電気自動車(EV)用バッテリーで世界をリードする中国の寧徳時代新能源科技(CATL)が20日に香港市場に株式上場し、公開価格を上回る水準で取引が始まった。
CATLは米国防総省の監視リストに追加され、地政学的リスクに見舞われながらも、357億香港ドル(約6600億円)を調達した。世界で今年最大の上場案件となった。
CATLの株価は一時18%高。通常、中国企業の香港上場株は本土株よりも割安で取引されることが多いが、同社株はこの日、深圳市場で下落する中、香港での株価が本土の株価を上回った。
香港上場の式典で銅鑼(どら)を打ち鳴らすCATL会長
Photographer: Paul Yeung/Bloomberg
投資家にはEV技術の最前線に立つ優良株に投資できるという魅力は、米中関係の緊張に巻き込まれるリスクに勝ったようだ。CATLがオーバーアロットメントのオプションを行使すれば調達額は最大53億ドルに達する可能性がある。同社の株式公開の成功は他社の上場を後押しする可能性もある。
イースト・キャピタル・グループのパートナー、カリーヌ・ハーン氏は「CATLはエネルギー転換を支える真のチャンピオンであり、中国が世界のグリーンリーダーとして成功している象徴だ」と述べた。
ジェフリーズ中国工業セクター調査責任者、ジョンソン・ワン氏(香港在勤)は、CATLの香港上場株は、現在の株価収益倍率(PER)が約17倍で評価されており、堅調な業績と魅力的なバリュエーションを背景に50%の上昇余地があると分析。「考えるまでもなく買いだ」と述べた。
CATLはテスラやフォルクスワーゲン、フォード・モーター、メルセデス・ベンツなど、世界の大手自動車メーカーにバッテリーを供給している。SNEリサーチによれば、EV用バッテリー市場におけるCATLのシェアは約38%で、業界2位でEV大手の比亜迪(BYD)の17%を大きく上回っている。
原題:CATL Rises in HK Debut After World’s Top Listing This Year (1) (抜粋)
(見出しなどの「株式公開」を「上場」に訂正します)
🧠 編集部の感想:
中国のCATLが香港に上場し、公開価格を上回る取引がスタートしたのは注目に値します。地政学的リスクにも関わらず、EV市場でのリーダーシップが investorsの信頼を勝ち取った結果でしょう。今後他の企業への影響も期待される中、CATLの成功は新たな成長の可能性を示唆しています。
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