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概要
この記事では、2025年3月期のメガ損保3社(MS&ADインシュアランスグループホールディングス、SOMPOホールディングス、東京海上ホールディングス)の決算を比較し、それぞれの強みや投資方法について分析しています。各社とも好決算を収めており、株主還元に積極的です。投資の目的に応じてどの銘柄が適しているかを解説しています。
要約(箇条書き)
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決算成績
- MS&AD: 親会社株主に帰属する当期純利益6,916億円(87.3%増)。
- SOMPO: 同利益4,229億円(1.7%増)。
- 東京海上: 同利益1兆552億円(51.7%増)。
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企業の強み
- MS&AD: 海外事業の成長、安定した国内事業、高い株主還元意識。
- 株価指標: PER 7.38倍, PBR 1.24倍, 配当利回り4.71%
- SOMPO: 高い自己資本比率(18.9%)、介護事業の収益。
- 株価指標: PER 9.91倍, PBR 1.43倍, 配当利回り3.47%
- 東京海上: 高い資本効率(ROE 20.6%)、国内外での高収益。
- 株価指標: PER 11.01倍, PBR 2.26倍, 配当利回り3.52%
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投資目的別の推奨銘柄
- 高成長性重視: 東京海上ホールディングス
- 割安感と高配当重視: MS&ADインシュアランスグループ
- 財務安定性と事業独自性重視: SOMPOホールディングス
- まとめ
- 各社の特性(収益性、割安感、安定性)を理解し、投資目的やリスク許容度に基づき選択する重要性を強調。
メガ損保3社の2025年3月期決算が出揃い、各社の戦略や強みが見えてきました。
どの会社も好決算で、株主還元も積極的に行なっている印象ですが、株式投資を検討する上で、どの銘柄を選べば良いか迷っている人もいるでしょう。
この記事では、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&AD)、SOMPOホールディングス(SOMPO)、東京海上ホールディングス(東京海上)の3社の決算概要と、投資の目的別にどの銘柄が向いているかを解説します。
メガ損保3社の2025年3月期決算について簡単に振り返り
2025年3月期の業績は、3社とも好調でした。まずは、簡単に各社の決算内容を振り返ってみましょう。
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MS&AD
親会社株主に帰属する当期純利益は6,916億円(前期比87.3%増)と大幅な増益を達成しました 。海外保険子会社の増収や国内損害保険事業の堅調な推移が貢献しました。 -
SOMPO
親会社株主に帰属する当期純利益は4,229億円(前期比1.7%増)となりました 。海外保険事業の成長や国内損害保険事業の回復が寄与しました。 -
東京海上
親会社株主に帰属する当期純利益は1兆552億円(前期比51.7%増)と、3社の中で最も大きな利益額・増益率を記録しました 。国内外の保険引受拡大や資産運用の好調が要因です。
以下の記事では決算を細かく比較しています。興味のある方はぜひご覧ください。
決算内容から見る3社の強みは?
決算内容から分かる各社の強み、株価指標、総括をまとめました。
※株価指標は2025年5月28日終値を基準としてまとめています。
MS&ADインシュアランスグループホールディングス
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強み
海外事業の成長と国内損保事業の安定性が強みです。2025年3月期は特に海外保険子会社の増収が目立ちました。また、株主還元への意識も高く、2026年3月期の予想配当利回りは3社の中で最も高い水準です。自己株式取得も850億円を上限に実施予定です 。 -
株価指標
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PER: 7.38倍
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PBR: 1.24倍
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予想配当利回り(2026年3月期): 4.71%
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総括
安定した国内事業を基盤に海外での成長を目指しており、株価の割安感と高い配当利回りが魅力です。バランスの取れた成長と株主還元を重視する投資家に向いていると言えるでしょう。
SOMPOホールディングス
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強み
メガ損保3社の中で自己資本比率が18.9%と最も高く、財務の安定性に優れています 。また、国内損保、海外保険に加え、介護事業という独自の収益の柱を持っている点が特徴です。2026年3月期からはIFRSへ移行し、国際的な比較可能性の向上を目指しています。株主還元にも積極的で、1,050億円を上限とする自己株式取得と、2026年3月期には150円への増配を予定しています 。 -
株価指標
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PER: 9.91倍
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PBR: 1.43倍
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予想配当利回り(2026年3月期): 3.47%
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総括
安定した財務基盤と、保険事業に加えて介護事業という成長分野を持つ点が特徴です。IFRS移行による透明性向上も期待されます。独自の事業ポートフォリオと財務健全性を評価する投資家に適しています。
東京海上ホールディングス
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強み
国内外の保険事業で高い収益力を誇り、特に2025年3月期はNo.1の純利益を達成しました。ROEも20.6%と3社の中で最も高く、資本効率の良さが際立っています 。積極的な株主還元も魅力で、2026年3月期は210円への大幅増配を予定し、年間2,200億円の自己株式取得方針のうち、まず1,100億円の取得を決議しています 。 -
株価指標
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PER: 11.01倍
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PBR: 2.26倍
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予想配当利回り(2026年3月期): 3.52%
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総括
業界トップクラスの収益性と資本効率を誇り、成長性と株主還元の両面で魅力があります。積極的な事業展開と高い利益成長を期待する投資家に向いているでしょう。
【投資の目的別】どのメガ損保株に投資すべき?
ここからは、分析した強みや決算の内容・株価指標などから、目的別にどの銘柄が向いているのかを紹介します。
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高い成長性を重視するなら → 東京海上ホールディングス
2025年3月期の純利益額、増益率ともに3社の中でトップであり、ROEも20%を超えるなど資本効率も優れています 。今期も高い利益水準を維持する見込みであり、成長性を重視する投資家にとって魅力的な選択肢となります。
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株価の割安感と高い配当利回りを求めるなら → MS&ADインシュアランスグループホールディングス
PER、PBRともに3社の中で最も低く、株価に割安感があります。また、2026年3月期の予想配当利回りは4.71%と3社の中で最も高く、インカムゲインを重視する投資家にも適しています。 -
財務の安定性と独自性を重視するなら → SOMPOホールディングス
自己資本比率が3社の中で最も高く、財務の安定性に優れています 。また、介護事業というユニークな事業ポートフォリオを持ち、保険以外の収益源も確保しています。IFRSへの早期移行も、今後のグローバルな評価に繋がる可能性があります。
まとめ
メガ損保3社は、それぞれに異なる強みと特徴を持っています。東京海上は圧倒的な収益性と資本効率、MS&ADは株価の割安感と高い配当利回り、SOMPOは財務の安定性と介護事業という独自性が際立っています。
ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、最適な銘柄を選ぶことが重要です。今後の金利動向や自然災害の発生状況、各社の海外戦略の進捗なども注視しながら、投資判断を行っていくと良いでしょう。
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