中国共産党の最高指導部は25日、国外要因のショックが強まると想定し「緊急対策を完全に準備」する方針を示した。世界２位の経済大国とトランプ米政権との貿易戦争が激化している。
習近平総書記（国家主席）率いる党中央政治局は、テクノロジーと消費、貿易の促進を目的とした新たな金融政策手段や政策金融のツールを導入すると表明した。国営新華社通信が報じた。
政治局の会議後に発表された声明によると、党最高指導部は「雇用と経済を安定させる政策手段を引き続き改善し、すでに計画されている対策を前倒しで実施しなければならない」との認識を示し、「経済発展と社会安定の基盤固めに全力を尽くす」と誓った。
政治局はまた、必要に応じて市中銀行向けに流動性をさらに供給するとし、利下げの「タイミングを慎重に見極める」と確認。 最悪の事態を見越した対応を強化し、「経済運営を円滑に進めるため緊急対策を完全に準備する必要がある」と強調した。経済の回復を持続させるためには、追加対策が必要だとも指摘した。
この発表を受け、中国30年国債先物は９日以来の大きな値上がりとなった。10年国債利回りはほぼ変わらず。オフショア人民元も横ばい。中国本土株市場では、ＣＳＩ300指数が一時0.5％上げたが、終値は0.1％高にとどまった。
オーストラリア・ニュージーランド銀行（ＡＮＺ）の中国担当シニアストラテジスト、邢兆鵬氏は「刺激策への期待はまだ生きている。新たに追加政策と積極的なカウンターシクリカル（逆周期）型の調整強化が示された」としつつも、「指導部は明確に様子見のアプローチを取っている」との見方を示した。
今回の政治局会議では、以下のような施策も打ち出された。
24人から成る政治局は一般的に４月の会議で経済問題を協議する。こうした会議後に出される声明に数値目標が盛り込まれることはほとんどないが、曖昧ながらも重要な政策転換の兆しを読み取る手がかりとなる。今月の会議は、政府が景気刺激策を打ち出す兆候が見られるかどうかを見極める上で、特に注目されていた。
原題：China Vows to Ready Emergency Plan, Policy Tools Amid Trade War（抜粋）
Be the first to comment
