選択
メリット:
- プロジェクトごとに独立した環境
- 複数プロジェクトの同時作業が可能
- 設定の混在を防げる
[スクリーンショット挿入箇所]
- 2つのVS Codeウィンドウでproject1とproject2が開かれている状態
方法2:ワークスペースを使用(上級者向け)
複数のプロジェクトを1つのウィンドウで管理したい場合:
- 「ファイル」→「ワークスペースにフォルダーを追加」
- 追加したいプロジェクトフォルダを選択
- 各フォルダーで適切なPythonインタープリターを選択
[スクリーンショット挿入箇所]
- ワークスペースに複数のフォルダーが追加された状態
- 各フォルダーで異なる仮想環境が選択されている状態
プロジェクト切り替え時の注意点
プロジェクトを開いたら必ず環境を確認
- VS Code左下でインタープリターを確認
-
check_env.pyを実行して仮想環境を確認
- 各プロジェクトにcheck_env.pyを保存しておくと便利
- 「✅ 仮想環境が正しく設定されています!」の表示を確認
ターミナルでの仮想環境切り替え(手動で行う場合)
現在の仮想環境を無効化してから、新しい仮想環境を有効化:
# 現在の仮想環境を無効化
deactivate
# 別のプロジェクトに移動
cd C:\PythonProjects\project2
# 新しい仮想環境を有効化
.\venv\Scripts\Activate
8. トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
Q1: PowerShellで「スクリプトの実行がポリシーで無効」エラーが出る
解決方法:管理者権限でPowerShellを開き、以下を実行:
Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
「Y」を入力してEnterを押します。
Q2: 「python」コマンドが認識されない
解決方法:
-
python
の代わりにpy
を試す - それでもダメな場合は、Pythonを再インストール(必ず「Add Python to PATH」にチェック)
# 代替コマンド
py --version
py -m venv venv
Q3: VS Codeで仮想環境が認識されない
解決方法:
- VS Codeを完全に終了(すべてのウィンドウを閉じる)
- プロジェクトフォルダを再度開く
- 手動でPythonインタープリターを選択
インタープリターが見つからない場合:
- VS Codeの左下を確認(Pythonバージョンが表示されているか)
- 表示されていない場合は、その部分をクリックして手動選択
- 「Reload Window」(ウィンドウの再読み込み)を試す
Q4: pip installでエラーが出る
解決方法:pipをアップグレード
python -m pip install --upgrade pip
Q5: Pylanceが正しく動作しない
解決方法:
- Python拡張機能が正しくインストールされているか確認
- VS Codeを再起動
- 設定でPylanceが有効になっているか確認
- 「ファイル」→「基本設定」→「設定」
- 「python.languageServer」で検索
- 「Pylance」が選択されているか確認
プロジェクト管理のベストプラクティス
インタープリター管理の注意点
プロジェクトごとに正しいインタープリターを使用しているか確認する習慣をつけましょう:
-
VS Code左下の表示を確認
-
Python 3.x.x ('venv': venv)
のように表示されていればOK - プロジェクト名と一致しているか確認
-
-
check_env.pyで実際の動作を確認(最も確実)
- プロジェクトを開いたら、check_env.pyを実行して環境を確認
- 「✅ 仮想環境が正しく設定されています!」の表示を確認
- この方法が最も確実で、環境による差異の影響を受けません
-
定期的な確認コマンド
# 現在使用中のPythonを確認 where python # Pythonのバージョンを確認 python --version
Windows 11での注意点:
- ターミナルを開いただけでは
(venv)
が表示されないことがあります - Pythonファイルを実行すると自動的に仮想環境が有効化されます
- 開発作業に支障はありませんので、check_env.pyでの確認を習慣づけましょう
フォルダ構造の推奨例
プロジェクトごとに分かりやすい名前を付けて管理しましょう:
