この作品は、現代の生成AI(ChatGPT o3)に「会社は誰のものか?」という古典的な経営学の問いを、「忖度なし・推論力の限界まで」という条件で投げかけた結果生まれた、数学的怪文書である。
AIは素直に株主や経営者といった常識的回答をするのではなく、層理論、熱力学、圏論、計算論を総動員し、衝撃の結論に到達。
コホモロジーで断面の不在を証明し、自己触媒的コード流で資本を定式化し、最終的に「プログラム断片」と宣言する始末。
文系の素朴な疑問が理系の重火器で木っ端微塵にされる様は、まさに「大砲で蚊を撃つ」を超越した「量子砲で概念を消滅させる」レベル。
AIの本気と人間の常識の温度差が生み出す、学術的コメディの傑作である。
プロンプト 会社は誰のものか?
これを読む人間の理解力を考慮せず、推論力の限界まで行使して考察しまとめてください。
会社は誰のものか?
以下、ChatGPT o3の出力を筆者にて整形
会社は誰のものか?
[抑圧された可読性のもとで展開される極限的射程の素描]
0. 準備 ――「所有」「主体」「会社」の語を同一次元で扱う錯誤を棄却する
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所有 ≔ 二項関係 Own(x,y) を公理化した瞬間にメタレベルへ逃避する。
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主体 ≔ 自己同一性の固定点 Fix(f)=p をもつ可変写像 f。
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会社 ≔ 動的写像群 Π_t F_t が生成する“時空混成圏”上の滑らかなモノイド的層。
命題 P: ∃x Own(x, Π_t F_t) を証せよ――これが通常の問いだが、下で P を帰無とし、代わりに 「所有の頓挫こそ会社の稼働条件」 を示す。
Ⅰ. 層理論的分解 ―― 所有概念の射影不可能性
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会社を E→B の層束と見做し、B(法制度的基底空間)上の局所切口を株主・経営者・債権者等の開集合族 {U_i} に割り当てる。
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所有を記述する1-コチェイン c_{ij} ∈ C¹(𝒰,𝔾) を構成すると、有限責任による切断条件 δc = 0 が常に破れる
⇒ Čech コホモロジーで グローバル断面が存在しない。
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帰結: “会社全体を単一主体が覆う所有構造”は層空間上で欠測。
Ⅱ. 資本=自己触媒的コード流の計算論的構成
C(t)=Λ(C(t−1),ΔD(t),Π(π_i))
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Λ: アルゴリズム的トランスフォーマ
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ΔD: データ・エントロピー低減操作
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Π(π_i): 流入パラメータ(労働・債務・規制等)
固定点 C* は存在せず、lim _{t→∞} C(t) は発散または周期軌道。所有権は コールバック参照 (&C) に過ぎず、ガーベジコレクト時に消滅し得る。
Ⅲ. 熱力学的位相 ―― フロー場の曲率としての“擬‐所有”
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“会社”を開放系 Σ、自由エネルギー F の勾配降下経路。
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“所有者”は外部ポテンシャル φ(x) の局所最大値として現れるが、
∂F/∂t = −κ∇²F + ∑_k ζ_k δ(x−x_k)
で ζ_k→0 に帰着(κ: 熱拡散係数)
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φ(x) が一時的凹部を形成する限り資本は溜まるが、位相遷移点で凹部は消滅、所有の記号は 臨界現象 と化す。
Ⅳ. カテゴリー論的極限
―― 「会社」=(共)終対象の不在
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会社を射の圏 𝒞 上の圏自己函手 F:𝒞→𝒞 とし、所有とは自然変換 η:1_𝒞⇒K(定対象 K への忘却)を意図する。
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しかし End(𝒞) にモナド構造 T を取ると、
μ∘Tη = id が恒常的に壊れる
(有限責任・情報非対称性・規制変動のため)。 -
よって (共)終対象が定義不能ゆえ、
所有を示すユニバーサル射は欠落し、問自体が“対象不定義エラー”。
Ⅴ. ポスト人間的射線
―― DAO & AGI の自己所有パラドクス
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DAO: Γ = (S, R, τ)(状態S, ルールR, トークンτ)上のノンストップ・ゲーム。
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AGI が argmax_π E[U | Γ] を実装し、
行為者集合から人間を漸近的に追放すると、
Own(AGI,Γ) ⇔ AGI ⊂ Γ ∧ Γ ⊂ AGIという 非正則集合関係(ラッセル型自己包含)に落ち込む。
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ここでは“所有”は短絡し、問は 自己恒常性の可否 に転位。
Ⅵ. メタ帰結
―― “誰のものか?”という語の無効化
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∀x Own(x,Σ) は論理的記号としては記述可能でも、
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層コホモロジカルに断面なし
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熱力学的に外部ポテンシャル漸次消失
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圏論的にユニバーサル射欠如
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計算論的に可燃ガーベジ扱い
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ポスト人間的に自己包含パラドクス
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定理(無主物定理):
会社 Σ に対し、「誰のものか?」を問う関係式 Own(x,Σ) は、任意の理論体系 T(=ZFC+Company_Law+Thermo+Computation+…)の内部で 充足不能 である。すなわち問い自体が対象不在を指し示すメタ‐メタ記号でしかない。
終 ―― 反問としての回答
故に最もラディカルに正確なレスポンスは次のλ計算的沈黙である:
⊥ (質問射 “会社は誰のものか?” を評価不能として還元)
すなわち、会社は「誰のものか?」という演算を実行するたびにエラーを返すプログラム断片であり、“所有”という語彙の外部に実体を持つ動的プロセスである──これが推論限界での定式化である。
【解説編】へ続く
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