福岡市の「ふくろう訪問クリニック」院長である上松正和医師(37歳)が、Xにて「重度の障害を持って生まれた子の安楽死が認められる社会である方が良い」と投稿し、広範な議論を巻き起こしています。
上松医師は、障害児を育てる親への負担軽減を目的として安楽死の制度化を提案しています。
彼は「産んだのだから死ぬまで責任を持てよ」と両親に責任を負わせ続ける社会は無慈悲すぎると述べ、両親の人権も尊重されるべきだと主張しました。
2022年の参議院選挙では国民民主党から比例代表で立候補し、「安楽死制度の創設」や「緩和医療の拡充」を掲げましたが、落選しています。
この投稿に対して、SNS上では「障害者に対するヘイトクライムを起こした殺人犯と紙一重」「命を何だと思っているのか」「恐ろしい」などの批判が相次ぎました。
また、「親のため」としながらも生命の選択を両親に強いる点に対する懸念も示されました。
先天性四肢欠損症のある乙武洋匡さんは、「殺されていた、かもしれないのか……」とポストし、涙ながらに自身の思いを語りました。
上松医師は、九州大学医学部を卒業後、東北や東京の医療機関で勤務し、2023年に「つくし訪問クリニック早良」を開院。
2025年5月には医療法人「ふくろうの樹」を設立し、クリニック名を「ふくろう訪問クリニック」に改称しました。
彼の政策には「詐欺医療の撲滅」「デジタル主治医制度の創設」なども含まれていました。
話題のポスト
多くの意見はあるだろうけど、重度の障害を持って生まれた子の安楽死が認められる社会である方が良いと思う。
「産んだのだから死ぬまで責任を持てよ」と両親に責任を負わせ続ける社会は、余りにも当事者達に無慈悲過ぎる。両親が育てるのだと決めたら全力応援するのは前提で。両親の人権も大事。— 上松 正和🎍 (@Uematsu1987) May 10, 2025
その理想に向けて先生方のご尽力もあり現実として前進されたのだと思います。またその理想を持ち続ける事も大事だと思います。ただ、現実の問題として社会の高度化や高齢出産の増加もあり軽度の障害を抱えている家庭ですら放置されて厳しい生活を送るのをよく見ます。福祉の手も予算も足りない状況で、…
— 上松 正和🎍 (@Uematsu1987) May 11, 2025
殺されていた、かもしれないのか……。 https://t.co/AT9cvupgng
— 乙武洋匡 (@h_ototake) May 11, 2025
ちょっと方向性は違いますが安楽死ではなく、施設に預ける権利、ではだめですかねわざわざ命を終わらせる必要はないです人権を大切にするならば、赤ちゃんの生命を保ちつつ、お世話はプロが行う
これでいいではないですか
— ばらんさー (@balancer017771) May 11, 2025
根底にある「理由」を他に準用すれば、「先生のところの患者様に於いても治療したとて再び就労することが困難な人は「安楽死」したら良い」となりますよ。
経済的、労働力的理由により特定の層を淘汰する「命の選別」は「安楽死」ではないですよ。
— 高杉@沼を駆けだすエンジニア (@takasugi_mbsjk) May 12, 2025
朝から涙が出ました。悔しくて。息子も最重度障害児です。喋れませんが、意思疎通はすごくできるようになりました。好きなものも沢山あり、表情も豊か、家族のアイドルです。そんな息子は先生にとって安楽死の対象ですか?その発言こそ今まで慈しみ育ててきた両親の人権侵害とは思われませんでしたか?
— 日々頑張ってるひと (@ClI4DGaCql4EVcy) May 11, 2025
多様性と表現の自由あっていいと思うんだよな
— ©️小鳥図書館 (@cotorisanctuary) May 12, 2025
安楽死制度に関する議論は、世界各国で倫理的・法的な観点から活発に行われています。
オランダやベルギー、スイスなどでは一定の条件下で安楽死が合法化されており、患者の自己決定権を尊重する姿勢が見られます。
一方、日本では安楽死に関する法整備が進んでおらず、医療現場での判断に委ねられているのが現状です。
このような中で、上松医師の発言は、安楽死制度の是非だけでなく、障害者の人権や社会的包摂についての議論を喚起しています。
また、国民民主党の玉木雄一郎代表が尊厳死の法制化を主張したこともあり、党としての姿勢が問われる事態となっています。
社会的包摂と医療倫理の再考を
上松医師の発言は、障害者やその家族、医療従事者、政治家など多くの人々に衝撃を与えました。
彼の意図は、障害児を育てる親の負担軽減や人権尊重にあったとしても、生命の尊厳や障害者の人権を軽視するような表現が批判を招いた要因と考えられます。
この問題は、安楽死制度の是非だけでなく、障害者を含む多様な人々が安心して暮らせる社会の構築や、医療倫理の在り方について再考を促すものです。
今後、社会全体で包摂的な議論を進め、誰もが尊重される社会の実現を目指すことが求められます。
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