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概要
この記事は、白内障と網膜症の手術を受けた著者が、視力低下による「見えない」世界で直面した困難や、MacとiPhoneの設定を変更することで視認性を向上させるために試した方法について紹介しています。今後、同様の状況にある人々への参考にもなることを目的としています。
要約(箇条書き)
- 著者は視力が急激に低下し、白内障と網膜症の手術を受けた。
- 手術後も視力が改善されず、日常生活や仕事に困難を抱えた。
- MacとiPhoneの設定を変更して、見えやすくする工夫をした。
- Macではディスプレイの拡大表示、文字の拡大、ズーム機能を活用。
- iPhoneではズーム機能や文字を太くする設定を使用。
- 設定だけでは不十分で、物理的な拡大鏡を購入する必要があった。
- 視力低下の経験から、視覚障害者向けの優しいインターフェース設計の重要性を実感した。
- 自身の経験を通じて、今後のシステム開発へ活かしたいと考えている。
- 視力低下への備えとして「3本指ダブルタップによるズーム機能」を推奨している。
ところで、実は最近目の調子が非常に悪く、視力が急激に落ちてしまいました。3月頃に白内障と網膜症の手術を受け、かなり見えにくい状態が続きました。(現在も、近くはあまり見えていません)
今回は、私が実際に経験した「見えない」世界での困難と、MacやiPhoneを使い続けるために試した設定について詳しくお伝えしたいと思います!
皆さんの将来の備えや、ご家族・知人が同じ状況になった時のために、少しでもお役に立てたら幸いです。
今回の記事は、YouTubeで公開したこちらの動画をもとに書きました。
より詳しく知りたい方はぜひ動画もチェックしてみてください🎬
視力低下、そして手術へ
両目を手術することになったきっかけは、健康診断でした。
2023年の健康診断で血糖値が高いことを指摘されました。
内科を受診した際に、医師から「血糖値もそうだけど、視力もちょっとやばくないですか?」と言われ、眼科へ行くことになったのです。
眼科での診断は「白内障」と「網膜症」でした。
当時はまだ「レーシックやICL、コンタクトを試したい」なんて呑気なことを考えていたのですが、医師からは「それどころじゃない」「白内障と網膜症だね」と言われ、経過観察となりました。
レーシックとか言ってる場合じゃなかった
2024年になり、忙しい日々を送る中で、再び健康診断を受けました。
結果は、さらなる視力低下。実は、1年前に眼鏡を新しく3本作って使い分けていたのですが、どんどん見えなくなっていたので、自分でも目が悪くなっている自覚はありました。
ゴルフで打った球が見えなかったり、居酒屋の壁にかかったメニューが全く読めなかったりするほどでした。
そして再度眼科へ行き、白内障と網膜症が進行していることを告げられ、「手術のタイミングの話をしましょう」と言われました。もうどうしようもないと思い、覚悟を決め、2月頃に手術を決定。
3月に両目の手術を受けました。
手術後、何も見えない現実に直面
こうして手術に踏み切ったのですが、実は診断される前から強い乱視と近視があり、裸眼だとぼやけてほとんど見えない状態でした。その時に私に見えていた世界をお伝えするために、ChatGPTに頼んで愛猫のイラストを「強い乱視と近視がある人の見え方」として表現してもらいました。
それがこちら。
強い乱視と近視の見え方
ちなみにプロンプトはこんな感じ
かなりぼやけて見えていることがわかると思います。
ただ、眼鏡をかければクリアに見えていたので、日常生活では困っていませんでした。
今回、右目は網膜症もあったため視力回復はあまり期待せず、左目は白内障だけだったので回復を期待していました。先に右目を手術して、それからは左目で一生懸命仕事をしていました。
そして左目の手術も無事に終わり……
「前と一緒やん! 何にも見えない!」という状況になりました。
手術後の見え方がこちら。
両目手術後の見え方
以前は近くにすれば何となく見えたものが、近くにしても全く見えません。
しかも、しばらくの間は老眼鏡も近視用メガネも禁止(ギャグではありません)と言われ、どうしようもない困った状況になったのです。
「見えない」世界で直面した困難と、Mac/iPhone設定での対策
突然見えなくなったことで、仕事ができなくなることはもちろんのこと、日常生活でも様々な困難に直面しました。
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地図が見られない。
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モバイルSuicaのチャージボタンがどこかわからず、決済もできない。
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保険の手術対応の書類が見えないので書けない。
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手術後、事務所に戻るまでの移動(階段、エスカレーター)が怖い。目が見えにくいだけだと一見元気そうに見えるので、危険な場面もありました。
