ヨシノパワージャパンは、コンパクトさと安全性を特徴とする独自の三元固体電池を用いたポータブル電源「YOSHINO B1200 SST」を、5月26日に発売する。容量1,085Whで、価格は169,900円。予約は4月17日より受け付ける。
独自の三元固体電池でコンパクト化。低温でも動作
1kWh帯の容量を、世界最小クラスというサイズで実現したポータブル電源。
同社が商標を持つ「三元固体電池」は、容量に対してコンパクトで軽く(エネルギー密度が高く)、充電サイクル数が多く長寿命であり、安全面では耐久性能が高く、耐熱や耐寒耐性、爆発や熱暴走がしにくいという利点を持つ。
ポータブル電源のバッテリーとして、かつて主流だった三元系電池や、現在の主流といえるリン酸鉄リチウムイオン電池とは異なる固体の電解質を採用。三元系(ニッケル、マンガン、コバルト)をベースとしているが、液体に比べて小型化しやすいという。
これまでの課題としては、需要が高かった1,000Wh容量帯の製品がまだ存在していなかったほか、高い技術や生産規模が必要なことによるコストの問題があった。
同社で6製品目となる今回の1kWhモデルYOSHINO B1200 SSTは「世界最小クラスの1kWhモデル」としており、本体サイズは296×204×256mm(幅×奥行き×高さ)で、従来の1kWhクラスのポータブル電源に比べ体積を約20%抑えたという。重量は11kg。業界最高クラスというエネルギー密度87.74Wh/Lと、広温度域動作を可能にした。出力はAC 4ポートや最大100WのUSB Type-Cなど。
コスト削減で低価格化、高い安全性も
従来の固体電池のポータブル電源で課題とされていたコストの面も改善して低価格化。既存製品とほぼ同様のパーツを一部転用したほか、販路をオンラインのみの直販に絞った。さらに、これまでより大量生産に踏み切ることでも1台あたりのコストを低減した。
安全性の面では、150℃の耐熱、13kNの圧迫、4mm穿刺試験を含む試験をクリア。65℃~-20℃の広い温度域で安定して動作するという。無負荷時の動作音は25dBに抑えている。
高度なバッテリー管理システム(BMS)を備え、10カ所の高精度温度センサーによりセル単位の電圧、温度、残量を0.1V/0.1℃単位で24時間監視。独自開発の「FastBalance技術」により、セル間の電圧バランスを動的に調整。バッテリーパック全体の寿命を単一セル並みに最大化した。急速充放電でも4,000回の充放電サイクルを可能としている。
連続出力は1,200W(瞬間2,000W)。使用時間の目安は、前面LED照明(10W)の場合約92時間(約3.8日間)、スマートフォンの充電(12W)で約76回分。
出力端子はAC 4ポートと最大100WのUSB Type-C、60WのUSB Type-C、2ポートのUSB Type-A(18W)。DC5521 12V/10A出力や、シガーソケット出力も備える。
本体へのAC充電時間は、0%から80%までが約60分、フル充電は約70分。ソーラーパネルからの入力は最大400W。
Wi-FiとBluetoothを搭載し、専用アプリ「YOSHINO」を使うと、ポータブル電源の電力消費量や温度のリアルタイムモニタリング、各出力の制御が可能。
付属品は、AC充電ケーブル、DC5521ケーブル、車載充電ケーブル。