誰もが当たり前のように使うSNS。だからこそ、自分でも気が付かないうちに、SNSで周囲の人を困らせたり怒らせたりしていることも。
「褒めたつもりが、相手の気分を害してしまった…」「笑顔スタンプを送ったのに、嫌みと受け取られた…」「自分の投稿に、なぜか反応をもらえない…」「友達申請をしたら、関係が悪化した…」「良かれと思った投稿で、なぜか炎上してしまった…」
こうしたことにはすべて理由があります。そのためにもSNSという「問題」の公式を知り、きちんと使いこなすことが不可欠です。テレビ、ネットでの解説で大人気の著者が、確実に仕事でもプライベートでも役立つSNSの使い方をお伝えします。
『若者はLINEに「。」をつけない 大人のためのSNS講義』連載第7回
『上司からの「フォロー申請」が部下にとっては不快に…SNSへの認識に潜む“大人世代”と“若者世代”の決定的な違い』より続く。
人を不快にさせる言葉
ネット上で非難や批判が殺到する状態、つまり炎上はなぜ起きるのでしょうか。
一般的に炎上は、不適切なことを投稿した時に起きるとされます。すなわち、以下のようなことを投稿した時です。
○違法行為、犯罪行為
○他人が不快に思うこと、意見が分かれること
○差別、誹謗中傷、マナー違反行為
しかし、それでだけではありません。
たとえば2022年に炎上した「生娘シャブ漬け戦略」は、吉野家の常務が早稲田大学の社会人向けマーケティング講座に講師として登壇した際に発言されたものです。地方から都会に出てきた若い女性が、男性から高い食事を奢ってもらうようになる前に牛丼中毒にし、リピート客になってもらうという趣旨の発言だったようです。
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正確にはネットで発言されたものではありませんが、受講生が不快に感じたからこそ、炎上につながったと考えられます。
若い女性は男性に奢ってもらうものという構図、不快な言葉を発言してしまう言葉選びのセンス、地方をバカにしたような発言、いろいろと問題が多く、炎上もやむなしだったでしょう。
炎上パターンは主に4つ
実は、最近の炎上には一定の傾向があります。特に多いのが、ジェンダー関連と差別系です。ジェンダー関連は、以下のようなものがすべて含まれます。
(A)女性を性的に消費しているように見える
露出度の高い女性が登場するCMなど
(B)性の役割を固定化する
女性のみ家事・育児をしていたり、男性は仕事をがんばり家事はやらないなど、男性都合の感覚を前提に物事を描いているもの
(C)女性を見た目や年齢で差別する
「女性はかわいく若く美しくあるべき」などのメッセージを含んでいるもの
(D)LGBTQ+の差別
近年は、パナソニックに西島秀俊さん、アイリスオーヤマに吉沢亮さん、花王アタックZEROに松坂桃李さん、菅田将暉さん、賀来賢人さん、間宮祥太朗さん、杉野遥亮さん、P&Gアリエールに生田斗真さんなど、家電や洗剤などのCMには男性タレントが起用されることが多くなっています。
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男性へのアピール、起用タレントのファンへのアピールの意味はもちろんあるでしょうが、その割にはあまりに多すぎます。企業側が「家事は女性がすべき」と主張していると誤解を受けないよう、牽制の意味が込められているというのは考えすぎでしょうか。
最近は、女性差別、LGBTQ+差別、国籍・人種差別、職業差別など、差別全体が嫌われるようになっています。差別意識が見えると、途端に風当たりが強くなるのです。
そして前述の炎上は、これがほとんど該当してしまっています。今の時代の空気を読んでいれば、とても言えない発言なのです。炎上するのも仕方がない発言内容だったというわけです。
『「私作る人、僕食べる人」50年前のCM炎上から始まった日本のジェンダー論…SNSでのその発信、本当に大丈夫?』へ続く。
🧠 編集部の感想:
このニュースは、SNS時代における言葉の扱いの難しさを浮き彫りにしています。特に「生娘シャブ漬け戦略」の発言は、時代錯誤であり多くの人を不快にさせました。このような炎上から学び、自分の言葉に責任を持つ重要性を再認識させられます。
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