
批判が殺到し、発売を阻止するためのオンライン署名も立ち上がっていた八代亜紀さんの写真付きCDが、4月21日に予定通り発売されたと報道されている。すでにフリマサイトでは高額転売の動きが見られ、あまりのことにネット上では憤りの声が噴出している。(フリーライター 鎌田和歌)
レコード会社社長は
「写真を買い取った」と説明するが…
何につけても意見が分かれやすいネット世論で、これほど意見が一致するのは珍しいかもしれない。故・八代亜紀さんのCD販売を巡っては、発売予告からしばらくして疑問の声が上がり、状況が明らかになるに連れ非難の声が強まっていたが、4月21日に予告通り発売されてしまってからは「許せない」「犯罪的行為だ」といった声が相次いでいる。なぜこのようなことが起こってしまったのか。
発端は、発売されるCDに、20代の頃の八代さんを私的に撮影したとされるフルヌード写真が付けられる予定とわかったこと。発売元のニューセンチュリーレコード社のHPでは、「お宝」「同棲していたT社のNディレクターによってポラロイドカメラで撮影された」などと説明が付けられていた。
これがネット上で話題となり、4月9日には「八代亜紀さんの尊厳を保護し、リベンジポルノを阻止する」というオンライン署名が始まり、4月22日までに7万8000筆以上が集まっている。ネット上での批判の高まりを受けてか、徐々に週刊誌や大手紙でも報道されるようになった。
ニューセンチュリーレコード社の代表取締役・早川寛氏は朝日新聞の取材に「約25年前、八代さんが所属し、後に倒産したレコード会社の関係者から、一部の楽曲の原盤権や、八代さんの公私の写真などを買い取った」(朝日新聞4月15日記事より引用)と回答しているが、極めてプライベートと思われる写真を原盤権と同様に「買い取る」こと自体に倫理的な問題を感じる。