C:\PythonProjects\
├── webdev_project/ # Webアプリ開発プロジェクト
│ ├── venv/ # このプロジェクト専用の仮想環境
│ ├── check_env.py # 環境確認用ファイル
│ ├── app.py # メインのプログラムファイル
│ ├── requirements.txt # 使用しているライブラリ一覧
│ └── static/ # 画像やCSSなどの静的ファイル用
├── data_analysis/ # データ分析プロジェクト
│ ├── venv/ # このプロジェクト専用の仮想環境
│ ├── check_env.py # 環境確認用ファイル
│ ├── analysis.py # 分析用のプログラム
│ ├── requirements.txt # pandas等の分析ライブラリ一覧
│ └── data/ # CSVファイルなどのデータ用
└── automation/ # 自動化スクリプトプロジェクト
├── venv/ # このプロジェクト専用の仮想環境
├── check_env.py # 環境確認用ファイル
├── main.py # 自動化のメインプログラム
├── requirements.txt # selenium等の自動化ライブラリ一覧
└── utils/ # 補助的な関数を入れるフォルダ
ファイル保存場所のガイドライン
基本ルール:すべての自作Pythonファイル(.py)はプロジェクトフォルダの直下に保存します。
1. 小規模プロジェクト(ファイル数が10個以下)
project1/
├── venv/ # 触らない(仮想環境)
├── check_env.py # 環境確認用
├── main.py # メインプログラム
├── test.py # テスト用
├── test_requests.py # ライブラリ動作確認用
├── test_pylance.py # Pylance機能確認用
└── utils.py # 便利な関数など
2. 中規模以上のプロジェクト(ファイル数が多い場合)
project1/
├── venv/ # 触らない(仮想環境)
├── check_env.py # 環境確認用(ルートに置く)
├── main.py # メインプログラム(ルートに置く)
├── data/ # データファイル用フォルダ
│ └── sample.csv
├── src/ # ソースコード用フォルダ
│ ├── database.py
│ └── calculations.py
└── tests/ # テストファイル用フォルダ
└── test_main.py
ポイント:
- venvフォルダ内には絶対にファイルを作成しない
- プロジェクト名は内容が分かりやすい名前にする
- check_env.pyは必ずプロジェクトのルートに置く
- ファイル名は機能が分かりやすい名前を付ける(例:
calculate_tax.py
、send_email.py
)
requirements.txtの活用
プロジェクトで使用しているパッケージを記録:
# 現在の環境のパッケージ一覧を保存
pip freeze > requirements.txt
# 別の環境で同じパッケージをインストール
pip install -r requirements.txt
[スクリーンショット挿入箇所]
- requirements.txtの内容例
- pip install -r requirements.txtの実行画面
.gitignoreファイルの作成
Gitを使用する場合、仮想環境フォルダは除外:
# .gitignore
venv/
__pycache__/
*.pyc
.env
.vscode/
Pylanceの設定(オプション)
プロジェクトごとにPylanceの設定をカスタマイズしたい場合は、.vscode/settings.json
を作成:
{
"python.analysis.typeCheckingMode": "basic",
"python.analysis.autoImportCompletions": true,
"python.analysis.autoSearchPaths": true
}
設定の説明:
-
typeCheckingMode
:型チェックの厳密さ(”off”, “basic”, “strict”) -
autoImportCompletions
:自動インポート提案 -
autoSearchPaths
:パスの自動検索
まとめ
これでWindows環境でのPython開発環境構築は完了です!
