


燃え尽き症候群の原因は仕事だけではないことが明らかに
ニュース記事公開日:2025年07月05日 09:00
近年、燃え尽き症候群(Burnout)は仕事に関するストレスから生じると広く考えられていますが、ノルウェー科学技術大学の研究によると、その多くの原因は仕事に限ったものではないことが明らかになりました。
燃え尽き症候群は慢性的なストレスや徒労感によって精神的に消耗し、意欲を失う状態を指します。一般的には過重労働や高いプレッシャーが原因とされていますが、研究では、調査対象となったノルウェー人の労働者813人のうち、わずか27.7%がその原因を仕事に帰属させていました。
研究の詳細
この調査によると、70.5%の被験者は燃え尽き症候群の原因として仕事ではない他の要因を挙げており、例えば睡眠障害や家庭内の問題がそれに含まれます。
他の研究でも同様の結果が示されており、アメリカでは64%の参加者が燃え尽き症候群の原因が仕事に限られないと回答しました。大規模なメタアナリシスでは、仕事と燃え尽き症候群の関連性が以前考えられていたよりも弱いことが明らかにされています。
今後の研究の重要性
研究の筆頭著者であるレンゾ・ビアンキ准教授は、性格や生活環境が燃え尽き症候群にどのように影響を与えるのか、さらに研究する必要があると述べています。
労働者の中には、仕事以外のストレスによってエネルギーを消耗している人も多く、その理解が進むことで、より良い解決策が見出されることが期待されます。
ビアンキ氏は、「不安を感じやすい性格の人には、職場以外の問題がエネルギーを消耗させることがあります」とコメントし、個々の状況に応じた対策が必要だと強調しています。
まとめ
この研究により、燃え尽き症候群の理解を深め、適切な予防策を講じるためには、仕事以外の要因にも目を向ける必要があることが示されました。こうした洞察は、将来的な職場改善やメンタルヘルスケアに役立つでしょう。
🧠 編集部より:
燃え尽き症候群とは?
「燃え尽き症候群」とは、慢性的なストレスや徒労感により精神的に消耗し、無気力や疲労感を伴う状態を指します。一般的には仕事による負担が原因と思われがちですが、最近の研究ではその考えに疑問が呈されています。実際、多くの人が燃え尽き症候群の原因を仕事以外の要因に求めていることが示されています。
最近の研究の結果
ノルウェー科学技術大学の研究によると、燃え尽き症候群を感じる労働者のうち、わずか27.7%がその原因を仕事に関連付けていることが明らかになりました。残りの大多数の人々は、家庭や健康問題、自己管理能力といった他の要因が影響していると認識しています。これにより、燃え尽き症候群の理解や対策を見直す必要があるかもしれません。
背景知識
燃え尽き症候群という言葉は、1970年代にアメリカの心理学者ハーバート・フロイデンバーガーによって提唱されました。当初はサービス業の従事者をターゲットにしたものでしたが、今やそれは様々な業種に広がっています。WHOも燃え尽き症候群を職業的な現象として捉えていますが、最近のデータは必ずしもこの見解を支持しません。
参考リンク
まとめ
燃え尽き症候群は必ずしも仕事だけの問題ではないというのは、今後の研究や対策に重要な示唆を与えます。ストレス管理や自己ケアの方法を見つけることが、心身の健康を保つ鍵になるでしょう。もしあなたや周りの人が燃え尽き症候群の兆候を示している場合、早めの相談や対策をお勧めします。
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キーワード: 燃え尽き症候群
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