こうした状況をどうにかするため、MacとiPhoneの設定を見直しました。
Macの設定変更
Macでは、主にディスプレイの設定を変更しました。
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ディスプレイの拡大表示や文字の拡大
【設定】→【ディスプレイ】→「文字を拡大」「デフォルト」
[設定]→[ディスプレイ]
普段は42.5インチの大きなモニターを使っているので「スペースを拡大」設定にして広々使っているのですが、「文字を拡大」にすると文字一つ一つが大きくなります。巨大モニターだと驚くほど大きくなりましたが、そうしないと読めませんでした。
他には、アクセシビリティにあるズーム機能なども役に立つかもしれません。
私は、今回はディスプレイ設定の変更だけでなんとか仕事ができました。[設定]→[アクセシビリティ]→[ズーム機能][読み上げコンテンツ]など
iPhoneでの設定変更
Macが見えにくいのも困りましたが、iPhone(スマートフォン)がないと本当にやばい、ということを痛感しました。
特に役立った設定はこちらです。
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ズーム機能(拡大鏡)
【設定】→【アクセシビリティ】→【ズーム】→【ズーム機能】
[設定]→[アクセシビリティ]→[ズーム]→[ズーム機能]
これをオンにすると、3本指で画面をダブルタップすることで、どこでも拡大できるようになります。
ただ拡大するだけでなく、拡大した画面上でボタンを押したり、スワイプしたりといった操作も可能です。拡大の大きさも変更でき、オフにする時も3本指のダブルタップでできます。
これは本当に便利で、見えない人にとっては非常に重要です。
設定自体が見えづらい中で変更するのは難しいので、目が元気なうちに知っておくべき機能です!
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文字を太くする設定
【設定】→【画面表示と明るさ】→【文字を太くする】
[設定]→[画面表示と明るさ]→[文字を太くする]
文字が太くなることで視認性がかなり良くなりました。これも非常に大事です。
テキストサイズも変更できますが、私は文字を太くする設定だけで十分でした。
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ディスプレイの拡大表示
【設定】→【画面表示と明るさ】→【拡大表示】→「文字を拡大」
[設定]→[画面表示と明るさ]→[拡大表示]
「文字を拡大」を選択
これをオンにすると、全体的に表示が大きくなります。
これらの設定で、視認性はかなり改善されました。
設定だけでは足りず、物理的な拡大鏡も購入
MacやiPhoneの設定変更でだいぶ助けられましたが、残念ながらそれだけで以前のように普通に仕事ができるようになったわけではありませんでした。
どうにもならない部分があり、最終的には物理的な拡大鏡(ルーペ)を購入することにしました。
高芝ギムネ製作所の「ミキロコス」
Amazonでセールになっていたお安い拡大鏡を2つ購入しました。有名なハズキルーペなどは高価なので、まずは手頃なものから試そうということです。
個人的な話ですが、この頃には「多分もうガンプラ作れないんだろうな」と思ってしまい、それが悲しかったです😞
視力低下を経験して改めて感じたこと
今回の経験を通じて、視力が低い人、弱視の人の気持ちが本当によくわかりました。
かつてNTTデータに勤めていた頃、「弱視の人や視力の低い人の気持ちをわかってシステムを作りなさい」と教えられたのですが、その時は正直わかっていなかったと思います。
「設定を変更すればいい」と言われるかもしれませんが、その設定変更自体が見えないと非常に難しいのです。
この経験を経て、改めてソフトウェア開発における優しいインターフェースやデザインの重要性を強く認識しました。
様々なハンディキャップをお持ちの方がいらっしゃる中で、誰もが使いやすいシステムを作ることは非常に大事だと痛感しました。
まとめ:将来に備えて知っておきたいこと
私の視力はまだ完全に回復していませんが、この経験を今後のシステム開発に必ず活かしていきたいと考えています!
今回一番お伝えしたいのは、iPhoneの「3本指ダブルタップ」によるズーム機能(拡大鏡)です。
これは目が見えにくくなった時に本当に役立つ機能なので、ぜひ覚えておいてください!
突然の視力低下は誰にでも起こりうる可能性があります。
ご自身のためだけでなく、ご両親やお知り合いが視力低下で困った時にも、この情報がきっと役に立つはずです。
白内障と網膜症の手術の経験はなかなか大変なものでしたが、この経験を糧に、開発も情報発信も頑張っていきたいと思います💻
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それでは皆さん、また次回の記事でお会いしましょう!
視力が良くなるように願っていてください!
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