重要なポイントの復習
- プロジェクトごとに仮想環境を作成する
- VS Codeでは適切なインタープリターを選択する(仮想環境内のpython.exeを使用)
- check_env.pyで環境を確認する習慣をつける(最も確実な方法)
- Pylanceで効率的な開発を実現(自動補完、エラー検出、型チェック)
- プロジェクトは別々のウィンドウで開くのが推奨
- Pythonファイルはプロジェクトフォルダ直下に保存(venvフォルダには触らない)
次のステップ
-
基本的なPythonの学習:変数、条件分岐、ループなど
- Pylanceの自動補完機能を活用して効率的に学習
-
生成AIで作成したコードを試す
- ChatGPTやClaude等で生成したPythonコードを実行
- エラーが出た場合の対処法を学ぶ
- AIと対話しながらコードを改善する方法
-
ライブラリの活用:
- NumPy(数値計算)
- Pandas(データ分析)
- Flask/Django(Web開発)
- Selenium(ブラウザ自動化)
-
プロジェクト構造の整理:
- ファイル数が増えたらフォルダで整理
- モジュール分割の学習
- バージョン管理:Gitの導入
- 型ヒントの活用:Pylanceの機能を最大限に活かすための記述方法
参考リンク
用語集(初心者向け)
基本用語の解説
Python(パイソン)
- プログラミング言語の一つ。人間が理解しやすい形でコンピュータへの指示を書ける
プロジェクト(Project)
- 一つの目的を持ったプログラムのまとまり
- 例:「家計簿アプリ」「Webサイト」「データ分析ツール」など
プロジェクトフォルダ/ルートディレクトリ
- プロジェクトの一番上の階層のフォルダ
- 例:
C:\PythonProjects\project1\
の「project1」がルートディレクトリ - 自作のPythonファイルはここに保存する
ライブラリ(Library)
- 他の人が作った便利な「道具箱」
- 特定の機能をまとめたプログラムの部品
- 例:requests(Web通信)、pandas(データ分析)、pygame(ゲーム作成)
バージョン(Version)
- ソフトウェアの「版」のこと
- 例:Python 3.11.0、pandas 2.0.0など
- 数字が大きいほど新しい
インタープリター(Interpreter)
- Pythonコードを機械語に「通訳」するプログラム
- 例:日本語→英語の同時通訳者のような役割
仮想環境(Virtual Environment)
- プロジェクトごとの独立したPython実行環境
- 例:プロジェクトごとの専用の部屋
IDE(統合開発環境)
- プログラムを書くための高機能なエディタ
- VS Codeもその一つ
Pylance(パイランス)
- VS CodeでPythonを書く際の「優秀なアシスタント」
- コードの自動補完、エラー検出、型チェックなどを提供
- Microsoft製の拡張機能
pip(ピップ)
- Pythonのパッケージ(ライブラリ)管理ツール
- Package Installer for Pythonの略
パッケージ/ライブラリ
- 他の人が作った便利な機能をまとめたもの
- 例:requestsは「Webサイトからデータを取得する」機能を提供
PATH(パス)
- コンピュータがプログラムを探す場所のリスト
- 「Add Python to PATH」は「Pythonをどこからでも使えるようにする」という意味
クイックリファレンス
プロジェクトのファイル構造
project_name/ # プロジェクトフォルダ(ルートディレクトリ)
├── venv/ # 仮想環境(触らない)
├── check_env.py # 環境確認用(必須)
├── main.py # メインプログラム
├── requirements.txt # ライブラリ一覧
└── その他の.pyファイル # すべてルートに配置
VS Codeの便利なショートカットキー
Ctrl + Space : 手動で補完候補を表示(Pylance)
Ctrl + クリック : 定義元へジャンプ
F2 : 変数名の一括変更
Ctrl + / : コメントアウト/解除
Ctrl + Shift + P : コマンドパレット
Ctrl + ` : ターミナルの表示/非表示
F5 : デバッグ実行
Shift + F5 : デバッグ停止
仮想環境の基本コマンド
# 仮想環境の作成
python -m venv venv
# 仮想環境の有効化
.\venv\Scripts\Activate
# 仮想環境の無効化
deactivate
# 仮想環境の削除(フォルダごと削除)
Remove-Item -Recurse -Force venv
パッケージ管理コマンド
# パッケージのインストール
pip install パッケージ名
# 特定バージョンのインストール
pip install パッケージ名==バージョン番号
# パッケージのアップグレード
pip install --upgrade パッケージ名
# インストール済みパッケージの確認
pip list
# パッケージの詳細情報
pip show パッケージ名
# パッケージのアンインストール
pip uninstall パッケージ名
# requirements.txtの作成
pip freeze > requirements.txt
# requirements.txtからインストール
pip install -r requirements.txt
Happy Coding! 🐍
—-解説ココマデ—-
*Mac版は需要があれば制作しようかな・・・
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