「有名ブランドの製品を生産地から直接購入できる」として、定価165ドル(約2万3000円)のサンダルが10ドル(約1400円)で買えるなどと主張する怪しい映像がTikTokを中心に出回っています。映像はトランプ関税や不安定な政治で不安になっているアメリカの消費者を感情的に揺さぶるように作られているものだとのことです。

On TikTok, Chinese factories are trolling anxious American shoppers | The Verge
https://www.theverge.com/tech/649049/tiktok-chinese-factories-tariffs-birkenstock-hermes

以下は、その怪しい映像の一例として挙げられたものです。倉庫内にいる男性が7色あるサンダルをいずれも10ドルと紹介し、「もし購入したい場合はご連絡ください」と呼びかけています。ただし、コミュニティノートでも指摘されている通り、男性が見せたのは「ビルケンシュトック」のものに似たサンダルですが、ビルケンシュトックはドイツ国内の自社工場で製造しているため、定価よりもはるかに安い価格でメーカー以外から入手することはまず不可能です。


当該動画のオリジナル版はTikTokに投稿されたもので、すでに削除されていますが600万回再生されたとのこと。

このような動画が出回り、数多く再生された理由の1つは「トランプ関税」です。アメリカで関税の仕組みを詳しく理解していたという人がどれぐらいいたかはわかりませんが、トランプ大統領が中国に対して非常に厳しい関税をかけたことで、自分たちが買うものに大きな影響が出るということにはイヤでも気付かされることになります。

たとえば、IT周辺機器メーカーのAnkerは中国のメーカーなので、トランプ関税の発動を受けて、アメリカでの販売価格を平均18%値上げしました。

トランプ政権が中国に高額な関税を課したせいで中国企業のAnkerがアメリカのAmazonで販売する製品を平均18%値上げ – GIGAZINE


また、プチプラショッピングサイトであるTemuとSHEINも値上げしています。

トランプ関税のせいでTemuとSHEINが値上げ、そして業者から直接購入できる中国のショッピングアプリ「DHgate」と「Taobao」のユーザー数が爆増中 – GIGAZINE


中国メーカーやサプライヤーからは「高級ファッションブランドの製品は中国の工場で作られている」ということを啓発するための動画が公開される事態にもなっていますが、今回指摘されている動画に出てくるアイテムは細部が本物とは異なるため、啓発目的ではなく、不安につけ込んでニセモノを売りつけようとする目的だとみられます。

ニュースサイト・The Vergeの取材に対して、ビルケンシュトックの広報を担当するヨッヘン・グッツィー氏は「ビルケンシュトック製品は100%、厳格な品質管理と安全基準のもと、主にドイツを中心としたEU圏内で設計・生産されています」と述べ、卸売業者や第三者の工場を通じての販売はないと言及。当該動画についても、サプライヤーの倉庫で撮られたものではないと否定しました。

TikTokはコメント要請に応じなかったとのことです。

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