上司にタメ口で「好感度を上げる人」がやっている、たった1つのルールとは?写真はイメージです Photo:PIXTA

一般的に目上の人や関係性が浅い人、ビジネスシーンでは敬語で話すのが大人としての礼儀であり、「タメ口」を使うことは失礼だとされている。しかし会話の中に自然にタメ口を織り交ぜることで、時にはコミュニケーションが円滑に進むことも。タメ口を使うと関係性にどのような変化が生じるのか。その効果的な使い方を解説する。※本稿は、堀田秀吾『戦略的タメ口 結局、コミュ力の高い人がすべてを手に入れる』(WAVE出版)の一部を抜粋・編集したものです。

敬語は大人の世界の標準語
タメ口はなわばりに踏み込む話し方

 敬語はいわば「大人の世界の標準語」です。一般的な社会人は、相手を尊重し、礼儀をもって接すること(=配慮)がマナーとして求められます。英語と違って、日本語の場合は、相手と距離を置いた方が配慮したことになります。

 つまり、敬語を使って相手との心理的な距離感を出し、「自分はあなたを尊重しているので、あなたのなわばりには侵入しませんよ」ということを表現しています。

 一方、タメ口は、自分のなわばりを相手に開放し、相手のなわばりにも一歩踏み込んだ話し方になります。ですから、心の距離感を縮めるのにはうってつけです。

 とはいえ、日本社会では基本として、上司や年上やお客さんとの会話などでは、相手と一定の距離感があることも望まれています。ですから、いきなりタメ口を使っても礼儀をわきまえていないような印象を与えてしまいます。

 そのため、上手に使い分ける、すなわち、上手にコード・スイッチングをしていくことが重要となります。

コード・スイッチング同書より 拡大画像表示

敬語の会話のなかに
タメ口を混ぜると親しみが増す?

 次の例は、実際にあった40代男性と20代女性の会話です。

女性「今日はみなさんどちらか行かれるんですか?」

男性「今日は夜からみんなでオーケストラを見に行こうと言ってます。よかったら一緒に行きます?」

女性「行きたい、行きたい!」

男性「じゃ、チケット取りますね」

女性「すみません、お願いします」

女性「行きたい、行きたい!」,男性「じゃ、チケット取りますね」同書より 拡大画像表示

 この会話では男性も女性も基本的に敬語で話しているので、もともとそれほど親密ではない関係だということがわかります。ですが、途中で女性が「行きたい、行きたい!」とタメ口に切り替えています。