
イーロン・マスク氏率いる人工知能(AI)スタートアップ「xAI」は、米テネシー州メンフィスでのスーパーコンピューター「Colossus(コロッサス)」を補強するため、米電気自動車(EV)メーカー、テスラの大型蓄電池システム「メガパック」を活用する。マスク氏が指揮する企業間で協力し合う新たな事例だ。
グレーター・メンフィス商工会議所が7日発表した資料によると、メガパックは停電や需要急増に対応するため追加された。このスーパーコンピューターは最近、150メガワットの電力を供給する新しい変電所と接続されたという。
7日にコメントを求めるメールをxAIとテスラに送ったが、返信はなかった。
xAIは、スーパーコンピューター構築を2段階に分け、急ピッチで進めてきた。天然ガスタービンの使用が環境保護団体の批判を受けたが、第1段階の完了に伴い、一部のガスタービンは今後、撤去される。
150メガワット相当を供給するメガパックの活用も、マスク氏が関与する5社がいかに連携しているかを示すものだ。テスラが最近提出した資料によれば、xAIは2024年1月-25年2月に約2億3000万ドル(約330億円)をメガパックに投じた。
マスク氏はこの他に宇宙開発企業スペースXや脳インプラント開発会社ニューラリンク、トンネル掘削会社ボーリング・カンパニーも経営する。
メガパックなどの大規模蓄電システムは、風力や太陽光によって生産された電力を蓄えるために必要だが、収益性の高いビジネスチャンスにもなり得る。需要と価格が低いときに余剰電力を蓄え、価格が高騰した時に売却することで、蓄電システムの所有者は利益を得ることができる。
原題:Musk’s xAI to Use Tesla Batteries at Memphis Supercomputer(抜粋)
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