2025年5月20日16:00RecordChina
2025年5月19日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、オーストラリアの鉱業大手ライナスが「非中国産」のレアアース製品の提供を開始したと報じた。
記事は、世界最大級の希土類鉱山の一つである西オーストラリア州のマウント・ウェルド鉱山を運営するライナスが先日「中国以外で初めて重希土類加工製品を開発した企業になった」と発表したことを紹介。マレーシアの工場ですでに酸化ジスプロシウムの生産を開始しており、6月からは同国でテルビウムの生産も始める計画だとし、同社のラカーズ最高経営責任者(CEO)が「日本や欧米の顧客と接触している。顧客に中国以外からの仕入れのチャンスを提供することは、サプライチェーン回復に向けた重要な一歩だ」とコメントしたことを伝えた。
レアアースはスマートフォンや風力タービン、軍事装備など、多くの製品の製造に不可欠であり、中国がサプライチェーンにおいて支配的な地位を占めているのが現状だ。中国は米国による半導体輸出規制や関税措置への対抗として、昨年に半導体生産において重要な鉱物であるガリウムやアンチモン、ゲルマニウムなどの輸出を禁止したほか、今年4月にはタングステンとレアアース7種類の輸出を制限した。
記事は、レアアース供給の「脱中国化」を目指す米国の動きにも触れ、米政府が23年にライナスと2億5800万ドル(約370億円)を支援してテキサス州に重希土類の分離を行う新工場を建設する契約を締結したことを併せて紹介している。(編集・翻訳/川尻)
編集部の感想:
オーストラリアの企業が中国以外で初めて重希土類を生産することは、サプライチェーンの多様化に向けた重要な一歩です。これにより日本や欧米との経済的な連携が強化されることが期待されます。中国依存から脱却する動きが進む中、競争が激化する可能性も見逃せません。
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