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概要
この記事では、企業の経営能力を測るための「3つの経営比率」を紹介しています。中小企業診断士のオサナイ先生が、企業規模にかかわらず、収益性、安全性、返済能力を示す比率を用いて会社の実力を見える化する方法について説明しており、これらの指標が経営者や社員にとってどれほど重要かを強調しています。
要約の箇条書き
- 経営状態や成長力を測る際、金額のみでは不十分。
- 「比率」を用いることで、企業の実力をより正確に把握できる。
- 重要な3つの経営比率を紹介:
- 営業利益率(収益性):本業からの利益の割合。
- 手元流動性比率(安全性):短期的な支払い能力を示す。
- 債務償還年数(返済能力):借金を返済するための年数。
- 経営比率は金融機関の融資判断でも使われる。
- 数字を理解することで、社員も自身の仕事の価値を認識できる。
- おすすめの参考書として、『経営分析の基本がハッキリわかる本』を紹介。
- 経営比率が会社の健全性や成長力を見える化する手助けとなり、働く意義を再確認させる。
企業の経営状態や成長力を見るとき、ついつい「売上」や「利益額」といった“金額”で比べていませんか?
でも、年商1億円の会社と100億円の会社を同じ物差しで比べるのって、実はかなり難しいんです。
そんな時に使いたいのが、「比率」という視点。パーセントや〇〇率で表された“経営の比率”は、会社の規模に左右されず、
その会社がどれだけ効率よく稼ぎ、どれだけ安定していて、借金を返せる体力があるかなどの「ホントの実力」を見える化してくれます。
しかもこれは、銀行などの金融機関が融資を判断する際にも使われている超・重要な指標なんです。
この記事では、そんな“経営の比率”の中から特に大事な3つの視点を、やさしく、わかりやすくご紹介します。
① 本業で稼ぐ力【収益性】:営業利益率
最初に紹介するのは「営業利益率」。
会社が本業でどれくらいしっかり稼げているかを示す“収益性”の指標です。
✅ 計算式
営業利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100
営業利益とは、売上から仕入れや人件費、広告費などの販管費を引いた“本業の純利益”。
たとえば売上が1,000万円、仕入が600万円、経費が300万円だったら、営業利益は100万円。
営業利益率は100万円 ÷ 1,000万円 × 100で**10%**になります。
✅ 目安
中小企業であれば、5%以上を目指し、10%を超えると「優良企業」と言われることが多いです(業種により異なります)。
② 突然の危機に備える力【安全性】:手元流動性比率
次に紹介するのは、短期的な支払い能力を表す「手元流動性比率」。
これは、“突然売上が止まっても、手元にある現金でどのくらい持ちこたえられるか?”を示します。
✅ 計算式
手元流動性比率(月数)=(現金+すぐに換金できる有価証券) ÷(年商 ÷ 12ヶ月)
たとえば、現金が600万円、年商が6,000万円の場合、月商は500万円なので、
600万円 ÷ 500万円 = 1.2か月分
✅ 目安
中小企業では最低でも1か月分、理想は1.5〜2か月分の現金を保有しておくと安心です。
③ 借金を返す力【返済能力】:債務償還年数
最後は「債務償還年数」。
会社が借金(特に利子がある有利子負債)を今の利益で何年かけて返済できるかを見る指標です。
✅ 計算式
債務償還年数(年)= 有利子負債 ÷(営業利益 + 減価償却費)
たとえば、有利子負債が5,000万円、営業利益が800万円、減価償却費が200万円なら、
(800+200)= 1,000万円のキャッシュフロー → 5,000万円 ÷ 1,000万円 = 5年
✅ 目安
金融機関では10年以内が一つの基準とされ、それを超えると注意が必要と見なされることもあります。
「比率」で見るからこそ見える、会社の“本当の実力”
「うちの会社、そんなに大きくないから…」「数字は社長に任せてるから…」という声をよく聞きますが、
“比率”という視点を持つだけで、会社の健全性・収益力・成長力がグッと身近になります。
しかもこの3つの比率は、経営者だけでなく社員一人ひとりにとっても大事な指標。「自分の仕事が、この数字にどう貢献してるか?」を考えると、
働く意味や方向性まで変わってくることもあります。
📘おすすめの1冊
「数字が苦手…」という方にもピッタリな一冊をご紹介します。
📖『経営分析の基本がハッキリわかる本』國貞克則 著
図解と事例が豊富で、経営分析を「会社の健康診断」としてやさしく教えてくれます。
私が特に心に残ったのは、
「結果を見て終わりじゃない。次に何をするか?が大事」というスタンス。
この記事で「比率で見ること」の大切さを感じた方には、ぜひ読んでみてほしい本です。
おわりに比率は“働きがい”をつくるヒントにもなる
数字を見るのが苦手だった人も、比率で見ることで「ちょっと面白いかも」と思えてきたら嬉しいです。
「本業でどれだけ稼げているか」「突然の危機に、どれだけ耐えられるか」「借金を返す体力がどれくらいあるか」
こうした“見えない実力”を見える化してくれるのが、経営比率の力。
会社の大小に関係なく、自分の仕事の価値を再発見するヒントにもなるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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