
こちらのエントリは 個人開発で月20万円を目指すための考え方 #初心者 – Qiita に触発されて書かれたものです。なお筆者は個人で作ったサービスを無事収益化できており、法人化しています。
これからの時代、AIでどんどんサービスやアプリを開発できるようになるので、作ったサービスやアプリでお金をもらうこと、しかも多くのエンジニアが憧れる「ストック収入」(労働の対価ではなく毎月チャリンチャリンするやつ)は難易度があがるでしょう。ライバルが爆増するわけですからね。
あなたが思いついたアイデアを、別の人がAIに入力してさっと作っちゃうかも。広告宣伝費をかけてあとからぬかしちゃうかも。そんな時代になってしまいました。
じゃあどうすればいいか。個人開発者はできるだけお金をかけたくありません。売り上げが上がらないうちから広告費に毎月10万円も払いたくありません(これができる人は開発者じゃなくビジネスオーナーを名乗っていい気がします。)一方で、コードを生み出す自分の人件費は原材料が衣食住くらいですので非常に安く維持することができますね。これらの特徴を生かしましょう。
1. 広告しなくても能動的に「検索される」場所を選ぼう
これを僕はプラットフォーム戦略と呼んでいます。首記の記事でもAppStoreにアプリをリリースしていましたが、AppStoreは世界中のみんながアプリを探しに検索する場所ですので、そこで筋トレアプリで20位くらいにはいれば一定のダウンロード数を「無料で」手に入れることができます。Google Playも同じですね。
ほかにもプラットフォームはいろいろありますが、ネイティブアプリじゃなくてもWebでも「プラグイン」という市場があります。Wordpressで○○ができるプラグイン、Shopifyで○○ができるプラグイン。これらは、WordpressユーザーやShopifyユーザーが常にニーズを持って探しに来ますので、広告宣伝しなくてもそこに掲載申請するだけで一定のユーザーを獲得できます。エンタープライズだとSalesforce対応やAtlassian製品のプラグインも強いですね。
2. 低コストで生き延びれることを生かして3年運営してみよう
もう一つの個人開発の強みは、続けるコストが安いことです。企業だと10人のチームを維持するのに年間1億円以上コストがかかります。ということは売り上げで1億円以上儲からないと撤退してしまうわけです。個人開発者なら、生活コストを切り詰めたり、そもそも本業の隙間時間でやれば維持費はかなり抑えることができます。
Paul Grahamもこういってます(知らんけど)
集客コストをなぜかけるかというと「短い期間で」知名度を獲得したりしたいからです。コストをかけなくても、SNSでフォロワーを増やしたり、関連する課題をつぶやいているユーザにこういうサービスどうですか?と紹介する程度の活動を3年続けるだけで「あなたのサービスを見かけたことがある」ユーザ数は自然増加していきます。
ブログを書いたり、プレスリリースを安いサービスで3か月に一度新機能のお知らせを打つとかでもいいですね。決して3年間アップデートもせずほったらかせという意味ではありません。月に1回、2月に1回でもいいのでユーザーの声を聴き、マニュアルを整備したり使い勝手を上げていけば大丈夫です。毎月数百万以上の支出がある企業にはできない戦い方です。
私が運営するサービスも、広告費は年間数万円以下なんですが、4年たったいまでは毎日数十人の無料サインアップがあり、企業利用も勝手に紹介が紹介を呼んで使っていただいています。特にツールなんかは「利用者数がいる」「あの人あの企業も使ってる」みたいなのが利用する動機になったりしますからね。
- AIのせいで作るハードルが下がり「知ってもらう」「使ってもらう」「お金を払ってもらう」ハードルは反比例して上がっていく
- 作るほうはプロでも、これらのマーケティング活動は素人な場合がほとんど
- 集客コストが低いプラットフォームに身を置き、長期間低コスト運営がおすすめ
というまとめなのですが、ここで一つ問題があるとすると「3年間も心が持たない」という問題です。なので、いくつかサービスを作って反応がよかったものだけ続けたり、自分がユーザーとしてうれしくなるものを作ったりして、儲からなくてもせめてユーザーから反応があれば続けられる、ようなものを題材に選ぶといいでしょう。
おまけですが、個人的に広告モデルはモバイルアプリ以外厳しいんじゃないかと思います。年間100万円を売り上げよう、と思ったときに買い切りでもサブスクでもいいのですが、
- 100万円 × 1人(1社)に払ってもらう…は労働収入なので除外
- 10万円買い切りを月に1人(1社)or 月額9万円を1人(社)
- 1万円を100人 or 月額9000円を10人
- 1000円買い切りを1000人 or 月900円を100人
- 100円買い切りを1万人 or 月90円を1000人
- 10円のリワード広告を10万回
- 1円のクリック広告を100万回
みたいな構成があるわけです。「知ってもらう」「使ってもらう」のハードルが上がる時代においては、意外と1万円買い切りを100人か、1000円買い切りを1000人、くらいが個人にとって一番ハードルが低い可能性はありますね。
それではみなさん、よき個人開発ライフを!
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