インドとパキスタンの最近の激しい軍事衝突は世界を驚かせたが、投資家らは別の側面に注目した。最先端の軍事技術が実地で示された点だ。
過去1カ月で、パキスタンの重要な軍事パートナーである中国とインドの主要防衛株を追跡する2つの指数の時価総額が合計で360億ドル(約5兆1300億円)余り増加。長らく注目されてこなかったセクターが脚光を浴びることとなった。
中国とインドは共に軍の近代化に多額の投資を行ってきたが、今回の衝突は両国の実戦能力を投資家に垣間見せる珍しい機会となった。
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トランプ米大統領が安全保障同盟の枠組みを揺るがしたことで、世界的に軍需産業への関心が再燃。一部の資産運用会社は、中国とインドの防衛株に対する関心の高まりについて、ドローン(無人機)や航空監視、軍需品などを手掛ける企業を含むサプライチェーン全体の再評価の始まりとみている。
金融機関もこの動きを活用しようとしている。シンガポールに拠点を置く資産運用会社リード・キャピタル・パートナーズは、中国の防衛株に投資できる商品を計画中だ。
リード・キャピタルの副最高投資責任者(CIO)、ジェラルド・ガン氏は「近年、中国の軍事技術の進展は非常に速い。中国が支配的なのは電気自動車(EV)市場だけでない」と指摘。「これは明るい材料であり、今後数年で活用したい分野だ」と述べた。
今回の衝突で最も衝撃的だったのは、パキスタンが中国製戦闘機「殲-10C(J-10C)」を使用して、フランス製戦闘機「ラファール」を含むインド軍戦闘機5機を撃墜したと発表したことだ。インド側はパキスタンの主張について確認も否定もしていないが、この発表だけで「殲-10C」の製造を手掛ける中航成都飛機の株価は5月に約40%上昇した。

中国製戦闘機「殲-10C(J-10C)」
Photographer: Aamir Qureshi/AFP/Getty Images
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、エリック・チュー氏は、もし中国製の戦闘機がラファールを撃墜したことが事実であれば、エジプトなどの潜在的な市場で関心を呼ぶ可能性があると述べている。
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原題:China Jets Used in India-Pakistan Clash Spur Defense Stock Surge(抜粋)
🧠 編集部の感想:
最近のインドとパキスタンの軍事衝突が防衛株を押し上げる結果になったのは驚きです。この状況が、投資家にとっては軍事技術の実力を見せつける貴重な機会となりました。しかし、戦争の影響で株が上昇するという現実には複雑な思いを抱きます。
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