Pearl Abyssは2025年4月29日,PC向けオンラインRPG「黒い砂漠」のオフラインイベント「黒い砂漠10周年感謝祭」を都内のTFTホール1000で開催した。
「黒い砂漠」では毎年この時期に,冒険者(プレイヤー)同士,そして運営スタッフらと交流できるオフラインイベント「ファンミーティング」を開催している。今回は,日本サービス10周年という節目の年でもあり「黒い砂漠10周年感謝祭」と銘打ち,例年とは大きく異なるオフラインイベントの実施となった。
会場には,北は北海道,南は沖縄と全国から招待された多くの冒険者が訪れ,交流するとともに設置されたアクティビティを楽しんでいる姿が見られた。本稿では,それらアクティビティの内容や展示物,会場から生配信された記念番組の内容などについてレポートしよう。
例年のファンミーティングでは,テーブルに集った冒険者がチームとなり,ほかのチームとクイズなどで競うことが多かった。今回は個々の冒険者がアクティビティに参加することで,入場時にもらった特別依頼書をこなすという形だ
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韓国など,他国で配布,販売された数々の黒い砂漠アイテムが会場に展示されていた。この展示物の上には,黒い砂漠の歴史年表が展示されており,その長さに10年の重みを感じる
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キャラクターを演じた声優さんや,メディアからの色紙に囲まれるように設置されていたメッセージボード。ボードには10周年のお祝いのコメントが賑わいつつも,たくさんの“ギルドメンバー募集”が記されていたのはMMORPGらしい
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会場の一角には,芸術祭で各賞にノミネートされたスクリーンショットやイラストが展示された。どの作品が対象に選ばれたのかは,記念生放送で確認しよう。その隣にはハサシンやファイター,デッドアイのコスチュームが展示されており,立ち止まって写真を撮る冒険者も多かった
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会場には軽食やドリンクも用意されていた。すべてのメニューに,ゲーム内で見られるようなアイテム説明が添えられていて,効果内容からクールタイムなどが確認できた
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会場の外ではアパレルやアクリルスタンド,キーホルダー,缶バッジなど,多数の黒い砂漠関連アイテムの物販も行われていた。これらのアイテムは先日オープンしたパールアビスストアでも購入できるので,会場に行けなかった人は検討してみよう。なお,一部のアイテムは期間限定販売となるのでお早めに
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物販アイテムでもっともエモいと思ったのが,この10周年記念ビジュアルのメタルキャンバスアートだ。ローンチ時のキービジュアルのレイアウトそのままに,新しいキャラクターを配置しており,当時からプレイしている人にとって,かなり刺さるアートだと思う
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これらのメタルキャンバスアートは,キャラクターやオブジェクトのアウトラインの凹凸が微妙な陰影を醸し出し,普通のイラストとは違う面白さがある
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ゲーム内コンテンツをモチーフにした数々のアクティビティを紹介
イベントは,GMモニクさんとGMラニーさん,CM迷子ペンギンさんによるライブで始まった。
ここで披露された楽曲は,黒い砂漠10周年を記念して韓国で制作された「冒険者へ」だ。今回のイベントのために,GMラニーさんが日本語の訳詞を行っている
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その後,会場で交流できるGMの紹介や,イベントのタイムテーブルなどを紹介してオープニングステージは終了。冒険者たちは依頼遂行のため,会場に散っていった。
会場の7つのアクティビティや,そのほかの依頼など,時間の許す限り体験してきたので,その内容を紹介しておこう。
●[NJ覚醒]修羅の帰還
修羅剣舞を繰り出し,忍者の資質を証明するアクティビティ。天井から落ちてくる変わり身(木の棒のようなもの)を,剣で2つ以上切りつけられれば条件達成となる。変わり身は全部で6体あり,順番に落ちてくる。最初はダメでもチャンスが6回あるので,成功する冒険者は多かった。
剣を振り回すという体験に人気が集まったのか,常に長蛇の列ができており,筆者は体験できなかった。残念。
簡単にクリアできる人がいる一方で,なぜかタイミングがまったく合わずに依頼条件を満たせなかった人もいる。そんな成功と失敗が極端な試練だった
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●[MT覚醒]ミスティック,もう一つの力
依頼のパネルにいろいろと書かれてはいるが,つまりパンチングマシーンで既定のスコアを上回れば依頼達成という,格闘技で戦うミスティックらしい依頼だ。
開始前には,スコア10kg以上の「蒼砕拳」と,スコア30kg以上の「水渦爆閃」のどちらかを選択できる。左右どちらのグローブも用意されていたが,筐体とグローブをつなぐ紐が少し短く,助走をつけられずに苦労している人も多かった。
筆者は,「蒼砕拳」でチャレンジしたが記録は36.7kg。「水渦爆閃」でも達成できていたかもしれない。なお,筐体横に張り出された最高記録は,80kgオーバーというトンデモナイ数字だった。
●ボスたちを圧倒せよ! 黒い祠:in Tokyo
2人一組で行うアクティビティで,黒い砂漠に登場するボスをメンコで討伐する。
冒険者はそれぞれ3枚のメンコを持って,灰色のエリアにいるボスを30秒以内に1体以上をひっくり返す,またはエリア外に弾きだせば条件達成となる。時間内なら何度拾って叩きつけてもいいのでチャンスは多いが,普通のメンコと違って手の平サイズの巨大な特製メンコなので,意外と体力の消耗が激しい。
また,メンコをひっくり返すには強い風圧が必要となるが,この特製のメンコではそれが難しいため,横からボスの下にメンコを潜らせるようにしてエリアから出す戦法が有効となる。最終的に4体のボスをエリアから弾きだす戦果で,無事依頼を達成できた。
●[狩猟]狩猟モンスターを討伐しよう!
