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概要
この記事は、マーケティング領域における業務に生成AIを活用した経験について、著者の山口偉大氏が述べています。生成AIの導入による業務の効率化や、マーケティング業務全般への影響を分析しつつ、他の職種でも活用できる可能性に触れています。特に、アイデア出しや業務の効率化が強調されている一方で、AIが補助的な役割に留まっている現状も指摘されています。
要約ポイント
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生成AIの導入: 2024年から生成AI(ChatGPTなど)を使用。
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業務の効率化: 残業時間が半分以下に減少し、顧客とのコミュニケーションに集中可能に。
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共通項目の整理: 他職種でも使えるツールの利用方法(アイデア出し、文章要約など)。
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戦略と設計: 戦略的業務の効率化を実感、一部の業務に不安も感じる。
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販売/プロモーション: プレスリリースや広告コピー作成での効果を実感。ただし、最終的には人間のクリエイティビティが必要。
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顧客向け活動: メルマガ制作やQ&A生成での活用。
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他のAI活用ケース: 需要予測やクリエイティブ制作などの新しい活用方法も提案。
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AI時代の展望: マーケティングの民主化が進むと予測し、人間とAIの共存が重要と考える。
- 相談の案内: 無料相談が可能との案内もあり。
生成AIガチ勢というわけでもないのですが…2024年頭ぐらいから生成AIをマーケターとして業務導入していますので、現状ChatGPTを中心に生成AI関連ツールに触れていて感じている雑感をまとめてみました。
基本的にはマーケティング業務視点になっていますが、共通項目や他の職種の方でも活かせる部分があると思いますので少しでも参考になる部分があれば幸いです。
全体の整理
まずは、ザクっと全体像の整理をしてみるとこんな感じかと思います。
※一部抜け漏れはあるかもしれませんがご容赦ください🙇♂️
マーケターは忙しい。日々の運用施策だけでも手一杯という方も多い職種ですよね。私自身は新卒でPR代理店に入りましたので、深夜残業は当たり前でイベントや提案前は朝まで仕事をすることもしばしばといった環境でした。(共感できる方もいるのでは?🧐笑)。
デジタルの領域に来てからも、平日少しはマシになったかと思いつつ運用型広告のことが気になって土日も結局広告管理画面やデータに向かい合うので、「マーケターに休みはないな」と毎年同じ感想を抱いています。笑
この全体感の整理の通り、マーケターの業務領域では効率化の余地が上流の仕事から普段の施策ベースの仕事まで大いにあることが分かるかと思います。実際の業務時間ベースでも残業時間は半分以下になりました(少なくとも深夜12時を回っての作業はかなり少なくなりました)。それまでは「夜な夜な提案資料を作る」「調査や情報の整理に時間がかかってイライラする」などで結局残業ありきで仕事をしていたことを考えると、業務の中で負荷が大きかった分野が効率化され「お客さんと対話する」「顧客とコミュニケーションを直接取る」といった人でしかできない業務に集中しやすくなったと思います。
共通パート
さて、ここからは各セクションの整理です。まずは、マーケター以外の方々でも日々の業務でイメージしやすいであろう共通項目から整理します。
共通で言えば、このあたりの項目かと思います。文章要約やチェックなどももちろん「便利だな〜👀」と思う領域ではあるのですが、個人的にはアイデア出しが一番使っていると思います。
例)・業界やビジネスモデルを想定したマーケティング戦略や施策の洗い出し・新規事業の考案、またはその事業のネーミング
・課題や状況を整理してぶつけて、壁打ちをしてもらう
