昨年から、GoogleメッセージでRCSを使い始めている。24年5月にKDDIがプリインストールする方針を表明したのを機に、拡大を見込んで利用を開始した。GoogleメッセージのRCSは、制御をグーグル側が行っている。そのため、キャリアからの正式なアナウンスはないが、ドコモやソフトバンク、楽天モバイルのユーザーでもアプリをインストールし、標準のSMSに設定すればRCSを有効化できる。

筆者のGalaxy Z Fold6は、SMSアプリをGoogleメッセージに設定し、RCSを使っている

 4月に「iOS 18.4」が登場し、KDDIがauやUQ mobileなどでiOSのRCSに対応したため、GoogleメッセージとiOSのメッセージで相互にRCSのやり取りが可能になる。申し込みや設定も必要、かつ現時点ではiOSに対応しているのがKDDIのみのため、ユーザーは徐々に増えていくとみられる。

KDDIは、iOSのRCSにも対応した。ただし、利用するには申し込みが必要になる

 ただ、やり取りの相手となるGoogleメッセージ側もユーザー数が増えなければあまり意味がない。ドコモやソフトバンクのAndroidスマホにはアプリがプリインストールされていないため、気づいていないユーザーも多いだろう。自社ユーザーの利便性を向上させるという意味でも、KDDIやグーグルは、他社ユーザーにもGoogleメッセージのRCSを有効にするよう、アナウンスした方がいいような気がした。

 ちなみに、同じRCSを使う「+メッセージ」や「Rakuten Link」とGoogleメッセージは、一応併用することもできる。Androidで標準のSMSアプリに設定できるアプリは1つだけだが、+メッセージやRakuten LinkはSMSアプリになっていなくても、RCSでのメッセージは利用可能。SMSとRCSをGoogleメッセージで、+メッセージやRakuten Linkに閉じたRCSはそれぞれのアプリというように使い分けることができる。

Googleメッセージと+メッセージは、前者を優先すれば併用も可能。2つのRCSを使い分ける形になる

 筆者も、SMSとRCSはGoogleメッセージで利用しつつ、+メッセージは+メッセージのRCSでやり取りするアプリとして活用中。子どものキッズケータイのメッセージアプリが+メッセージ、かつ+メッセージでやり取りしていたユーザーもいるため、どちらか一方に集約するのは難しい。RCSアプリが分断されてしまい、何とも複雑な状況は何とかしてほしいところだが、今のところはこの設定がベストな気がしている。

 ところが、先月、これまで使えていたGoogleメッセージのRCSが突如無効になってしまった。この状態だと、SMSやMMSしか送信することができない。X(旧Twitter)を検索してみたところ、同じような症状に悩まされているユーザーはほかにもいた。Googleメッセージをアップデートしたタイミングで、何らかの不具合が生じてしまったようだ。

 解決策としては、Googleメッセージのアップデートを無効化し、過去の状態に戻す方法がある。ただし、これが簡単にできるのは同アプリがプリインストールされている端末だけ。筆者が使っているドコモ版の「Galaxy Z Fold6」は、あとからGoogleメッセージをインストールしたため、Playストアからだと削除しかできない。そのため、あの手この手で過去バージョンのGoogleメッセージのパッケージを探して直接インストールした。

Googleメッセージがプリインストールされていない端末だと、削除か最新版のインストールしかできないので注意が必要だ

 ただ、この状態でもドコモ回線側がRCSに登録されなかった。Galaxy Z Fold6のドコモ回線はeSIMにしているため、簡単には抜き差しできない。そこで、AndroidのeSIM転送機能を使っていったん「Pixel 9」にドコモ回線を移してみたところ、そちらでは難なくRCSがアクティベートされ、利用することができた。そのままもう一度eSIM転送でGalaxy Z Fold6に回線を戻したところ、ようやくドコモ回線が認証され、RCSを使えるようになった。

ドコモはGalaxyとPixelのeSIM転送に対応している。これで回線を移して戻したところ、ようやく再びRCSを利用できるようになった

 おそらくグーグル側の不具合だと思われるが、調べてみても、解決策はおろか、問題が発生していることすらアナウンスされていない。RCSはSMSの延長線上にあるサービスということでインフラに近い位置づけのため、積極的に推すのであれば、アフターサポートももっとちゃんとやるべきだと感じた。正直、上記のような解決方法は、一般ユーザーにとってハードルが高すぎる。

 とは言え、正常に動けばGoogleメッセージのRCSは便利。デュアルSIMに対応しているため、どちらの回線でもRCSを送受信できるし、Geminiとの会話も可能。「デバイスのペア設定」を有効にすると、PCのブラウザからも送受信ができるため、仕事中にSMSやRCSが届いてもわざわざスマホを手に取る必要がない。これらは+メッセージにはなかった利便性だ。RCS対応は今のところKDDIだけが前のめりのように見えるが、選択肢があるのは重要。他社の追随も期待したい。

PC版のGoogleメッセージ。「デバイスのペア設定」をすると、PCでSMS/RCSの送受信が可能になる



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