米大統領経済諮問委員会(CEA)のミラン委員長は、関税引き上げが米国のインフレに長期的な影響を及ぼすとの見方を否定した。また、金利は新型コロナウイルス禍前の水準に戻る可能性があると指摘した。
ミラン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「輸入は経済全体のわずか14%しか占めていない。こうした要因がインフレに大きな影響を与える力は限られている」と発言。「われわれは政権発足初日から関税を導入してきた。実際に関税は上昇し始めている」ものの、「インフレへの実質的な影響は特に見られていない」と述べた。
過去3カ月分の米消費者物価指数(CPI)は全て、予想を下回る伸びにとどまったとミラン氏は強調。食品とエネルギーを除いたコアCPIは4月に前年同月比2.8%上昇と、2021年春にインフレが本格化して以来の低い伸びが続いた。
こうした最近の指標で物価上昇の抑制が示されたが、米金融当局は利下げの再開を見送っている。トランプ大統領による関税引き上げがインフレを押し上げる可能性があると言及している。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は今月、「インフレへの影響は、物価水準の一時的な変化を反映して短期的なものにとどまり得る」としながらも、「そのインフレ効果がより根強いものになる可能性もある」と付け加えた。
かつてヘッジファンド運営会社ハドソン・ベイ・キャピタルでシニアストラテジストを務めていたミラン氏は、米国の輸入企業は「柔軟性を有している」とし、製品を国内で製造することも、「われわれを良好に扱う他国」から調達することも可能だと指摘。彼らには優位性があると付け加えた。
変動は起こり得る
「短期的に、金融市場で起きたようなボラティリティーが価格や経済活動でも生じ得るだろうか。もちろん、起こり得る」と同氏。「われわれは有利な立場にある。時間と共に、関税の負担を他国に強いることが可能になる」と話した。
また、バイデン前政権の「無責任な」支出に起因するインフレ圧力が和らげば、「金利が下がる余地が生まれる」とも指摘した
「経済の供給サイドの拡大を通じて」、また規制緩和や共和党の税制パッケージなどの政策を通じて、「われわれは金利を下げていく」とし、「金利をコロナ禍前の水準に戻すことができれば、それだけで財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は1ポイント改善する」と語った。同比率はここ数年、6%を超える水準が続いている。
金利は今のところコロナ禍前の水準を大きく上回っている。5年債利回りは現在4.08%前後で推移。2019年までの5年間は平均で1.89%だった。
原題:White House’s Miran Dismisses Inflation Risk From Tariff Hikes(抜粋)
🧠 編集部の感想:
ミラン氏の発言は、関税がインフレに与える影響が限定的であるとの見解を示しており、経済の柔軟性を強調しています。金利の低下の可能性についても言及されており、これは国民にとってプラスのニュースと言えるでしょう。今後の経済政策がどのように展開されるか、注視する必要があります。
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