といった感じです。「検索エンジンの代替手段」として使っている方も多いかとは思いますが、オフィスワーカーが利用する用途のトップ5ではこんな領域になっています。※少し古い調査データなので、最近は少し変わっているかもしれません。
【TOP5】
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検索エンジンの代替
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興味や楽しみ
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文章・コード・アイデアの考察
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アイデア出しや企画
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要約や可視化
(参考)
出典:「生成AIに関する調査(2023年)」 / 株式会社クロスマーケティング
利用用途がイメージできるって大事なことですよね。共通パートにあって自分の業務に使えるはずだけど、まだ使えてなかったみたいなことがあればぜひトライしてみてください。
戦略 / 設計パート
ここからはマーケターとしてのパートになりますが、正直このあたりの「戦略 / 設計」業務が効率化されたのが一番嬉しかったりします。ただ、この業務まで顧客サイドでできるのかと思うとコンサルタントしては「中途半端なコンサルタントのままだと、職を失う可能性もあるかも💦」といった恐怖感すら感じる側面もありますが…
デスクトップサーチや各種参考資料や論文の読み込みなどやらないといけない重要な前工程の業務だけど「整理し切るまでめんどくさいなー」と思っていた仕事が、知りたい情報をプロンプトとして打ち込むだけでアウトプットされる体験が最高だと思います。市場規模の推定に関しては、出力データが根拠が薄かったりデータが間違っていたりで結局正しい参照先を調べないといけない可能性は高いのですが、それでもまずは「どの整理項目で情報収集すれば間違いなさそうか」といったあたりをつけられるのが役立つのかもと思っています。
企画立案は共通パートでいうところの「アイデア出し」と同様に非常に重宝しているのですがクライアントワークの中では、新規事業のサービス名が10分以内で決まったのは感動しました。「〇〇といった新規事業のサービス名を100個出して」というようなプロンプトでアイデアを列挙して、良いエッセンスを使ってサービス名に落とし込むというものなのですが、意思決定が遅い社長との対話だったため高速でダメなアイデアまで含めて案出しできると、ここまでネーミングが早くできるのかと体感しました。
基本ここに載せた業務に関しては、GPTで効率化した経験はあるのですが「各種分析」に関してはまだまだ細かくトライでききれていない部分があるので効率化に挑戦したいと思っています。(顧客へのレポート業務が効率化されたら最高ですしね😅…経験ある方いたら教えてください!🙇♂️)
※参考:SNSの分析に関しては、このXの記事を見てて「その辺のSNSコンサルより全然いいアウトプット出してくるやん」と突っ込んでしまいましたw SEOや広告領域などでも通常の定例レポートより上回れるアウトプットまで出せるようになっていてほしいと願う…🤲(切実)
【SNSコンサル不要説?】ChatGPT Deep ResearchによるSNSアカウント分析が神すぎた。
販売 / プロモーションパート
次は、普段の業務により近くなるパートについてみていきます。
プレスリリースに関しては、書くのが慣れている人であれば近しい切り口のリリースを探して参考にしながらゼロベースで書いてしまう方が早いかもなと思っています。
下書きや雛型を高速で作るという点では役に立つかと思うのですが、結局情報の補足に時間がかかったし文章表現がキャッチーではなく変更したりしたので「最終的には担当者の力量が試される」という印象です。プレスリリースの型が分かっており、自分で加筆・修正するのに自信がある場合にはGPTと共同で作業してリリースしてしまってもいいという認識です。
※PR TIMESで便利なテンプレートがあるので、該当する区分であればこの型に従った方が早い説
プレスリリースのテンプレート20選無料で使えるWordの雛形【例文付き】
プロモーションは、①全体/②広告/③SNS/④SEOに分けて雑感を整理したいと思います。
①全体
プロモーションは戦略 / 設計パートの各種分析が未着手ではあるものの、施策の立案やMECEに打ち手を出し切るには使える。突飛なアイデアや面白企画、代理店が考えそうなちょっとクリエイティブな施策を出すには情報が足りないが、「外さない施策をまず考えよう」という壁打ち相手としてはいい。