おそらく,[NJ覚醒]修羅の帰還と人気を二分したアクティビティだ。いわゆる射的で,火縄銃か狙撃銃のどちらかを使ってモンスターにヒットさせれば条件クリアとなる。
使用できる銃はランダムで決まり,撃てるのはどちらも3発まで。誰もがスコープ付きで,ストックもあり,排莢ギミックもある狙撃銃を使いたいに決まってる! と思ってしまうが……実はこれが罠で,狙撃銃のスコープで照準を定めて撃つと,弾はその遥か下に飛んで行ってしまう。
スタッフから「ちょっと上を狙うといいですよ」というアドバイスはあるものの,そもそもスコープをのぞいて撃つと,冒険者自身は弾道が把握できないので,“ちょっと”がどの程度なのか分からず,当てるのが難しい。実際に,筆者は狙撃銃を使えることになって喜んでいたのだが,この仕様のため,3発撃っても当てられなかった。
悔しかったので再度チャレンジし,今度は火縄銃(射的でよくある銃口にコルクを詰めて撃つ銃)を使ってみると,こちらは照星と照門に合わせて狙えば普通に当たり,簡単にリベンジできた。
●[採鉱]アプアールが盗んだ宝物!
採掘を手伝って,掘り当てた宝石を持ち帰れるアクティビティだ。
冒険者はテーブルに並んでいる岩の詰まったカップを1つ選んで,それをピッケル(串)で砕いて,宝石を掘り当てていく。条件達成は6つ以上の宝石を掘り当てることだが,この岩のカップに入っている宝石は4〜7つ。つまり,選んだカップによって,そもそも条件を達成できないこともある。
岩はそれほど固くなく,発掘自体は難しくないが,6個以上のカップを見分けるすべがないので,クリアできるかは冒険者のカン次第となる。筆者も参加したが,見事に宝石4つのカップを引き当ててしまい,条件未達で終わってしまった。
●[釣り]クリオからの挑戦状!
釣竿を使って,海エリアにあるアイテムを釣り上げるアクティビティだ。
制限時間は20秒で,そのあいだに黄色等級のアイテムを1個釣れば条件達成となる。といっても,どれが黄色等級以上か分からないので,目についたものを釣った人が多かったのではなかろうか。
釣り糸の先には磁石が付いていて,アイテムの金属部分にそれを触れさせれば比較的簡単に釣り上げられる。ただ,釣り糸が揺れていると狙いを定めづらいため,糸を揺らさず竿の操作で金属部分を狙う必要がある。
筆者の場合,その方法でうまく釣れたが,引き上げる際にバレてしまった。しかし,制限時間ギリギリで再度釣り上げることに成功。終了時にアイテムが磁石にくっ付いていれば達成とみなされるので,その点はラッキーだったと言える。
なお,釣りに成功した人はそのアイテムか,別のグッズと交換して持ち帰れた。
このほかにも,29クラスのキャラクターが勢ぞろいしたフォトスポットで撮った写真や,タトゥシールを貼ってSNSに投稿するといった依頼,ほかの冒険者やGMと10枚名刺交換をするといった依頼もあり,遊びと交流の両方が楽しめるイベントだった。
依頼を達成して取引所を訪れると,依頼達成でもらえた分だけサイコロを振って,ゲームにもよく登場するすごろくをプレイできる。このときの進み具合によって,ガチャやクレーンゲームを遊べて,ゲーム内アイテムがもらえるというものだ。
ガチャやクレーンゲームで手に入るゲーム内アイテムは豪華だった印象だ。ただ,クレーンゲームは,球をつかむのに失敗するとアイテムが手に入らないようで,ここでもゲームの腕が問われていた
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会場から配信された「黒い砂漠10周年記念生放送」にチャン・ジェソク氏が登壇
イベント会場から配信された「黒い砂漠10周年記念生放送」では,本作のライブサービス総括 チャン・ジェソク氏がステージに登壇し,荘園のアイテムにラーメン屋台改め「縁灯屋台」の実装が発表された。しかも,それがクーポンでのプレゼントとのことで,会場は冒険者の拍手が鳴り響いた。
ステージでは,10年にわたる黒い砂漠のアップデートの振り返りや,芸術祭の受賞発表,クイズ大会などが行われた。配信の模様は公式チャンネルのアーカイブで見られるので,興味のある読者はチェックしてみよう。
数々のアクティビティが設置されるなど,力が入っていた今回の10周年感謝祭だが,イベント会場でチームを作らなくても,冒険者同士が自然と名刺交換などで積極的に交流していて,黒い砂漠のイベントスタイルが定着していることも実感できた。
現在も毎月のようにアップデートが行われており,いまなお全盛期という印象がある黒い砂漠。今後,ゲームも,そしてファンミーティングもどのような進化,発展を遂げていくのか楽しみだ。
風呂敷包みのお土産の中身は,ステッカーとお守り,升,ぐい呑みグラス。この流れは! と思ったものの,残念ながら(?)日本酒は入っていなかった
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