ホラー作家・梨さんとホラーテクノロジーカンパニー・株式会社 闇がタッグを組んだドラマ製作プロジェクトとして、テレビ番組と配信ドラマの放送/配信が決定した。5月24日(土)よりテレビ番組「マルクト情報テレビ」が、MBSで毎週土曜日に放送開始(全4回)。6月6日(金)より配信ドラマ『マルクト 〜あなた、誰ですか?〜』がショートドラマアプリ「BUMP」で全30話が一挙配信される。「その怪文書を読みましたか」「行方不明展」などの展覧会やWeb連載ホラー「つねにすでに」などで知られる梨さんにとっては、原案と監修をつとめる初のテレビ番組およびドラマとなる。秘密国家を舞台にしたホラーSFドラマ「マルクト」物語の中心となる配信ドラマ『マルクト ~あなた、誰ですか?~』は、秘密国家「マルクト」を舞台に、超監視社会によってもたらされる構造や社会そのものへの恐怖を描いたSFドラマ。一方、配信ドラマに先がけ放送されるテレビ番組「マルクト情報テレビ」は、各回わずか5分。内容は、作品の世界観を補強し、より深く奇妙な体験をもたらす、“異常な放送”になるという。テレビ番組「マルクト情報テレビ」キービジュアル出演は中井友望さん、安部伊織さん、片田陽依さん、登坂淳一さん、青山なぎささんほか。情報解禁にあわせて、「マルクト」プロジェクトの公式サイトや公式X/Instagram/TikTokなどSNSが開設。マルクト国の怪しげなロゴマルクト国の広報を名乗るInstagramアカウントでは、「マルクト国民の平均寿命は150歳」「統治官による巡回とノードによる24時間モニタリング体制により、犯罪は未然に抑えられています」など、カルト宗教のような不気味な内容が投稿されている。さらに、あわせて公開されたティザー映像では、「指導者様に感謝を」といったフレーズが繰り返され、マルクト国なる秘密国家の異常性の一端をうかがい知ることができる。「マルクト」 ティザームービーホラー作家・梨と株式会社 闇が生む、新たな恐怖放送と配信が連動するメディア横断型の実験的な挑戦作である「マルクト」は、ホラー作家・梨さんと株式会社 闇がタッグを組んで展開するプロジェクト。梨さんといえば、『かわいそ笑』などの著書で知られる怪談作家。『かわいそ笑』をはじめとした著書に加えて、BSテレ東で放送されたバラエティ番組の皮をかぶったホラー番組「テレビ放送開始69年 このテープもってないですか?」では構成を担当している。同番組のプロデューサーである大森時生さん、デビュー作『近畿地方のある場所について』が映画化される作家の背筋さんらと共に、モキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)、ファウンドフッテージ、アナログホラーといった表現に代表される、近年のホラーコンテンツブームにおける中心人物の一人だ。長年、ホラーとテクノロジーを掛け合わせたコンテンツを手がけてきた株式会社闇とのタッグで、視聴者にどんな体験を提供するのか注目される。「情報番組とかが突然自分が全く知らないものに変わるっていう恐怖」梨さんはコメントで、テレビを受動的なメディアと指摘。その上で、「その見させられてるっていう状況をそのままホラーに転換したらこういう番組ができました」と「マルクト」を紹介。さらに、「普段見ているものが、それこそ普段何気なくなんか見流している、聞き流している CM であるとか、バラエティ番組、情報番組とかが突然自分が全く知らないものに変わるっていう恐怖…『異化効果としての恐怖』という言い方がいいかもしれません」とコメントしている。
KAI-YOU編集部_音楽・映像部門
執筆
ポップポータルメディア「KAI-YOU」の編集部(2013年3月15日より運営開始)。重要性の高いニュース記事に加え、クリエイターへのインタビューや発表会、展覧会などのイベントレポート、独自の視点・切り口からのレビューやコラムなども多数配信。ポップカルチャーと現代社会が相互に影響し合う歴史を記録しながら、シーンの最先端にある新たな価値観や才能を発掘・発信している。音楽・映像部門では、VOCALOIDやDTMなど多様なカルチャーが絡み合い複雑化するインターネット音楽シーンの現状を発信。ジャニーズから歌い手、ネット発アーティストまで、音楽やMV、映画を対象に、最先端技術を使った映像や膨大な時間がかけられたアナログ手法の作品、それらを生み出すクリエイターを紹介している。
🧠 編集部の感想:
この『マルクト』は、監視社会の恐怖を描いた新しい試みで、とても興味深いです。梨さんのホラー作家としての独特な視点がテレビと配信を通じてどのように表現されるのか、楽しみです。また、異常な放送を通じて視聴者に不安感を与える新たなメディア体験が期待できそうです。
Views: 2