②広告
ここは結構可能性と将来性を感じる業務区分。広告のコピーやビジュアルでベースになるようなものを高速で作れるし、人間がやるよりあとで紹介する事例の通り効率化が実現できそう。サイバーエージェントさんの「極予測シリーズ」のように業界として動きは活発になると思うので、大手のWeb系代理店の動きはチェックしておきたい。
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=28030
③SNS
分析に関しては上記でSNSコンサル不要説を挙げたのでその通りではあるが、投稿案の作成が爆速でできるので非常に運用が楽になった。Xの投稿案を作ってみるのはテキスト型のSNS運用として効率化できるし、YouTubeの台本もほぼ完成してしまうので面倒な動画系のSNS運用の運用コストが下がってきそう。(YouTubeの台本とか、参考動画を何本も見て構成を考えて内容を組んでいくめちゃくちゃ面倒な作業だったので、運用者が少しはブラックな仕事生活から解放されそう。)
④SEO
SEOに関しては、実際に記事を書き人間で少し手直ししてオウンドメディアに掲載して順位変動を数記事見てみました。結論、まだまだ人間のライターが書いた記事の方がしっかり順位がつきアクセスも安定するかと思います。このあたりはSEOの専門家の人たちが日々研究し発信されていると思うのでそちらを参照いただければと思いますが、AIツールだけだとAIっぽい記事のアウトプットになってしまうので、やるのであれば人間やツールの補助が必要だし結局は高品質なコンテンツが評価されるため「品質を高く保つにはどの体制がベストか」というのを会社の状況に合わせて精査するという形で結論は着地するかなと。(AIだと1次情報までは出せないので、その点でも結局は人間の経験が必要ですしね)
顧客パート
最後のパートですが、既存リスト/顧客向けの活動に関してです。
メルマガに関しては、上記でプレスリリースやSEO記事に関して言及しているので同じイメージではありますが型を素早く作り人間で加筆・修正していくスタイルであれば制作に活用できると思います。Q&Aの生成は便利ですね。よくある質問を洗い出したり、洗い出した質問に対してのアンサーを考えたり顧客対応ででききたメッセージの返信を考えるのに活用するのはどの職種でも活用できそうです。
他にもこんな事例があります
業務例をメインにしながら上記では整理していたのですが、他にもマーケティングではこんなAI活用ケースがありますのでご紹介します。
出典:マーケティング分野におけるAI活用事例15選
少し高度な内容も入っているかと思いますが、①需要予測②クリエイティブ
の2領域では、ツール提供系ではなく人がサポートする支援会社として特に活用するケースが増えるのではないかと思っています。
「①需要予測」に関しては、データ収集や加工・モデリングがAI活用でよりスムーズになると従来は高額で依頼していた需要予測も比較的安価に実施でき”需要予測の民主化”につながるのでは。
個人的には、MMMを顧客提供の支援スコープに入れることを考えていたりするので参考に情報を貼っておきます。(昨年登壇したセミナーの資料の一部です。)
(参考)
また、クリエイティブの領域では昨年でいえば広告クリエイティブ生成が1つの注目テーマになっていたかと思いますが、こんな視点と結果がありました。※数値感はおおよそのイメージです。(こちらも昨年登壇したセミナーの資料の一部です。)
(参考)
セミナー資料なので、効果が出た領域のみ成果数値は出していますが運用型の運用効率化は少なくともできているのでその点では広告クリエイティブ面で生成AI活用してよかったなと思っています。
最後に
今回は、ざっくりではあります昨年から本格的に実施し始めたマーケティング領域の業務の生成AI活用の雑感を整理してみました。気になる施策や業務領域の生成AI活用があれば、気軽に各種SNSからメッセください。
個人的にAI時代が実現するのは、「マーケティングの民主化」の側面が大いにあると考えておりまして、それはクライアントと支援会社における情報格差や実力ギャップがなくなることでもあると思っています。人間にしかできない「洞察」「プロデュース」「意思決定」「仕組み化」はより一層マーケターとして磨いていきつつ、AIと共存してこれからも仕事をしていきたいと思います。
また、需要がありそうであればマーケティングだけでなく業務に活かせそうな生成AIの投稿をしようと思います(今回は面倒なので端折ってしまった、実際のプロンプト周りの話も含めて)。
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