
熱狂的なファンを持つ飲料ブランド、Mountain Dewが、驚きのキャンペーンを打ち出した。旧ロゴのタトゥーを入れているファンに対し、ラスベガスへの旅と新しいロゴのタトゥーを無償で提供するというのだ。
これは、同ブランドが10年以上ぶりに刷新したロゴの全国展開を記念する、大胆なマーケティング戦略の一環である。単なるデザイン変更に留まらない、Mountain Dewのブランドへの情熱と、ファンとの強い絆を象徴する動きと言えるだろう。
伝統と未来を見据えた新ロゴのメッセージとは
Mountain Dewが今回発表した新ロゴは、10年以上にわたり使用されてきた略称「Mtn Dew」から、フルネームの「Mountain Dew」へと回帰した。
レトロな雰囲気を持つ三次元フォントを採用し、ブランドの伝統と柑橘系の爽やかさ、そしてアウトドアの精神を表現している。
この刷新を印象付けるため、1980年代に人気を博したジングル「Gimme a Dew」を現代風にアレンジした30秒のコマーシャルも制作。映像では、Mountain Dewを一口飲んだ男性が、太陽と友人に囲まれたアウトドアアドベンチャーへと誘われる様子が描かれ、昨年7月に登場したキャラクター「Mountain Dude」も活躍する。
このロゴ変更は、ブランドのルーツを再確認しつつ、新たな時代への適応も視野に入れたものだ。
現代的なアプローチで魅せるTikTok限定コラボや巨大ドローンショーも
今回のロゴ刷新キャンペーンは、前述のタトゥー企画だけに止まらない。
TikTok Shop限定でDickiesとの協業によるワークシャツがMountain Dew Minis2箱とのセットで24.99ドル(送料別)で販売。
Mountain Dewが商標登録された1948年への敬意を表しつつ、新時代のエッセンスを取り入れたデザインが特徴となっている。このシャツには特注のパッチやヴィンテージ風のディテールが施され、オリジナルのMountain Dewフォントやロゴも使用されている。
Coca-Colaなど他の大手ブランドもTikTok限定商品を展開しており、Mountain Dewもこの流れに乗った形だ。
さらに、5月2日から9日にかけてラスベガスの巨大球体型施設Sphereでの広告展開や、イリノイ州、アイオワ州、ユタ州で過去最大級とされるものを含む4回のドローンショーも実施し、多角的にブランドの新しい門出をアピールする。
タトゥーという究極のファンエンゲージメントから、TikTokのような最新プラットフォームの活用、さらには大規模なドローンショーに至るまで、その手法は大胆かつユニークなものだ。
背景には、親会社PepsiCoの2025年第1四半期における純収益の対前年比1.8%減(179億ドル)や、北米飲料部門の販売量3%減という事業環境、そしてCoca-ColaブランドのSpriteがPepsiを抜き米国内炭酸飲料市場で3位に浮上したという市場での競争激化があるのかもしれない。
しかし、Mountain Dewは「Mountain Time」を自社のものと主張し移住費用を負担する企画や、ミシガン州ヘル町を「公式飲料」とするイベントなど、常に型破りな方法で注目を集めてきた歴史を持つ。
今回のキャンペーンも、ブランドの存在感を再び強く印象づける一手となるだろう。
🧠 編集部の感想:
マウンテンデューのロゴ刷新とそれに伴うタトゥーキャンペーンは、ブランドへの情熱とファンとの絆を見事に表現しています。タトゥーという斬新なアプローチは、より深いファンエンゲージメントを促進し、ブランドのアイデンティティを強化する素晴らしい手段です。多様なマーケティング戦略を駆使しながら、時代に合ったブランド展開を図る姿勢に感心しました。
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