記事は、台湾の経済系メディア・財訊集団の謝金河(シエ・ジンハー)董事長が日本の長期金利上昇に着目し、30年債利回りが2.975%と2000年以来の高値を更新し、10年債利回りも1.471%に上昇したことについて「長期的な低金利、さらにはマイナス金利時代に陥っていた日本にとっては大きな転換だ」と評した上で「日本はおそらくデフレのバトンを中国に渡す準備をしている」との見方を示したことを伝えた。
謝氏は、中国人民銀行が近ごろ関税戦争に対応するため、預金準備率の引き下げや複数回の利下げ・預金準備率引き下げなどの金融緩和政策を続けていることを指摘。これらの政策が「日本のバブル経済後の金融手段と全く同じである」とし、当時の日本経済と現在の中国経済が似た状況にあると論じた。
また、中国が「日本式デフレ」に陥る可能性を示す最も重要なシグナルとして、日本の長期金利が中国の長期金利を上回る「金利の逆転現象」が起き始めていることに言及。現在両国の金利差が縮まりつつある10年債の利回りで日本が中国を上回るような事態になれば、中国がデフレリスクの領域に足を踏み入れていることの表れだとの見解を示している。さらに、香港でも負債問題が悪化しつつあり、中国本土同様にデフレや経済衰退のリスクが生まれつつあるとした。
謝氏は、米中間が関税交渉で合意に至ったものの、中国経済の根本的な圧力は徐々に顕在化していく見込みであり、今後の市場動向を注意深く見守る必要があると述べた。(編集・翻訳/川尻)
編集部の感想:
中国経済が日本式デフレに陥る可能性についての指摘は興味深いです。過去の日本の経済状況と比較すると、同じ道をたどる恐れがあることに注意が必要です。また、金利の逆転現象が示すように、金融政策の変化がどのように影響を及ぼすか、今後の動向を注視していく必要があります。
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