🧠 あらすじと概要:
映画『かくかくしかじか』のあらすじ
『かくかくしかじか』は、人間関係や自己表現を通じて成長する若者たちの物語です。主人公は、絵を描くことに情熱を持つ青年で、彼の日常や制作過程を描いた作品です。仲間や家族との葛藤を乗り越えながら、彼は自らの道を見つけ、成長していきます。アートに対する情熱や、その過程の苦しみと喜びが描かれ、観客に深い感動を与えます。
記事の要約
筆者は映画『かくかくしかじか』を鑑賞する前から感動を予感し、映画の中で表現された「描くことの尊さ」に共鳴します。彼自身も「書く」ことに魅了され、文章を書くことで自己表現を行なっています。映画はキャストの演技や「変わらないものの美しさ」を描いており、観る者に創作活動の価値を再認識させます。また、原作漫画も読み直し、心に響く体験としておすすめしています。筆者は、映画から受けたインスピレーションを胸に、今後も「書く」ことを続けていく決意を固めています。
始まる前から、泣いてしまうだろうなと思っていた。
映画『かくかくしかじか』の試写会に参加した人たちの感想をネットで読んでから、公開日をずっと心待ちにしていた。
ようやく映画館に足を運ぶことができ、それだけで胸が熱くなった。
僕は、「書く」という行為に、不器用ながらも魅せられている。
数年前からに文章を書くようになったのは、何かを伝えたいというよりも、自分の中にあふれる思いを記事という形で、順に並べてみたくなったからだ。
いまだに手探りではあるが、今は第一子の成長を記録する手段として、書き続けている。
そんな中、いくつかの記事に思いがけず感想をいただくことがあり、読んでくれる人がいるという驚きと、それが「伝わった」ことへの喜びを感じるようになった。
内容に深みがあるとは言えないかもしれない。まとまった時間を確保できず、言葉を丁寧に選びきれないことも多い。
それでも、文章を通して誰かとつながれたという感覚は、書くことの意味を僕に教えてくれている。
「書く」には材料がいる。
一日の始まりには、何かひとつでも書けそうなことがないかと、無意識のうちに頭の中を探している。日常でふと浮かんだ言葉や気づきは、スマホのメモアプリにたくさん残し、見返せるようにしている。
この姿勢は、漫画『かくかくしかじか』から学んだように思う。
作中には、「描く」ことを生業とする人間が、日々、目の前の題材を必死に探し続けている姿が描かれている。
絵を描く人間はみんないつも自分の「描きたいもの」を探してる大学の友達もそうだった先輩もみんな絵を描く人間にいつもつきまとうこのセリフただ目の前にあるものをただ描くそんな簡単なことが私たちにはできない(中略)
絵はしんどい
東村アキコ著『かくかくしかじか 3』より
絵は、しんどい。描くことは、思っているよりずっと、苦しい。
その言葉が、書くことにもそのまま重なる気がして、頭に残っている。
僕は、書くことで生計を立てているわけではない。だから、書くのをやめようと思えば、いつでもやめられる。
やめたところで、誰にとがめられることもないし、何も変わらない。
事実、書いた文章が何千回も読まれるわけでもない。反応がまったくなかった記事も、ひとつやふたつではない。
書いたことで報酬が発生するわけでもなく、金銭的な意味での「価値」は、限りなくゼロに近い。
もし効率だけで考えるなら、その時間をアルバイトに充てた方が、何千倍も収入になるだろう。
それでも、書いてしまう。それはなぜか。
書くことそのものが、楽しいからだ。
そして、書いているときの僕は、ほんの少しだけ、前に進めている気がする。
たいていは、自分のために書いている。
けれど、ときどきその文章が、誰かの背中をそっと押してくれることがある。そんな瞬間が、心をじんわりと満たしてくれる。
映画のなかで、先生は「描き続ける人」として映されていた。
「先生は、ずっと宮崎で描いている」——たったそれだけの事実が、生徒たちにとっては「描くこと」の尊さそのものを伝えてくれた。
僕の「書く」もまた、誰かの中に、小さくとも何かを残すことがあるなら、それは、続けていく理由として、きっと十分だと思った。
映画の感想としてまず感じたのは、永野芽郁さんや大泉洋さんをはじめ、すべてのキャストの演技が非常に素晴らしかったことだ。
この作品は、確実に自分の心に深く残る一本になると感じている。
作中では「変わらないものの美しさ」に触れる場面があり、それがとても印象に残った。映画の中では物体を通じて表現されていたが、その感覚は絵や文章などの創作にも通じるものだと思った。
変わらないものを通して心を動かされる体験は、まさに創作活動を通して得られる価値なのだとあらためて実感した。
『かくかくしかじか』という作品は、まさにその一つなのだ。
さいごに、映画の公開を前に、原作の漫画を全巻購入し、2日で一気に読み終えた。
あまりに感動したので妻にも勧めたところ、彼女も夢中になり、1日で3巻まで読み進めていた。
映画の鑑賞前後にあわせて、原作を読むこともぜひおすすめしたい。
人生を前向きに生きるためのヒントがたくさん詰まっている。
僕自身も、これから「書くことがしんどい」と感じる時期が長く訪れるかもしれない。
けれど、映画の中に出てきた「描くしかない」「描く人は、描くしかない」という言葉に背中を押されながら、自分も書き続けていきたいと思う。
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