7月18~20日、イタリアのミサノ・ワールド・サーキットで2025年GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)第6戦が開催された。スプリント・カップの今季第3大会となった同ラウンドでは、バレンティーノ・ロッシ/ラファエル・マルチェッロ組46号車BMW M4 GT3エボ(チームWRT)が土曜夜のレース1を制し、翌20日日曜のレース2ではマービン・キルヒホーファー/ベンジャミン・ゲーテ組59号車マクラーレン720S GT3エボ(ガレージ59)がポール・トゥ・ウインを飾っている。
■母国ラウンドでの連勝記録を更新
レース1は、19日土曜にミサノ恒例のナイトレースとして実施された。3番グリッドからスタートした46号車BMWは、ロッシのドライブで中盤まで3番手を走行。レース中盤の義務ピット後は2番手に浮上すると、ロッシから乗り替わったマルチェッロが、首位を走る51号車フェラーリ296 GT3(AFコルセ・フランコルシャン・モーターズ)に追随する。
迎えたレース終盤、フェラーリの背後についたマルチェッロがターン12でヴァンサン・アブリル駆る51号車オーバーテイクし、BMWの勝利を確固たるものにした。この勝利により、ロッシとチームWRTはミサノで3連覇を達成した。また、マルチェッロにとっては2023年バレンシア以来のスプリント・カップ優勝となっている。
ポールポジションかスタートした51号車フェラーリは1秒580の差で2位となり、3位にはBMWの32号車BMWが入った。これによりチームWRTはワン・スリー・フィニッシュを達成している。
■ランボルギーニの大クラッシュで長時間にわたりレースが中断
日曜のレース2は14時30分のスタートから15分後、911号車BMW M4 GT3エボ(パラディン・コンペティション)と1号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(GRTグラッサー・レーシング・チーム)の接触から、後者がガードレールに激突し炎上する大クラッシュに見舞われ赤旗が提示される。
幸い1号車をドライブしていたジョージ・ドンチェフは自力でマシンを降りることができたが、この事故による中断は2時間以上にわたった。
レース再開後、ポールシッターの59号車マクラーレンが順位をキープした一方、2番手からスタートし逆転の機会を窺っていた46号車BMWはピットレーンでのスピード違反によるドライブスルーペナルティを受け、週末の完全勝利の望みを断たれてしまう。
マクラーレンはレース後半、3番手から2番手に順位を上げた48号車メルセデスAMG GT3エボ(ウインワード・レーシング)に迫られるも、最後までポジションを守りきりトップチェッカーを受けた。ゲーテは自身初となるスプリント・カップでのオーバーオール優勝を手にし、キルヒホーファーも2019年以来初めてシリーズ表彰台の頂点に返り咲いた。
そしてこの勝利は、マクラーレンが9年間にわたって遠ざかっていたGTWCヨーロッパのスプリント・カップレースでの総合優勝を手にしたことを意味する。イギリスのメーカーの最後の勝利は、ガレージ59が2016年ニュルブルクリンクで記録したものだった。
優勝した59号車720S GT3エボの後ろには48号車メルセデスと96号車ポルシェ911 GT3 R(ルトロニック・レーシング)が続き、3メーカーが表彰台を分け合っている。
GTWCヨーロッパ・パワード・バイ・AWSの次戦は8月1~3日に開催される第7戦マニクールだ。このフランスでの一戦は今大会と同様にスプリント・カップのフォーマットで実施される。
🧠 編集部の感想:
ロッシ選手とBMWのミサノでの3連覇は素晴らしい成果ですね。特にナイトレースでの連勝は観客を魅了したことでしょう。一方、日曜のレースでの炎上クラッシュはとても危険で、選手たちの安全が最優先されるべきだと改めて感じました。
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